“プロセッサー専業ブランド”「オーディオ・コントロール」。その実力と魅力に迫る! Part1 | Push on! Mycar-life

“プロセッサー専業ブランド”「オーディオ・コントロール」。その実力と魅力に迫る! Part1

現代カーオーディオの必需品となっている“プロセッサー”。今でこそ様々なブランドから個性的なアイテムが多々リリースされているが、デジタル全盛となる前の“プロセッサー市場”では、とあるアメリカンブランド1社の製品ばかりが特に目立つこととなっていた。

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オーディオ コントロール・OVERDRIVE Plus
  • オーディオ コントロール・OVERDRIVE Plus
  • オーディオ コントロール・MATRIX.Plus
  • こちらは、6月23日公開の記事で紹介した、オーディオ コントロールの“パワーアンプ内蔵DSP”である『D-4.800』。

現代カーオーディオの必需品となっている“プロセッサー”。今でこそ様々なブランドから個性的なアイテムが多々リリースされているが、デジタル全盛となる前の“プロセッサー市場”では、とあるアメリカンブランド1社の製品ばかりが特に目立つこととなっていた。

その1社というのが、「オーディオ・コントロール」だ。同社は色々なタイプの“プロセッサー”を擁し、特にサウンドコンペティターからの圧倒的な支持を集めながら、“プロセッサー”市場をけん引してきた。

そして「オーディオコントロール」は今も、かつてほどではないにしても、“プロセッサー専業ブランド”としての存在感を発揮し続けている。“痒いところに手が届く”的な頼りになる“プロセッサー”を多彩にラインナップして、愛好家たちのカーオーディオライフをバックアップしてくれている。

さて、「オーディオ・コントロール」は今どのような機種を持っていて、それぞれはどのように力を発揮してくれるのか…。改めて「オーディオ・コントロール」にスポットを当て、同社の実力と魅力に迫っていく。

かつてはサウンドコンペティターにとってのマストアイテムの1つだった“ラインドライバー”…。


今回の記事では、「オーディオ・コントロール」の看板アイテムの1つである、“ラインドライバー”にフォーカスする。同社は今、2つの“ラインドライバー”を用意している。『OVERDRIVE Plus』(税抜価格:3万2000円)と、『MATRIX.Plus』(5万3000円)、以上の2機種だ。

ところで、“ラインドライバー”と聞いて、それが何をするためのユニットであるのか、すぐにピンと来ない方もいるかもしれない。“ラインドライバー”が使われるケースはかつてと比べて減っているので、馴染みがないという方も少なくないはずだ。

“ラインドライバー”とは何をするためのユニットなのかと言うと…。ひと言で言うと、「メインユニットの“ライン出力(RCA出力)”の電圧を上げるためのユニット」である。

ちなみにサウンドコンペが今以上に盛り上がっていた90年代には、特にサウンドコンペティターの間で“ラインドライバー”は必需品の1つとなっていた。「これを使わないと勝負にならない」というほどの状況だったのだ。

というのも、当時のカーオーディオメインユニットは今以上にライン出力の電圧差が激しく、一部の“ハイボルテージ仕様”をうたう製品とそうでない一般的な製品とでは、審査結果に大きな影響が出るようになっていた。とはいえ、ライン出力が低いメインユニットの中にも名機が多々あり、それらの良さを引き出しつつ“ハイボルテージ仕様”の機器と互角に渡り合おうとすると…。そう考えるのであれば選択肢は1つ。“ラインドライバー”の使用がマストとなったのだ。

その当時から「オーディオ・コントロール」は優れた“ラインドライバー”を持っていて、サウンドコンペティターからの圧倒的な支持を受けていた、というわけなのだ。

オーディオ コントロール・MATRIX.Plus

現代カーオーディオにおいて“ラインドライバー”が使われるケースとは?


しかしながら昨今は、ライン出力が極端に非力なハイエンドメインユニットはほとんどなくなった。また、メインユニットは純正のままでそこに“単体DSP”が組み込まれてシステムが構築されるケースも多くなっているが、“単体DSP”についてはむしろ、出力電圧が結構高いモデルも多い。なので“ラインドライバー”の必要性は、かつてほどではなくなっている。

とは言いつつも、今でも“ラインドライバー”が重宝されるケースも存在している。

“ラインドライバー”が使われるケースは2つある。1つはかつてと同様に、「音質向上を図りたいとき」。

現代のハイエンドカーオーディオメインユニットのライン出力の電圧は以前と比べて高めになっているとはいえ、すべてがハイパワーを誇っているわけではない。実用レベルでは十分な電圧は確保されてはいるものの、昇圧させる余地が残されている機種があることもまた事実なのだ。

なお、“ラインドライバー”を用いることで音が良くなるメカニズムは以下のとおりだ。これを使ってライン出力の電圧をブーストさせると、パワーアンプの“ゲイン”を絞ることが可能となる。パワーアンプは基本的に、ゲインを絞って使ったほうがS/Nやダイナミックレンジが向上する。しかしながら通常は、ゲインを絞り過ぎると音量が稼げなくなる。それでは意味がない。しかし“ラインドライバー”を使えば、音量不足に陥ることなくパワーアンプの良さを最大限に引き出せる、というわけなのだ。

そして“ラインドライバー”が使われるもう1つのケースとは、「音圧を稼ぎたいとき」だ。音圧競技に出場するような車両では、ありとあらゆる手が尽くされ音圧アップが図られる。その中において“ライン出力”のボルテージを上げるというアプローチは、もっとも手っ取り早い音圧増強策の1つとなるのだ。

こちらは、6月23日公開の記事で紹介した、オーディオ コントロールの“パワーアンプ内蔵DSP”である『D-4.800』。

手軽な“音質向上策”として、“ラインドライバー”の使用はおすすめ度高し。


というわけで「オーディオコントロール」の2つの“ラインドライバー”は、今も着実に愛好家に買い求められ続けている。

なお2機種間での違いは主に、入出力の“ch数”と“サイズ”だ。『OVERDRIVE Plus』は入出力が2chだが、『MATRIX.Plus』は入出力ともに6chが確保されている。こちらであれば、フロントch、リアch、サブウーファーchのすべてをブーストさせることが可能となる。

ただし、『OVERDRIVE Plus』は機能がシンプルな分、筐体は小さい。そのサイズは、127×108×30mm。これくらいであれば、パワーアンプとともにシート下に収めることが可能な車種も多いだろう。対して『MATRIX.Plus』も小型ではあるものの『OVERDRIVE Plus』ほどの超小型化は達成されていない(212×156×30mm)。

さて、もしもマイシステムを今よりももっと高音質で鳴らすための新たな“策”を探しているのなら、『OVERDRIVE Plus』、あるいは『MATRIX.Plus』の導入を考えてみても面白い。『OVERDRIVE Plus』ならば特に、サイズ的にも価格的にも手頃であるので、他の“音質向上策”と比べて導入のハードルも低めだ。

そうでありながら、効果はなかなかに大きい。アプローチが明確なので、効果もはっきり現れる。

外部アンプを使っていて、しかしさらなる音質向上に向けて“手詰まり”となっていたのなら、「オーディオ・コントロール」の“ラインドライバー”があることを思い出そう。

同社は他にも、頼りになる機器を多々ラインナップしている。本格的なシステムの構築がしにくいケースや、人とはひと味違ったシステムを構築したい場合に、「オーディオ・コントロール」の各ユニットは力を発揮してくれる。次回もそれらを1つ1つ詳しく紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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