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[キーワードから読み解くカーオーディオ]これがなければスピーカーは付けられない!?

カーオーディオでは専門用語が多々使われる。そしてそれらの存在が、ビギナーにとっての“壁”となる…。当連載は、その“壁”を切り崩すべく展開している。まずはスピーカーに関連した語句にフォーカスしている。今回は「インナーバッフル」というワードの意味を解説する。

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「インナーバッフル」を用いたスピーカーの装着例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
  • 「インナーバッフル」を用いたスピーカーの装着例(製作ショップ:サウンドクオリティー<千葉県>)。
  • 市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K5210)。
  • 市販「インナーバッフル」の一例(カロッツェリア・UD-K5211)。
  • 「インナーバッフル」を用いたスピーカーの装着例(フォーカル・デモカー)。

カーオーディオでは専門用語が多々使われる。そしてそれらの存在が、ビギナーにとっての“壁”となる…。当連載は、その“壁”を切り崩すべく展開している。まずはスピーカーに関連した語句にフォーカスしている。今回は「インナーバッフル」というワードの意味を解説する。

「インナーバッフル」とは、「ドアスピーカーの“土台”となるパーツ」!

さて、「インナーバッフル」とは何なのかと言うと…。

これは、「ドアスピーカー(ミッドウーファー)をドアに取り付けるときの“土台”となるパーツ」だ。

ちなみに、語源は以下のとおりだ。まず「インナー」は、言うまでもなく「内部、内面」という意味だ。そして「バッフル」の方は少々分かりづらいかもしれないが、直訳すると「隔壁」とか「調節板」という意味があり、オーディオ用語的には「スピーカーの表側の空間と裏側の空間とを隔てる板」という意味を持つ。または、「スピーカーの取り付け面」のことを指す場合もある。

なおカーオーディオにて用いられる「インナーバッフル」は、“板”とか“面”というほど表面積は広くない。見た目的には“リング”形状で、“面”となっている部分はごくわずかだ。しかしながらドアスピーカーの「取り付け面」にあたることもまた事実だ。ゆえに「インナーバッフル」と呼ばれている。場合によっては「インナーバッフルボード」と呼ばれることもある。

「インナーバッフル」を使えば、スピーカーをスムーズに取り付けられる!

続いては、「インナーバッフル」の役割を説明していこう。役割は主には4つある。

まず1つ目は、「ドアスピーカーを取り付けやすくすること」だ。というのも、純正スピーカーを固定してあるネジ穴の位置と市販スピーカーのフレームに設定されているネジ穴の位置が一致する確率はかなり低い。なので、直付けするなら鉄板に新たなネジ穴を開けなければならない。

しかし「インナーバッフル」を使えば、その作業は必要なくなる。純正スピーカーを固定していたネジ穴の位置は車体メーカーごとで大体決まっているので、それに合うものを用意すれば「インナーバッフル」はドアに簡単に装着できる。そうすればあとは、スピーカーを固定するネジは「インナーバッフル」のどこででも受けられる(木製の「インナーバッフル」の場合)。

役割の2つ目は、「スピーカーの足場を固めること」だ。ドアの鉄板は鉄でできているとはいえ、かなり薄い。なので案外ヤワだ。なおスピーカーは、磁気回路にて発生した動力を振動板に伝え空気を震わせて音を発するのだが、足場がヤワだと動力が振動板にロスなく伝わりにくくなる。踏ん張りが効かなくなるからだ。

しかし「インナーバッフル」を用いれば、足場が固まり踏ん張りが効き、動力のロスがかなり減る。

「インナーバッフル」を使えば、鉄板の共振も抑制可能に!

「インナーバッフル」の役割の3つ目は、「鉄板の共振を抑制すること」だ。先述したようにドアの鉄板はヤワなので、もしもスピーカーを直付けしたら振動板を動かそうとするエネルギーが鉄板にダイレクトに伝わり、いとも簡単に共振して異音を発っする。しかし「インナーバッフル」を装着すれば鉄板の強度を補完でき、共振しにくくなるのだ。

そして役割の4つ目は、「ドアスピーカーを立ち上げること」だ。

ドアの内部には窓ガラスが降りてくる。なのでドアスピーカーを鉄板に直付けすると、スピーカーの奥側が窓ガラスと干渉してしまう。しかし「インナーバッフル」を用いてドアスピーカーを取り付ければ、スピーカーを立ち上げられるので、ある程度の厚みがあるスピーカーでも装着できるようになる。

ところで、「インナーバッフル」にはタイプ違いがいくつかある。まず大きくは「市販品」と「ワンオフ品」とに分けられる。いくつかのメーカーから車体メーカーごとに汎用品が用意されていて、それを使うと低コストで「インナーバッフル」を調達できる。

しかしながら音にこだわろうと思うなら、「ワンオフ品」がアドバンテージを発揮する。使用するスピーカーと取り付ける車種にベストマッチするものを作れるからだ。結果、役割をハイレベルにこなせるものを用意できるのだ。

今回は以上だ。次回は「ワンオフ品」が有利である理由等、「インナーバッフル」についてさらに詳しく解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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