かつては「メインユニット」を市販品に交換するドライバーは多くいた。しかし現在は交換しづらい車種が増えている。とはいえ、換えられるのであれば、換えない手はない。当特集では、そうである理由からチョイス法までを解説している。
◆「ディスプレイオーディオ」の登場が、非AV一体型ナビ派のカーライフを変えた!?
今回からは、ジャンルごとのトレンドを解説していく。まず、「ディスプレイオーディオ」について説明していこう。
ところで少し前までなら、もっともスタンダードな市販メインユニットは「AV一体型ナビ」だった。しかし現在ではこのディスプレイオーディオの支持率もかなり高くなっている。
なおディスプレイオーディオが市場に登場したのは2010年代に入ってからだ。そして、これが登場したことで、「非AV一体型ナビ派」のカーライフが変化した。それまでは「カーナビは要らない」という選択をするとセンタークラスターパネルからモニターも失うこととなっていたのだが、これを選べばモニターを備えることができ、リアカメラも使えて映像系コンテンツも楽しめるようになったのだ。
ちなみに当初ディスプレイオーディオは、リーズナブルであることも特長としていた。非AV一体型ナビ派はナビが高額であることも敬遠する理由の一つだったので、手頃であることも重要だった。

◆「カープレイ」への対応と「大画面化」が最新機種のトレンドに!
しかしながら現在では、市販ディスプレイオーディオはある程度価格が張るハイグレードモデルが人気だ。なお、価格が張るポイントは二つある。ひとつは「Apple CarPlay」と「Android Auto」(以下、「カープレイ」)への対応で、もうひとつは“大画面化”だ。
というのもカープレイに対応していると、スマホアプリを車内で便利に使い倒せる。スマホを接続すればアプリの表示を車載機の画面に映し出し、操作も車載機のモニター上で行える。で、非AV一体型ナビ派もナビを全く使わないわけではなく、多くはスマホのナビアプリを使っている。そのため、カープレイに対応しているとナビアプリをさらに便利に活用できる。
さらにはドライブ中にはスマホは音楽プレーヤーとしても機能するので、カープレイに対応していると音楽を聴くときの利便性も上がる。かくしてカープレイに対応していると、ディスプレイオーディオの機能が拡張する。なので各メーカーは、価格が上がってもカープレイに対応するモデルを主軸に据えた。

◆価格は上昇しても「大画面」は魅力。表示が見やすく操作もしやすい!
そしてディスプレイオーディオでも大画面化の流れが顕著だ。しかもフローティング構造が採用されたモデルが増えていて取り付け可能な車種も多い。で、画面が大きくなるほど価格は上がるが、そうであっても大画面モデルの人気は高い。表示が見やすく操作もしやすくなるからだろう。その結果、各社からさまざまな大画面モデルがリリースされている。
そしてその上で最新の市販ディスプレイオーディオは、「スマホ対応力」の向上も著しい。「カープレイ対応」もその一環だが、さらには「Bluetoothモジュール」の搭載はマストになっていて、加えて「HDMI入力端子」の装備もスタンダード化している。そうであるとスマホのミラーリングが可能となり、ストリーミングデバイスやゲーム機やカメラといったデジタル機器の使用も可能となる。エンタメ力の高いモデルが増えているというわけだ。
なお、ここにきて、カープレイをワイヤレスで実行できるモデルの登場も目立ってきた。市販ディスプレイオーディオは、現在も進化を継続中だ。
今回は以上だ。次回は市販AV一体型ナビのトレンド解説を行う予定だ。乞うご期待。