コンプリートウーファーBOXの実力を探る! #2: “薄型パワードタイプ”インプレッション | Push on! Mycar-life

コンプリートウーファーBOXの実力を探る! #2: “薄型パワードタイプ”インプレッション

先週からスタートしているこのコーナー。お手軽な低音強化法をおすすめすべく、“コンプリートウーファーBOX”をご紹介していきたいと思っている。

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コンプリートウーファーBOXの実力を探る!

先週からスタートしているこのコーナー。お手軽な低音強化法をおすすめすべく、“コンプリートウーファーBOX”をご紹介していきたいと思っている。

前回は、“コンプリートウーファーBOX”とは何なのかについて詳しく解説させていただいた。そして今週からからはいよいよ、それをタイプごとにわけ、実際どのような製品があるのかを詳細にリポートしていく。まずは“薄型パワードタイプ”のおすすめ4機種をクローズアップ!

というわけで今週は、“薄型パワードタイプ”のサブウーファー4機種の、インプレッション・リポートをお贈りする。

と、その前に、テスト環境についてご紹介しておきたい。

試聴会場として、ロックフォード・フォズゲートやグラウンドゼロなどの海外有名カーオーディオブランドを日本へディストリビュートしているイース・コーポレーションの試聴室をお借りした。

サブウーファーのみを試聴してもその能力を推し量ることは不可能なので、2ウェイスピーカーと一緒に鳴らしながらテストを敢行。

テスト機として使用した2ウェイスピーカーは、ロックフォード・フォズゲートの最新モデル『T4』(税抜き価格:17万円)。これを鳴らすパワーアンプには、同・P300X2(税抜き価格:4万2000円)をチョイス。サブウーファーを鳴らすアンプとして現実的なモデルを使用することにしたので、2ウェイスピーカー用のアンプも、それと揃えた格好だ。

ヘッドユニットとしてPCを使い、そこに取り込んだWAVデータをオーディオインターフェースを介して、パワーアンプ、およびパワードサブウーファーに出力。2ウェイスピーカーへのハイパスはパワーアンプ内のクロスオーバーで行い、ツイーターとミッドウーファーに対するクロスオーバーは、スピーカー付属のパッシブクロスオーバーネットワークで行った。

2ウェイスピーカーのハイパスのクロスポイントは70Hzあたりに設定。スロープは-12dB/octとした。パワードサブウーファーのローパスのクロスポイント、位相、レベルは、その都度任意にベストを探って設定した。

ケーブルはすべて『モンスターカーオーディオ』を使用。パワーケーブルは、MCA PF4R/B(3000円/m)、ラインケーブルは、MCA 350i-2M(8000円/2m)スピーカーケーブルは2ウェイスピーカー用として、MCA 350S16(800円/m)、サブウーファー用として、MCA 350S12(1500円/m)を使用した。


ミューディメンション・BlackBox X8


01 ミューディメンション・BlackBox X8

(税抜き価格:3万8000円)

同じくミューディメンションから発売されている人気モデル、GLOW8100SW(税抜き価格:3万5000円)の内部をチューニングし、より高音質化を計ったモデル。サイズは、345×240×68(mm)、パワーアンプの定格出力は100W。振動板の口径は8インチだ。

このモデルの試聴前に、2ウェイスピーカーをフルレンジで鳴らして聴き込んだのだが、それに比べて明らかに低音を強化できた。パワードサブウーファーの効果は、やはり大きい。

2ウェイスピーカーをある程度大きな音量で鳴らしたが、ボリュームコントロールは、概ね半分くらいのところで十分だった。つまり、まだまだパワーを余している状態でも十二分な効果が得られるのだ。

とにかく、低音が太く、厚く、量感が増す。音楽全体のパワー感、ドライブ感が向上し、サウンド全体が厚くなる。体感すれば確実にトリコになるはずだ。リーズナブルに低音を強化したいと思ったとき、十二分に使えるモデルであることは間違いない。


ロックフォード フォズゲート・JPS-100-8


02 ロックフォード フォズゲート・JPS-100-8

(税抜き価格:4万5000円)

人気のアメリカンブランド、ロックフォードの薄型パワードタイプ。サイズは340×235×77(mm)、パワーアンプの定格出力は60W。振動板の口径は8インチ。ミューディメンション・BlackBox X8と比べほぼ同じくらいの大きさだが、こちらのほうが若干小さく、しかし厚みは若干厚い。定格出力はやや小さいが、振動板の面積は同様だ。

ロックフォードのロコも入り、同ブランドファンなら迷わずこれで決まりだろう。ロックフォードらしいデザインで、所有する満足感も高い。

さて、そのサウンド。低域のドライブ感はたっぷりで心地よい。再生帯域もより下のほうからで出ている印象だ。タイトな低音はそのままタイトに表現し、伸びやかな低音は、より伸びやかに再現してくれている。低域の入り方がマイルドなジャズ音源でも試したが、マイルドさは音源のままだが、低域に芯を与え、より生き生きと聴かせてくれた。


ミューディメンション・GLOW 10100SW


03 ミューディメンション・GLOW 10100SW

(税抜き価格:4万5000円)

振動板のサイズが10インチ。外形寸法は、369×275×82(mm)、パワーアンプの定格出力は150W。同・BlackBox X8と比べて振動板が大きくなっているが、外形寸法が大型化するのは極力抑えられている印象だ。なお、パワーも大きくなっているので、インストールスペースと予算が許すならば、単純に低音強化には有利、のはず。

実際に試聴してみて、それを確認できた。余裕が生まれるので、同じく半分くらいのレベルで聴いていても、低域の伸びやかさが増しているのを感じ取れた。クルマのエンジンでもそうだが、“余裕”は大事だ。あと、振動板の口径が大きくなったことで、空気をより振動させることができているのだろう。低音が、聴き手の体の芯に響いてくるイメージ。音の硬さ、低さ、太さ、伸びやかさ、すべてにおいて一段レベルが上がった。制動力も増している印象だ。短い音をより短く、リズミックに表現できているように思えた。


カロッツェリア・TS-WH1000A


04 カロッツェリア・TS-WH1000A

(税抜き価格:5万円)

他の薄型パワードサブウーファーとは、構造もコンセプトも異なる、唯一無二の製品だ。スピーカー構成は、21cm×8cmの2面角型両面駆動HVT方式。外形寸法は、360×270×45(mm)、パワーアンプの最大出力は200W。

振動板の駆動方式として採用されている「HVT方式」とは、カロッツェリア独自のもの。簡単に説明するならば、磁気回路のタテの動きをヨコに変換して振動板を動かすというものだ。これにより“45mm”という圧倒的な薄さが実現できている。この薄さはすなち利点だ。

鳴らしてみると、確かに独特の鳴り方だ。ボリュームツマミを調節してみると、このユニットが低音を十二分に再生していることを確認できるのだが、聴こえ方がいたって自然なのだ。品良く低域を足す、という言い方が良いだろうか。音がサイドから発せられるので、シート下に設置しても振動が体に直接伝わってこないこともメリットだろう。ぐいぐいとドライブするような低域を望むなら不向きかもしれないが、自然なサウンドが好みなら、試聴すべき製品である。


まとめ


購入して配線さえすれば低音強化が可能となる“薄型パワードタイプ”。お手軽なのに確実に低音を強化できることは間違いない。ただ、来週以降にご紹介していく、本格モデルとはやはりタイプが異なる。あくまで、スペースや予算を考えて、本格モデルはちょっと…、という場合の救世主的存在だと考えよう。ちなみにすべてのモデルの試聴において、音量レベルは真ん中あたりで聴いた。余裕を残した状態で再生することも、上手に使うポイントと言えそうだ。常にマックスパワーをかけていたら、息切れしてしまうだろう。この点は、ぜひ頭のすみに入れておいていただきたい。

《太田祥三》

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