音的に有利なのは“DAP“? これを車内で使いこなすコツとは…。「ソースユニット学・入門」第7回 | Push on! Mycar-life

音的に有利なのは“DAP“? これを車内で使いこなすコツとは…。「ソースユニット学・入門」第7回

車内で音楽を楽しむためには、音楽信号を読み取る機器である“ソースユニット”が不可欠だ。なお昨今はこの選択肢が増えている。当特集では、その中から何を使うべきなのかを考察している。今回は、“DAP”の使いこなし術を一層深く解説していく。

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“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
  • “DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。
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車内で音楽を楽しむためには、音楽信号を読み取る機器である“ソースユニット”が不可欠だ。なお昨今はこの選択肢が増えている。当特集では、その中から何を使うべきなのかを考察している。今回は、“DAP”の使いこなし術を一層深く解説していく。

なお当特集は、毎回全国の有力カーオーディオ・プロショップに取材して記事を構成している。今回は、茨城県守谷市の実力店、“クァンタム”に協力を要請した。参考になる話をたっぷり訊けた。さて、その中身とは…。

すでに“DAP”を持っているのなら、それを使わない手はない!

まずは“クァンタム”の土屋さんに、“DAP”がカーオーディオシステムの“ソースユニット”としてアリなのかを訊いてみた。

「もちろんアリです。スマホを車載機とBluetooth接続するのが便利ですしそれで良いのですが、音にこだわりたいとお考えなら、“DAP”も有力な選択肢の1つになり得ます。“DAP”は製品バリエーションがエントリーモデルからハイエンド機まで幅広く一概には言えない部分もありますが、ある程度のモデルであれば他の選択肢と比べて音が良いです。なのでもしもすでに“DAP”をお持ちなら、使わない手はないと思います。

なお、車内での操作性が疑問視されることがありますが、プレイリストを活用する分には問題はありません。プレイリストをいくつかご用意しておいて気分に合わせてお好きなものをお聴きになれば、走行中に操作する必要はなくなります。スマホを使うにせよUSBメモリーで聴くにせよ、多くの方がそのような聴き方をされていると思いますし。なお“DAP”は、USBメモリーより便利です。プレイリストをいくつも作れますから。USBメモリーの場合は、プレイリストを複数持ち込みたい場合にはメモリーが複数必要になります。1つのメモリーが1つのプレイリストとして機能するわけですから。

しかもUSBメモリーより高音質です。USBメモリーはバスパワーで給電しながら動くので、その点で音質的に不利です。対して“DAP”は自己バッテリーで動きますから。なので車載機とBluetooth接続するにしても、USBメモリーより音が良い場合もあります。

そして、システムを本格化させたいと思ったときには“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”を用いることになりますが、“DAP”ならそれとデジタル接続できます。“DSP”を用いるシステムにおいては特に、音質面で有利なソースユニットは間違いなく“DAP”です」

“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。

“USB接続”ならすべてのデータを伝送可能。その点では音的に有利。しかし注意点が…。

さて、“DAP”を“DSP”とデジタル接続する場合、音的に有利な接続方法な何なのだろうか。

「機器によって行えることが限定されますので好きな方式を選べるわけではありませんが、複数の選択肢がある場合には、または今後“DAP”や“DSP”をご購入されるのなら、これからご説明することを参考にしてください。

“DAP”と“DSP”とのデジタル接続の方法は、3とおりあります。“光デジタル(オプティカル)接続”、“同軸デジタル(コアキシャル)接続”、“USB接続”、この3つです。で、これらにはそれぞれ一長一短があります。

どんなデータでも送れるのは“USB接続”です。その意味ではもっとも音的に有利です。しかし“USB接続”はケーブルが長くなると音質が劣化しやすく、この点ではもっとも不利です。なので“USB接続”を選択する場合には、ケーブルはできるだけ短くしたいですね。短ければ短いほど良いです。例えば、1mで済むのに1.5mのケーブルを使うのは良くないです。

対して伝送する過程での音質劣化がもっとも少ないのは、“光デジタル接続”です。なのでケーブルを長くせざるを得ない場合には、“光デジタル接続”は有利です。ただし“光デジタルケーブル”は、伝送可能なデータの制約が大きいです。規格上担保されているのは96kHz/24bitまでです。対して“同軸デジタルケーブル”は規格上最低限、192kHz/24bitのデータまで送れることになっています。この点では“同軸デジタル接続”に分があります。

なお、ケーブルの質によって音が変化しやすいのは“同軸デジタルケーブル”です。なので、良いものを使うと質が上がるばかりか音色も変わります。突き詰める場合(システムがその違いを再現できる場合)、“同軸デジタルケーブル”ならケーブル選定でのサウンドコントロールもある程度可能になります」

“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:クァンタム<茨城県>)。

音のことが考えられた“USBケーブル”にも注目を♪

「ちなみにここにきて、オーディオ的な観点も注入されて開発された“USBケーブル”が増え始めました。これまで“USBケーブル”は、オーデイオ的な製品がもっとも少なかったのですが。USBケーブルは例えばパソコンとプリンターを繋ぐ場合、色が良いかどうかはプリンターの問題でケーブル自身はデータを送れさえすれば良い、そういう観点で作られることが多かったんです。

なお、“DAP”と“DSP”の入出力端子のタイプが異なっている場合には、D/Dコンバーターが役立ちます。これを使えば接続が可能になりますから。しかし、これを使わないで済むのならそれに越したことはありません。ですのでこれから“DAP”や“DSP”を選ぶのであれば、ダイレクトにデジタル接続できる組み合わせにされると良いと思います。

ところで“DAP”には30万円を超えるような高級機もあり、サウンドコンテストに挑戦される方からはそのようなモデルが選ばれることも少なくありません。しかしコンテストに参加されるのでなければ、5万円から10万円くらいの価格帯のモデルをターゲットにされると良いのではないでしょうか。そのクラスのモデルでも十二分に高性能です。

一方、5万円以下のモデルでも音質性能的に大きく見劣りしませんが、デジタルアウトを備えていない機種が多いんです。そうであると、“DSP”を導入しようとする際に買い替える必要性が生じてしまいます。その点で、お薦め度が下がってしまうんです。

あと、“DAP”と“DSP”との接続を高音質なBluetoothコーデックが採用されたBluetoothレシーバーにて行うのもアリです。そうすると、都度ケーブルを接続する手間がなくなり便利です。デジタルアウトを持ったBluetoothレシーバーなら“DSP”とデジタル接続できますので、高音質で楽しめます。

お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。さらに詳しくご説明いたします。その他のご相談も何なりと。お待ちしています」

《太田祥三》

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