クルマが生まれ変わる!ECUチューンとはなんなのか、そして壊れないのか!?~カスタムHOW TO~ | Push on! Mycar-life

クルマが生まれ変わる!ECUチューンとはなんなのか、そして壊れないのか!?~カスタムHOW TO~

ECUチューンとはエンジンを制御するコンピュータを書き換えることでパワーアップをするチューニング手法。もはや現代のクルマには欠かせないチューニング。その種類とメリットはもちろん、デメリットも解説。

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ECUチューンとはエンジンを制御するコンピュータを書き換えることでパワーアップをするチューニング手法。もはや現代のクルマには欠かせないチューニング。その種類とメリットはもちろん、デメリットも解説。

現代のクルマはすべてコンピュータによって制御されている。とくにエンジンは必要な燃料の噴射量、タイミング、点火時期などもECU(エンジン・コントロール・ユニット)やEMS(エンジン・マネージメント・システム)と呼ばれるコンピュータが制御している。

その制御は燃費を良くするためや、排ガス規制への対応も考慮してデータが作られていて、エンジンの性能をすべて発揮しているとは言えない。そこでチューナーが本来のパワーを出すべく、ECUの内部データを書き換えることを「ECUチューン」と呼んでいるのだ。

昭和の時代はそれに当たるものがキャブレターだった。エンジン保護のためにちょっと濃い目の燃料を少し絞ることで、パワーを絞り出す。やりすぎると燃焼温度が一気に上昇してエンジンブロー。そのギリギリを攻めるのがチューナーの腕の見せ所だったわけだ。

しかし、現代のECUチューンはそういったエンジン寿命とトレードオフ的なパワーアップとは、本来ちょっと意味合いが違う。すでに燃料の濃さなどでいえば、純正でほぼ理想的な状態になっている。そこで燃料を絞ってもパワーアップは望めない。それよりも、燃費や排ガスなどの、足かせになっている部分を開放することでパワーを出すイメージなのだ。

あとはやりすぎると、すぐにエンジンチェックランプが点灯してしまう。エンジンとしては本来あるべき状態よりもパワーが出てしまうと、なんらかの異常があると検知してしまう。そこでチューナーはチェックランプ点灯を回避するために細かくデータを煮詰め、チェックランプが点灯する原因の領域を改善し、パワーアップしても普通に使えるようにデータを構築しているのだ。

可変バルブタイミングがチューニングの世界を変えた!!

ここで大きなターニングポイントが可変バルブタイミング機構の登場だ。カムがバルブを押してエンジンに吸気し、排気を行なっている。その時間を変えるためにハイカムなどに交換し、もっと燃焼室に空気とガソリンが入るようにチューニングしてきた。

そのときにスライドカムプーリーを装着。そのスライド量を微調整して、わずかに吸気バルブを早めに開くとか、排気バルブを早めに開こうとか、バルブタイミングを変えていた。そのタイミングの微調整によって低回転のトルク重視とか、高回転の最高速重視のセッティング、なんてことが言われていた。

しかし、可変バルブタイミング機構があれば、どの回転でも理想的なタイミングでバルブの開閉ができるようになったのだ。低回転は、昔でいう低回転重視のセッティングにして、高回転はそっちが良くなるようにセッティングできてしまう。

ECUチューン+可変バルブタイミングがあれば、低回転重視、高回転重視という言葉は基本的になくなり、全部良くすることが可能になってしまったのだ。

主流はメインECU書き換え。他にフルコン、サブコンがあり。

その手法のメインはECU書き換えチューン。純正ECUにアクセスして内部データを書き換える。ときには直接内部基盤に配線して書き込むこともある。

ほかにはサブコンピューター追加手法もある。これはメインECU書き換えができない車種で使われる事が多く、疑似信号を入れるタイプ。メインECU書き換えほどの拡張性はないが、それなりに出力を引き出すことは可能。現在GRヤリスなど、まだメインECU書き換えが確立されていない車種では、しばらくこの手法が使われるようだ。

そして、フルコンピュータに置き換える手法もある。こちらはコンピュータ自体をチューニングやレース用のものにしてしまうこと。100万円近いコストが掛かるが、ECU書き換えが不可の車種でも、置き換えてしまうのでチューニングできたり、アクセルを戻さずにシフトアップする制御を追加したりとか、拡張性の高さは抜群。しかし、純正のイモビライザーがなくなってしまうので、盗難に弱いとか、スピン防止などの制御がなくなってしまうとか、普段使いでの制約が多い。

排気ガス規制や燃費がカタログ値とは変わってしまうので、自動車メーカーとしては決して触れては欲しくないECUのデータ。現状では法規制もなく車検も問題ないが、いまだに昔のチューニングの匂いが残る、ちょっとだけアンダーグラウンドなチューニングなのだ。

《加茂 新》

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