カーオーディオシステムの音を良くしたいと考えたときのもっともスタンダードなアプローチは、「スピーカー交換」だ。当特集ではこれに興味を抱くドライバー諸氏に向けて、実行時に役立つ情報をさまざま発信している。
◆1万円を切るモデルもあれば、100万円を超える製品もある…。
今回は、「いくらくらいのモデルを買うべきか」について考えていく。なお、市販スピーカーは1万円を切るものからあり、1万円台のモデルが「最エントリークラス」と位置付けられている。
一方、上を見るとキリがない。10万円や20万円を超えるモデルも多々あり、それ以上に高額なモデルもさまざまある。ちなみにもっともハイグレードなモデルともなると、100万円を超えてくる。
なお価格と性能は、ある程度は比例する。大量生産品かハンドメイドかといった製作工程の違い等によっても変化するので一概には言えないが、特に初級モデルから中級以上のある程度のところまでは、価格帯が上がるほどに性能も向上していく傾向が強い。
なぜならば、仕組み自体はシンプルなだけに素材に何を使うか等々の物量投入の多さが、性能にダイレクトに影響しやすいのだ。なので、高額なモデルに目を向けた方が良い製品を手にしやすくなる。
ただし、高額モデルになるほど取り付け性が落ちる傾向も強い。そうであると、取り付け費用も多くかかりがちとなる。物量を投じるがゆえに高額化するわけだが、結果、製品が大型化しやすく、ドアの内張りパネル内にすんなりと収まりきらないケースも出てくる。その意味でも高級モデルは、「初めてのスピーカー」としては不向きだ。
◆お薦めはズバリ、「最エントリーグレードの1ランクか2ランク上」！
では、どのくらいの価格帯のモデルが狙い目となるのかを説明していこう。
なお最エントリーグレードのモデルでも、一般的な純正スピーカーと比べて高性能だ。なので交換すれば音が良くなる。
とはいえお薦めなのはズバリ、「最エントリーグレードの1ランクか2ランク上のモデル」だ。
その心は以下のとおりだ。例えば1万5000円のモデルと3万円のモデルとを比べると、1万5000円の違いとはいえ比率としては倍違う。この差は性能にも相応の影響を及ぼす。例えば150万円のクルマと300万円のクルマとでは、パワーや居住性等々違いがさまざまな部分に現れる。倍の違いはかなり大きい。
そして、6万円のモデルは3万円のモデルと比べてさらに倍違う。結果、この2つにおいても性能差は相応に開く。ましてや1万5000円のモデルとは別モノというほど開きが出る。
というわけなので、予算が許す範囲の中で少し上のグレードのモデルに狙いを付けると、後悔しない製品選びを行える可能性が高まる。
◆10万円前後のモデルの中にも「初めてのスピーカー」として使いやすいモデルもある!?
さて、価格でいうと3万円から6万円くらいのスピーカーがお薦めとなるわけだが、そこからさらに1ランク、2ランク上を見ると一層高性能なモデルが選択肢の中に入ってくる。
ただし先述したように、高額モデルになると取り付け性が落ちてくる。なおそのボーダーラインは、7万、8万円くらいだろうか。
とはいえ、10万円前後のモデルの中にも取り付け性も考慮されたものもいくつかある。そのようなモデルを選べば気軽なスタイルで装着でき、かつかなり満足度の高いモデルを手にできる。なので予算が許すのであれば、10万円を超えるモデルにも目を向けよう。だがそのくらいのモデルに目を向ける場合には特に、取り付け性の良し悪しのチェックは入念に行いたい。
ところでスピーカーは、最後は音を聴いてから選びたい。チョイスにおいては、「音が好みに合うかどうか」、ここがもっとも重要だ。この点については回を改めて詳しく解説する予定だが、価格やスペックは目安として、それらですべてを決めつけることのないようにご注意を。
今回は以上だ。次回以降も「スピーカー交換」を実践する際のポイントをさまざま解説していく。お楽しみに。
