「単体DSP」を使うこと自体が“ハイエンド”!? 超ド級の高級機も存在! 魅惑の「ハイエンド・カーオーディオ」への誘い 第3回 | Push on! Mycar-life

「単体DSP」を使うこと自体が“ハイエンド”!? 超ド級の高級機も存在! 魅惑の「ハイエンド・カーオーディオ」への誘い 第3回

カーオーディオは本来、敷居はそれほど高くはない。誰もが気軽に楽しめる。しかしその一方で、徹底的に理想のサウンドを追い求めるという楽しみ方も実践できる。当特集ではそのようなアプローチ、つまりは「ハイエンド・カーオーディオ」の魅力に迫ろうと試みている。

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“エタニ”の『ETN-1』を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。
  • “エタニ”の『ETN-1』を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。
  • “エタニ”の『ETN-1』を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。
  • “エタニ”の『ETN-1』を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。
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  • ブラックス・BRAX DSP
  • ブラックス・BRAX DSP
  • ブラックス・BRAX DSP
  • ビーウィズ・STATE A6R シリーズ

カーオーディオは本来、敷居はそれほど高くはない。誰もが気軽に楽しめる。しかしその一方で、徹底的に理想のサウンドを追い求めるという楽しみ方も実践できる。当特集ではそのようなアプローチ、つまりは「ハイエンド・カーオーディオ」の魅力に迫ろうと試みている。

「単体DSP」を使う場合には、別途外部パワーアンプが必要となる…。

今回は、「ハイエンド・単体DSP」について考えていく。まず「DSP」とは、「デジタル・シグナル・プロセッサー」の頭文字を取った略称だ。この「プロセッサー」とは、音楽信号の制御を行うためのアイテムであり、「DSP」とはつまりそのデジタルタイプ、というわけだ。デジタル状態の信号に対して制御をかけることとなる。対してアナログタイプの「プロセッサー」も存在しているが、主流は断然、デジタルタイプだ。

なお「DSP」にもタイプ違いがいくつかある。主には3タイプに分類できる。1つ目が「メインユニットに内蔵されているタイプ」、2つ目は「パワーアンプを内蔵するタイプ」、そして3つ目が「単体DSP」だ。

で、「単体DSP」に関しては、「これを使うことがすなわちハイエンド」という色彩が濃い。というのもその他の2つはカジュアルにも楽しめるのだが、「単体DSP」を用いる場合には自ずとシステムが大型化する。なぜならば外部パワーアンプが別途、絶対的に必要になるからだ。結果、導入のハードルが高いのだ。

外部パワーアンプが必要となる理由は以下のとおりだ。「DSP」では、微弱な状態の音楽信号に対してさまざまな制御がかけられる。パワーアンプで増幅し終わった後の信号は扱いが難しくなるからだ。なのでパワーアンプは「DSP」の後段に置かねばならない。別途外部パワーアンプを用意しなければシステムが成立しないのだ。

対して、メインユニットに内蔵されているタイプの「DSP」を使う場合には、そのメインユニットにはパワーアンプも内蔵されているので外部パワーアンプは用意しなくても良い。あとはスピーカーさえあれば音楽を再生できる。

ブラックス・BRAX DSPブラックス・BRAX DSP

「単体DSP」を使う場合には、「マルチアンプシステム」が組まれることとなる。ゆえに…。

また「パワーアンプが内蔵されているタイプ」の「DSP」を使う場合にも、パワーアンプが内蔵されているわけなので基本的には外部パワーアンプを別途用意する必要がない(サブウーファーを鳴らすときには必要となる場合もある)。ソースユニットとスピーカーを用意すればシステムを完成できる。一部高級機もあるが、そうであってもシステムをコンパクト化できる点においては導入のハードルは低めだ。

ならば、「単体DSP」を使う場合にもメインユニットに内蔵されているパワーアンプを使えば良いのでは、と思う向きもあるかもしれないが、そのような使い方がされることはない。なぜならば「DSP」で信号を制御する際には「マルチアンプシステム(スピーカーユニットの1つ1つに対してパワーアンプの1chずつをあてがうというシステムレイアウト)」が組まれることとなるので、スピーカーユニットの数と同数のパワーアンプのch数が必要となる。しかしメインユニットは、マルチ制御された信号を入力できる仕様にはなっていない。そしてそもそもメインユニットの内蔵パワーアンプには性能的にも多くを望めないので、これが使われることはないのだ。

というわけで、「単体DSP」を用いた時点で、システムの大型化は決定付けられる。ゆえに、「単体DSP」=「ハイエンド」という図式となるのだ。

ただし昨今は、より気軽に使える「単体DSP」も現れてはいる。小型かつリーズナブルなモデルもいくつか登場していて、さらにはパワーアンプにも小型で廉価でかつ高性能なモデルもあるので、それらを組み合わせれば本格カーオーディオシステムを比較的にカジュアルに楽しめる。ユニット代もそう多くはかからず、インストールスペースもある程度コンパクト化できるのだ。その意味では「単体DSP」は、以前と比べると身近な存在になってきた。

しかしながらその一方で、ハイエンド色が一層顕著にもなっている。超ド級の高級機が、いくつか登場しているからだ。

ビーウィズ・STATE A6R シリーズビーウィズ・STATE A6R シリーズ

税抜価格300万円のスペシャル機もある!

超ド級の「単体DSP」にはどのようなものがあるのか、具体的に見ていこう。まず挙げるべきは、ドイツのハイエンドカーオーディオブランド、“ブラックス”の『BRAX DSP』だ。当機の税抜価格はなんと82万円。にもかかわらず多くのサウンドコンペティターに使われている。支持を得ている理由はズバリ、価格に見合う性能が担保されているからだ。内部の音響パーツに贅が尽くされスペシャルな技術も多々盛り込まれている。

また、“エタニ”の『ETN-1』もこれに負けず劣らず超ハイエンドだ。当機の税抜価格は88万円。『BRAX DSP』をも上回る。そして当機も、価格に見合う性能を有している。また当機にはミュージックサーバー機能も搭載されていて、ソースユニットとしてもハイエンドだ。

そしてもう1つ、図抜けた存在と言えるスペシャル機がある。それは、国産ハイエンドカーオーディオブランド、“ビーウィズ”が擁する『STATE A6R シリーズ』だ。当シリーズにはベーシックモデルとなる『STATE A6R kishi model』(税抜価格:50万円)があり、さらには2台1組のデュアルモノラル構成で完全な左右分離を可能とする『STATE A6R kishi model DUAL』(税抜価格:100万円)、さらにはモノブロック×6台構成となる『STATE A6R kishi model MONO』(税抜価格:300万円)もラインナップされている。

ベーシック機でもその性能は際立っているのだが、トップエンド機では、マルチアンプシステムを「プロセッサー」の段階から別ch化できることにより、究極的なchセパレーションを実現できる。そして各チューニング機能も比類ないレベルで詳細な設定が可能だ。当機は何から何まで群を抜いている。どこかのイベント等でこれを使っている車両に出会えたら、その音をぜひ体験してみよう。聴くだけでも人生の貴重な経験となることは、間違いない。

今回は以上だ。次回も「ハイエンド・カーオーディオ」の魅力を掘り下げる。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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