純正スピーカーのままで音を良くするには?「スピーカーの鳴らし方・大研究」 Part12 | Push on! Mycar-life

純正スピーカーのままで音を良くするには?「スピーカーの鳴らし方・大研究」 Part12

当特集ではこれまで、純正スピーカーから市販スピーカーへと交換した後にその市販スピーカーをより良い音で鳴らすための方法をさまざま紹介してきた。しかし今回は少々趣向を変えて、純正スピーカーのままで音を良くする方法を解説していく。

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純正スピーカー(ツイーター)の取り付け位置の一例。
  • 純正スピーカー(ツイーター)の取り付け位置の一例。
  • 「バランス」と「フェーダー」の設定画面の一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • 純正スピーカー(ミッドウーファー)の取り付け位置の一例。
  • 「パワーアンプ内蔵DSP」の一例(ヘリックス・M-FOUR DSP)。

当特集ではこれまで、純正スピーカーから市販スピーカーへと交換した後にその市販スピーカーをより良い音で鳴らすための方法をさまざま紹介してきた。しかし今回は少々趣向を変えて、純正スピーカーのままで音を良くする方法を解説していく。

◆基本機能を使いこなせば、予算0円で音が良くなる!?

純正スピーカーのままで音を良くする方法は、実はさまざまある。今回はそれらを予算順に紹介していく。まずはコストがかからない方法から。それは、「簡単サウンドチューニングを施す」というものだ。

実を言うと、超基本的な機能を正しく使いこなすだけでも音が良くなる。その筆頭は「バランス」と「フェーダー」だ。まず「バランス」とは左右の音量差を変えられる機能なのだが、右ハンドル車の場合には1人で乗っているときにはこの調整ツマミをやや左側に振ろう。そうすると運転席で聴いているときの左右の音量が揃う。そして「フェーダー」とは前後の音量バランスを変えられる機能だが、これを10対0でフロントに振るとサウンドステージが目前に広がりやすくなる。左右のスピーカーの音がバランス良く聴こえ、かつ音が前側からしか聴こえてこなくなるからだ。

ところで、もしも愛用のメインユニットに「サブウーファー出力」という機能が搭載されていたら「クロスオーバー」機能も併せて使える場合が多い。そうであれば、これも活用するべきだ。

なぜならドア内部の鉄板がビビっているとき、当機能を駆使するとその抑制が可能となることがあるからだ。ドア内部の鉄板をビビらせる主な原因となるのは、ドアスピーカーの裏側から放たれる音エネルギー中の低音成分だ。で、「クロスオーバー」機能が使えると低域側の信号をカットできる。カットしすぎると音楽がつまらなくなるので塩梅が難しいが、ほど良く切れればサウンドはむしろスッキリする。

◆純正スピーカーが「フルレンジタイプ」のときには、特に有効な作戦がある!?

さてここからは、コストがかかる方法をリーズナブルなものから順に紹介していく。最初に取り上げるのはこちら、「チューンナップツイーターの導入」という作戦だ。なお当作戦が特に有効となるのは、純正スピーカーが「フルレンジタイプ」の場合だ。純正スピーカーの中には、ドアに装着されているスピーカーだけで高音から低音までを鳴らし切ろうとするものもある。しかしそうであると、高音の質があまり良くない。

なぜなら、スピーカーは口径が大きくなるほど高音再生が苦手になる。で、ドアに装着されているスピーカーはある程度大きいので、中低音はしっかり鳴らせても質の良い高音を鳴らし難い。

なのでそこに高音再生のスペシャリストである「チューンナップツイーター」を足すと、高音のクオリティが一気に改善される。ちなみに、「チューンナップツイーター」にはリーズナブルなモデルが多い。1万円を切る製品もいくつかある。ただし配線作業は簡単ではないので、それは販売店に任せた方が良いだろう。なのでその分の取付工賃が発生する。とはいえ、スピーカー交換を行うよりは低コストで行える。

◆「デッドニング」も効果的! またはコントロール機能の追加も有効!

また、「デッドニング」を先にやっておくというのもアリだ。クルマのドアは、スピーカーボックスとしてのコンディションが良くない。しかし「デッドニング」を行えばそれを改善できるので、スピーカーが純正のままでもサウンドクオリティが向上する。なお、ドアパネルを取り外せるスキルがあればこれを自分でやっても楽しめる。とはいえ効果的に仕上げたいと思ったらやはり、「カーオーディオ・プロショップ」の力を借りよう。音的にも耐久性的にも完成度高く仕上げてくれる。長い目で見てコスパは高い。

そしてもう1つ、「ハイレベルなコントロール機能をシステムに加える」という手もある。なおこれを実践する方法はいくつかあるが、もっとも低コストで行えるのは「パワーアンプ内蔵DSP」の導入だ。お手頃なモデルでは5、6万円くらいからある。とはいえ配線作業が発生するので取付工賃は相応にかかるが(とはいっても改造を施すわけではないので費用は限定的)、音の変わり幅は結構大きい。場合によっては、スピーカー交換よりもインパクトが大きい場合もある。

また、さらにコストはかかるが「メインユニットを交換する」という作戦もお薦めだ。例えば、今使っているナビに不満がある場合、この際高機能なプロセッサーを搭載しているモデルへと交換すると、ナビの使い勝手も上がりさらには本格的なサウンド制御も行えるようになる。検討する価値は小さくない。

さて次回は、高度なスピーカーの鳴らし方を紹介する。お楽しみに。


純正スピーカーのままで音を良くするには?[スピーカーの鳴らし方・大研究]

《太田祥三》

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