[カーオーディオ“なぜ?”]ボックスにタイプ違いがある…サブウーファー | Push on! Mycar-life

[カーオーディオ“なぜ?”]ボックスにタイプ違いがある…サブウーファー

カーオーディオはとかく、初心者から“分かりづらい”と思われがちだ。当連載ではそういった難解な点を1つ1つ取り上げて、その“分かりづらさ”をクリアにしようと試みている。今回は、「サブウーファーボックス」について抱かれがちな“素朴な疑問”の答を解説していく。

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「ユニットサブウーファー」を「シールドボックス」に組み込んだオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」を「シールドボックス」に組み込んだオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」を「シールドボックス」に組み込んだオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」を「シールドボックス」に組み込んだオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」を「シールドボックス」に組み込んだオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」の一例(ダイヤトーン・SW-G50)。
  • 「ユニットサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-W312S4)。

カーオーディオはとかく、初心者から“分かりづらい”と思われがちだ。当連載ではそういった難解な点を1つ1つ取り上げて、その“分かりづらさ”をクリアにしようと試みている。今回は、「サブウーファーボックス」について抱かれがちな“素朴な疑問”の答を解説していく。

◆自分好みのサウンドを得るために、「ボックスタイプ」が選択される!?

さて、前回までの記事の中でも説明してきたように、スピーカーユニットは「ボックス」に取り付けられて初めてスピーカーとして完成する。それは「サブウーファー」でも同様だ。で、カーオーディオではスピーカーユニットが裸の状態で売られている「ユニットサブウーファー」が使われることが多く、それを使う場合にはそれを装着するための「ボックス」の用意がマストになる。

しかも「ボックス」は、ワンオフされることが多い。なぜならば、どんな「ボックス」を用意するかで鳴り方が変わってくるからだ。つまり多くのカーオーディオ愛好家は自分好みのサウンドを得るために、そのサウンドを奏でやすい「ボックス」を自前で用意する。そこのところも楽しみどころとなっている。

なお、その「ボックス」には「タイプ違い」がいくつかある。そうであるのはなぜかというと…。

結論から入ろう。「ボックス」に「タイプ違い」がある理由はズバリ、「構造を変えることでも鳴り方を変えられるから」だ。ゆえにカーオーディオ愛好家たちは自分が望むサウンドが得られやすい「ボックス」を用意しようとする際にはまず、“どの「ボックスタイプ」にするか”を思案する。その上で、好みの音を奏でやすい「ボックス」を作り上げていく。

◆「サブウーファー」では、用いられる「ボックスタイプ」は主には2つ!

とはいえカーオーディオでは、選択される「ボックスタイプ」は主には2つに絞られる。実際はいくつかの「ボックスタイプ」が存在しているが、構造が複雑になるほど大型化する傾向がある。そして「サブウーファー」はそもそもスピーカーユニットが大きいがゆえに「ボックス」が大きくなりがちだ。なので構造が複雑な「ボックス」は、設置スペースを取りがちとなる。ゆえに比較的にシンプルな「ボックス」の方が実用性が高く、結果、2つのうちのどちらが選ばれることが多くなっている。

その2つとは、「シールドボックス(密閉型)」と「バスレフボックス(位相反転型)」だ。

では、この2つにはそれぞれどのような特徴があるのかを説明していこう。最初に「シールドボックス」について。

まずこれは、完全な“密閉箱”となっていることが特徴だ。「ボックス」はそもそもスピーカーユニットの裏側から放たれる音を閉じ込めるためのものだが、「シールドボックス」はその目的を愚直に果たす。

◆「シールドボックス」は、タイトでレスポンスの良い低音を鳴らしやすい!

そして「シールドボックス」は構造的にもっともシンプルなので、小型化を図りやすい。そして小さめに作るほど、タイトでレスポンスの良い低音を出しやすくなる。ただし小さくしていくと低域側の再生範囲が狭くなるので、ローエンド付近までしっかり鳴らしたいと思うときには大きめに作られることとなる。

対して「バスレフボックス」は、「ポート(ダクト)」と呼ばれる穴を備える。ここからスピーカーの裏側から放たれる音を表側に放出する。なお、裏側の音をそのまま表側に出してしまうと「キャンセリング(音の打ち消し合い)」が起こるので、位相(音波のタイミング)を反転してから表側に放出する。このような仕組みを持つがゆえに、「位相反転型」と呼ばれているのだ。

で、「バスレフボックス」はこのように仕組みがやや複雑になる分、サイズが大きくなりがちだ。そして設計および製作の難易度も上がる。つまり実用面でも製作面でハードルが高まる。しかし、狙いどおりのサウンドを鳴らしやすくなる。「裏側の音を利用する」というサウンドをコントロールするための手段を1つ余分に持てることとなるからだ。

ちなみに、「シールドボックス」の方が人気は高めだ。実用性が高く作りやすいからだろう。そしてサウンドもある程度コントロールできる。しかし、鳴り方にこだわる向きには「バスレフボックス」が選ばれることも多い。ももろもが総合的に勘案され、選択されている。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオ初心者が抱きがちな“素朴な疑問”の答を解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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