驚愕のフルシステム『BEWITH Royal Ensemble ll』は、何を目指し、何を成し遂げたのか…。徹底的に検証する。 | Push on! Mycar-life

驚愕のフルシステム『BEWITH Royal Ensemble ll』は、何を目指し、何を成し遂げたのか…。徹底的に検証する。

2月に開催された『大阪オートメッセ2016』で鮮烈なデビューを果たした、『BEWITH Royal Ensemble ll』。総額なんと600万円というこの驚愕のフルシステムは、同会場の中でもひときわ異彩を放ち、そして大きな注目を集めた。

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BEWITH Royal Ensemble ll
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2月に開催された『大阪オートメッセ2016』で鮮烈なデビューを果たした、『BEWITH Royal Ensemble ll』。総額なんと600万円というこの驚愕のフルシステムは、同会場の中でもひときわ異彩を放ち、そして大きな注目を集めた。

■珠玉のハイエンドユニットが居並ぶ、極上のフル・システム

世界でわずか50組(日本国内向け20組)しか発売されないという限定パッケージである当システム。注目を集めたポイントはやはり、その絢爛豪華さだった。ルームミラー型リニアPCMプレーヤー『MM-1D R』をメインユニットに据え、マルチプロセシングDACシステム『STATE A6R MONO』(『STATE A6R』をベースに、モノラル・プロセッサー用の専用チューニングを施した6台組で構成される製品)で信号を制御した後、モノラルパワーアンプ『P-1R』×6台でそれを増幅。その信号にて3Wayスピーカーシステム『Confidence lll Trio』をドライブするという、ハイエンドユニットが満載の充実のフルシステムである。この構成が度肝を抜かないわけはない。

そしてそれぞれのユニットは、当パッケージのために特別にチューニングされた専用品だ。スピーカーに至っては、1つ1つの特性を厳密に測定し、選別してペアマッチングが図られている。さらに、オーディオレギュレータ『V-50R』も2台搭載し、電源管理も万全。各ケーブルもすべて「BEWITH」製であり、インストールされるクルマに必要な量だけ提供される。また、トゥイーター用のエンクロージャーや各スピーカー用のグリルもすべてアンプ、プロセッサーと同じようにマグネシウムボディで、全スピーカー(6台)分付属している。その上で「BEWITH」の専任スタッフによる“サウンド・チューニング”をもセットにして、音質性能までも保証する。非の打ち所のない、極上のパッケージングとなっている。

しかし…。

このスペシャルパッケージにおける見るべき最たるポイントは、その“豪華さ”ではない。これにて実現されている、「BEWITH」の“理想”と“思想”。これらが何かを知ることこそに、最大の意義がある。

このシステムは、「BEWITH」が、“原音空間を正しく再現する”というシンプルな目標を、どのような理論で、どのような技術で達成できたのかを示すために用意したものなのだ。今持てるすべてを、到達した結果を、それによって生み出される音を、それぞれを提示するために、『BEWITH Royal Ensemble ll』は存在しているのである。


■理想のシステム、“1Way・1chモノラル構成”が遂に実現…

ところで「BEWITH」は、2014年の2月に、当パッケージの前身となる、“BEWITH Royal Ensemble”を発表している。それも今回と同じように、その時点での『BEWITH』のすべてを提示するための「無制限・無差別級のスーパーHi-Fiサウンドシステム」であった。

それから約2年しか経過していないこのタイミングで“ll”が登場したことには、どのような理由があるのだろうか。それはずばり、「BEWITH」が考える“理想のシステム”の構築を可能とする、新たなユニットが完成したからだ。

その理想のユニットとは、マルチプロセシングDACシステム『STATE A6R MONO』だ。そしてこれにより可能となった、「BEWITH」が目指してきた究極のシステムレイアウトとは、“1Way・1chモノラル構成”というシロモノである。

このシステムが構築できれば、究極的なチャンネル・セパレーションを得ることができる。『STATE MM-1D R』から出力される左右chの音楽信号は、システムの中では1度たりとも混ざり合うことがない。各chの中においても、トゥイーター帯域、ミッドウーファー帯域、サブウーファー帯域それぞれも混ざり合わない。左右chのセパレーションのみならず、帯域間のクロスオーバー歪みをも、完全に排除できるのだ。

各chの音楽信号は、スピーカーから放たれて音となって初めて混ざり合い、ハーモニーとなるのである。

なお、『STATE A6R MONO』の凄さは、完全なるチャンネル・セパレーションを実現できることだけに留まらない。なんと、『STATE A6R』の機能が、6倍に拡張するというのである…。

例えばイコライザー。『STATE A6R』では、1chずつを15バンドでコントロールできる。つまり、片側3ch計6chが制御できる『STATE A6R』のイコライザーは、“左右独立45バンドイコライザー”というわけなのだが…。

『STATE A6R MONO』では、これが6倍になる。“左右独立270バンドイコライザー”、となるのである。通常のハイエンドユニットでは、“左右独立31バンド”がスタンダードだ。文字どおり、ケタが違う。異次元レベルと言っていい。

ここまでの詳細さは、以下のような利点も生む。パラメトリック・イコライザーでは、Qの設定によって、イコライズする周波数の範囲を変えることができるが、一般のイコライザーでは、Qが固定されており、イコライズする周波数の範囲を変えることができない。しかし、『STATE A6R MONO』では、”左右独立270バンドイコライザー”を持つことにより、イコライザーだけで、パラメトリック・イコライザーのようなイコライズ設定を行うことも可能となる。

クロスオーバーにおいては、“多段スロープ”も可能となる。スロープの傾斜の途中で、スロープの角度を変更可能なのだ(より急峻にする方向においてのみ)。例えば、-18dB/oct.であるスロープを、途中から-36dB/oct.に変更することもできるのだ。『STATE A6R MONO』では、6段階のクロスオーバーが用意されており、最大で6段階の多段スロープができる。その6段階のクロスオーバーをすべて使用すると、スロープはなんと-108dB/oct.にもなる。

これだけ急峻なスロープを作り出すと、一般的にはその設定されたクロスオーバー周波数の帯域外において、スロープの折り返しとも言うべき、レベルの変動が見られる。このレベル変動は、スロープが急峻であればあるほどレベル変動も大きくなるが、多段スロープを活用することにより、その折り返しによるレベル変動を最小限にすることも可能となる。

ここまで詳細であるともう、“聴感”でのオペレーションは不可能だ。しかし「BEWITH」には車室内音響特性測定装置『SIEG』がある。『SIEG』ならば、片側270バンドの詳細さに対応する測定が可能であり、多段スロープをコントロールするためのデータも取れる。

例えば、クロスオーバー周波数を1つの周波数に固定して6段の多段スロープを設定した場合、クロスオーバーは1つの周波数で-108dB/oct.のスロープが実現できる。しかし、クロスオーバー周波数は-3dBのレベルになる周波数で規定されているため、1つの周波数で6段のスロープを設定すると、実際には設定したクロスオーバー周波数では、-18dBのレベルになってしまい、各スピーカーのつながりは滅茶苦茶になってしまう。しかし、『SIEG』を用いて調整を行うことで、多段スロープの設定に対しても測定結果が目に見える形で結果を表すことができ。そのため、聴感での調整に対し、きちんとした調整が可能となる。

『SIEG』は、ユニットがいずれここまで進化することを見据えて開発されていた、というわけなのだ。そして『SIEG』と『STATE A6R MONO』のタッグにより、あり得ないレベルでの緻密なサウンドコントロールが可能となるのである。


■究極のチャンネル・セパレーションが、圧倒的な情報量を紡ぎ出す

さて、「BEWITH」が到達した“1Way・1chモノラル構成”というシステムレイアウトと、性能が極限まで突き詰められた各ユニットによって奏でられるそのサウンドは、いかなるものなのか…。『BEWITH Royal Ensemble ll』が搭載されたデモカー、「Mercedes-Benz CLS350 アバンギャルド」の音を改めて確認してきた。

最初の試聴トラックは、大ホールでのコンサート音源だった。会場に鳴り響く聴衆の拍手の音から始まったのだが…。

なんということだろう…。オーディエンス1人1人の手がイメージできたのだ。ひと固まりの音ではなく、1つ1つの音がそれぞれの手から放たれていることを感じ取れたのだ。ここまでの音の分離が可能であるとは…。これが究極のチャンネル・セパレーションの結果なのだろか。ホールに響いているすべての音情報を、『BEWITH Royal Ensemble ll』は完全に再現してみせている。

演奏が始まると今度は、各楽器の音のリアリティが極限的であることに驚かされた。シンガーが歌い始めると、その驚きはピークに達した。なんたる生々しさだろうか…。

とにもかくにも、解像度と、S/Nがそれぞれ圧倒的だ。音の密度がとてつもなく濃く、音のない部分には完全なる静寂があるのみ。音量が微細な楽器の音も、波動となって飛んでくる。すべての音にこの上ない実在感がある。

システムはあくまで冷静沈着に振る舞っている。何かを誇張することも、色づけをすることも一切なく、涼しい顔で、ただただありのままをそのまま紡ぎ出し続ける。

しかしながら、流れてくる音楽そのものは至ってエモーショナル。演奏者の感情をも100%再現してみせるので、感動力がすさまじい。曲ごとに、その世界に没入でき、聴き手の心が大きく揺さぶられる。

オーディオ機器としての性能が、行き着くところまで来ていることも、つくづく実感させられた。性能を示すバロメーターとなる要素が、いちいち研ぎ澄まされているのだ。高音の繊細さ、スムーズさ、分離、中音の厚み、密度、ツヤ、ハリ、低音の量感、スピード、制動力、充実感…。

オーディオ製品が直面してきた1つ1つ壁を、『BEWITH Royal Ensemble ll』は、ことごとく超えている。すべてを検証し解析し、理詰めで不可能を可能にし、そうして辿り付いたのが、この音なのだ。

『BEWITH Royal Ensemble ll』は、カーオーディオの1つの到達点だ。もしもこの音を体験できる機会と巡り会えたなら、断じてそのチャンスを逃すことのなきように。「BEWITH」が辿り付いた“理想の音”を耳にすることだけでも、人生においての貴重な経験となることは、間違いない。
《太田祥三》

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