スポーティカーのスープラをベースに、ハッチバックスペースにパワーアンプを中心としてエンジンを模したデザインを施した。千葉県のアークライドが作り上げたコンセプチュアルなデザインは単なるオーディオカーを超えたカスタムスタイルが圧巻だ。
◆パワーアンプを使って
ミッドシップエンジンを表現
リアハッチを開けると目に飛び込んでくるのはミッドシップエンジンを思わせるオーディオインストール。キッカーのハイエンドパワーアンプであるIX1000.1を4台使ったインストールは、アンプをエンジンに見立てるレイアウトとしたのが最大の特徴となった。
中央にシルバーのパネルを設置して、左右に2台ずつのパワーアンプをシンメトリーに配置。まるでV型エンジンのようなレイアウトとすることで本物のエンジンと見間違うほどの完成度を誇る。
エアインテーク部分やヒューエルタンク、プラグに対するハイテンションコードを思わせる“見せるケーブル類”の処理も光る。単なるアンプラックではなく、エンジンをイメージしたデザインの中にオーディオユニットを取り入れるという、コンセプトカー的な発想で作られたラゲッジが最大の見どころとなった。
◆パイピングや燃料タンクなどで
リアルなエンジンルームを再現
ラゲッジへのインストールは細部のディティールを徹底してこだわることで完成度を上げている。ミッドシップエンジンを感じさせるる要素はいくつもあるが、そのひとつがパイピング処理。キッカーのパワーアンプの下部に左右二つのフレキシブルパイプを配置、左右のエンジンへとフレッシュエアを供給するインテークパイプにも見えるデザインを再現した。
さらにラゲッジ後端には安全タンクを模して、アルミパネルをビス留めしたデザインを設置。クイックチャージの給油口を思わせるパーツを中央部に配置することで、デザイン上のアクセントとしている。刻み込まれるロゴタイプもステンシル風として雰囲気を再現。
左右のパワーアンプがシリンダーならば、中央部に挟まされたスペースはインジェクターやキャブなどの吸気ユニット。そんなコンセプトを見事に再現しているのがシルバーのパネルとメッシュ素材を使ったセンター部の造形。徹底して手の込んだデザイン処理が施すことでカスタムのクオリティを大幅にアップさせている。
◆空冷装置や美しい配線など
細部に渡るこだわりも濃厚な一台
ミッドシップエンジンを思わせるデザインに加え、各部にはオーディオの機能性をアップさせるインストールとしても見どころ満載だ。パワーアンプ両サイドのLivin’ Loudのロゴが入ったパネルには内部に空冷ファンが仕込まれている。さらにパワーアンプをフローティングして設置することでエアの通り道を作り冷却効果を高めている。鳴りを重視したシステムを安定して駆動するには欠かせない強制空冷システムをデザイン性豊かに完成させた。
また、ケーブル類はアルミ素材をワンオフして作ったホルダーで4本ずつ並行に引き回される。ケーブルの確かな固定と共に、魅せる効果も高めているクオリティの高い取り付けとなった。
明確なコンセプトをもって作り上げられたラゲッジ。ハッチ越しに見えるオーディオインストールはまさにミッドシップエンジン。カスタムオーディオの可能性を高めたデザイン性の高さが際立つクルマとなったスープラ、次回は鳴りを徹底重視したコクピットまわりのインストレーションを見ていくこととしよう。