[低予算カーオーディオ]デッドニングを自分でやるときのコツ | Push on! Mycar-life

[低予算カーオーディオ]デッドニングを自分でやるときのコツ

とかく「コストがかかる」と思われがちなカーオーディオ。実際、ハイエンドシステムを構築しようと思えばかなりの予算が必要となる。しかし「予算ゼロ円」、もしくはそれに準ずる低コストでできることもある。当特集ではそれらを1つ1つ紹介している。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
デッドニングの施工例。
  • デッドニングの施工例。
  • アウターパネルに「制振材」を貼ったところ。
  • ドアチューニングキット(デッドニングキット)の一例(オーディオテクニカ・AT-AQ474)。
  • ドアチューニングキット(デッドニングキット)の一例(オーディオテクニカ・AT-AQ407)。
  • ドアチューニングキット(デッドニングキット)の一例(オーディオテクニカ・AT7505R)。
  • デッドニングの施工例(フェリソニ・LDM-0.2)。
  • 制振材の一例(フェリソニ・DM-0.2)。
  • 制振材の一例(フェリソニ・LDM-0.2)。

とかく「コストがかかる」と思われがちなカーオーディオ。実際、ハイエンドシステムを構築しようと思えばかなりの予算が必要となる。しかし「予算ゼロ円」、もしくはそれに準ずる低コストでできることもある。当特集ではそれらを1つ1つ紹介している。

◆準備が整ったら、まずはスピーカーの真裏に「吸音材」を貼り付けるベシ!

現在は、ドア内部の音響的なコンディションを整える作業である「デッドニング」を自分で行う際のコツを紹介している。これまでも触れてきたように「デッドニング」は実は奥深い作業であり、確実な結果を得たいと思えば「カーオーディオ・プロショップ」に任せた方が確実だ。しかし自分でやっても楽しめる。実際、DIY用のキットも発売されていて、中でもライトなキットを選べば案外コストもかかりにくい。

なお、スピーカーは純正のままでまずは「デッドニング」だけを行うのもアリだ。そうすればスピーカー交換を同時に行う場合と比べてかなりコストを抑制できる。それでいて聴こえてくる音の質は確実に良化する。

では、コツを解説していこう。ちなみに前回は以下のようなポイントを紹介した。「左右のドアで施行内容を同一にすること」、「内張りパネルを慎重に外すこと」、「ビニールシートを外しそれを接着してあるブチルゴムをキレイに取り除くこと」、「全体の脱脂を念入りに行うこと」、以上について説明した。

では、それに続く作業においてのポイントを説明していこう。次いではいよいよ部材を貼っていく作業に入るわけだが、まずすべきはスピーカーの裏側への「吸音材」の貼り付けだ。「デッドニングキット」の中にはそのための「吸音材」が同梱されている場合が多いので、そうであればそれをスピーカーの真裏に貼り付けよう。

◆「吸音材」は使い過ぎないのがコツ!?

ちなみに、「吸音材」の使い方は実は特に難しい。実際、プロの間でもいろいろな説がある。というのも、使い過ぎると使う部材によっては音がつまらなくなる(やせてしまう)こともある。なので自分で「デッドニング」を行う場合は使い過ぎない方が無難だ。ただしスピーカーの真裏は、スピーカーの「背圧(裏側から放たれる音エネルギー)」がモロに当たる部分なので、ここには「吸音材」が貼られることは多い。

続いては、アウターパネルに「制振材」を貼っていこう。なおアウターパネルもあらかじめ脱脂をしておくべきだが、全体には手が届かないので、貼ろうと思う場所(特に共振しそうな場所)だけで良い。

で、どのような場所が共振しやすいのかというと、答えはズバリ「広く平らな場所」だ。プレスラインの入っているところは、そのラインがいわゆる「リブ」の役目を果たすので共振しにくい。対して「広く平らな場所」は強度が低いので共振しやすい。なおドアを外側から軽くコンコンと叩いてみると、共振しやすい場所のアタリをつけやすい。音が響く場所は共振しやすい。逆に音が響かない場所は強度が高いと推測できる。

◆サービスホールに貼る部材は、型紙を作ってから切り出すと上手くいく。

このようにして共振しやすそうな場所を探し、そこに重点的に「制振材」を貼っていこう。そして続いてはインナーパネルにも同様に、共振しやすそうな場所に「制振材」を貼っていく。

なおインナーパネルに対しては、「サービスホールを塞ぐ」という作業も行いたい。で、それを行うにおいてはまず、型紙を作ることから始めよう。紙をサービスホール全体に当てて、穴よりもひと回り大きくラインを描き型紙を作る。ただし接着面は広い方が良いので、ある程度は大きめに作った方が無難だ。そして反対側のドア用の部材を切り出す際には、その型紙を裏返しにして使えばOKだ。

ところで貼る場所に関係なく、「制振材」はとにもかくにも「“圧着”が命」だと心得よう。しっかり“圧着”すればするほど制振効果が高まり、そして剥がれにくくなる。ヘラや小型のローラー等を使ってひたすらゴシゴシと押さえつけよう。なお、もしも「制振材」にブランドロゴ等が型押しされている場合には、その凹凸がなくなるくらいまで“圧着”すると安心だ。

ちなみに、切り出す部材の角を取ると比較的に剥がれにくくなる。逆に、尖った箇所は剥がれやすくなる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回はこれまでに紹介したものとはタイプの異なる「低予算」な楽しみ方を取り上げる。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top