「フロント5ウェイ+サブウーファー」という高難度なシステムを実行する意義とは…「ザ・マニアック・カーオーディオ」第7回 | Push on! Mycar-life

「フロント5ウェイ+サブウーファー」という高難度なシステムを実行する意義とは…「ザ・マニアック・カーオーディオ」第7回

高音質を突き詰めようとするときの、“マニアック”なアプローチをさまざま紹介している当連載。今回は、「フロント5ウェイ+サブウーファー」という高難度なシステムが搭載されたショップデモカーをクローズアップする。

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「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。
  • 「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。
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  • 「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。
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高音質を突き詰めようとするときの、“マニアック”なアプローチをさまざま紹介している当連載。今回は、「フロント5ウェイ+サブウーファー」という高難度なシステムが搭載されたショップデモカーをクローズアップする。

ハイエンド機器を惜しみなく投入しシステムメイク!

そのデモカーとは、岩手県の実力ショップ、“サウンドフリークス”によって製作された「BMW X4」だ。当車には“フロント5ウェイ+サブウーファー”というスペシャルなスピーカーレイアウトが採用されている。

まずは概要から紹介していこう。当車のシステムは以下のような機材にて作り上げられている。

ソースユニットはソニーの『DMP-Z1』、プロセッサーはブラックスの『BRAX DSP』、パワーアンプはイートンの『CORE-A2』×6台。そして、“フロント5ウェイ+サブウーファー”を構成するスピーカーユニットの顔ぶれは…。

スーパーツイーターがムンドルフの『AMT21CM2.1-C』、ツイーター&ミッドレンジLo&ミッドウーファーがステッグの『マスターストローク MSK』、そしてミッドレンジHiにステッグの『ML-35MID』がチョイスされている。サブウーファーは、ホームオーディオブランド、オーディオテクノロジーの20cmモデル×2発だ。このような布陣となっている。

これらスピーカーユニットのインストール位置は次のとおりだ。スーパーツイーターをAピラーの奥側にセットし、ドアミラー裏にツイーターを、Aピラーの手前側にミッドレンジHiを装着している。そしてドア上部の純正スピーカー位置にミッドレンジLoをインストールし、ドアの下部にミッドウーファーを取り付けてある。

なおサブウーファーはシート下の純正サブウーファー位置に、FRPにて製作したサブウーファーボックスもろとも埋め込んだ。つまり、全スピーカーがフロントに集約されている。

さて、このような複雑かつゴージャスなシステムはなぜに組まれることとなったのか…。“サウンドフリークス”の佐藤さんに、まずはその理由から教えてもらった。

「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。

「高度な最新プロセッサーの能力を使い切りたい」、これが出発点。

「このようなスピーカーレイアウトを敷こうと思った理由は、“『BRAX DSP』の能力のすべてを使い切ってみたかったから”です。当機は12chのコントロールが可能で、各調整機能も非常に細かく設定できます。例えば位相切り替えはスタンダードなプロセッサーでは“正・逆”しか切り替えられませんが、『BRAX DSP』では360度細かく設定可能です。このように当機は、他ではできないことも多々行えます。その性能のすべてを使いこなせたらどんなサウンドが聴けるのか、そこのところが知りたくなったんです。

ちなみに、フロント4ウェイ以上のマルチウェイ化にはそもそも関心を持っていました。フロント3ウェイまでしかコントロールできなかった時代にも、オリジナルパッシブを用いてフロント4ウェイシステムを組んだこともありましたし。

4ウェイ以上のマルチウェイ化に可能性を感じる理由は主には2つあります。1つは、“ミッドウーファーに広範囲の再生を受け持たせたくないから”です。というのもカーオーディオではミッドウーファーは横を向いて取り付けられることとなります。しかも装着位置が低くならざるを得ません。このことが、究極的なHi-Fiサウンドを追求しようとするときにボトルネックと成り得てしまうと常々感じていたんです。

しかしスピーカーユニットの数を増やすと、ある程度低い帯域の音も高い位置に取り付けたスピーカーで鳴らせます。そして正対して聴ける範囲も広げられます。結果、中低音の曖昧さを緩和できるんです。

2つ目の理由は、“各スピーカーの負担を減らしたいから”です。数が増えると、1つ1つのスピーカーユニットの再生範囲を狭くできますので、負担が減りサウンドがクリアになります。情報量や解像度が上がるからです」

「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。「フロント5ウェイ+サブウーファー」システムが搭載された“サウンドフリークス(岩手県)”のデモカー「BMW X4」。

新たな可能性が示されている以上、そこにトライしない手はない…。

続いては、“フロント5ウェイ+サブウーファー”を実行するにあたって難しかったポイントを教えてもらった。

「サウンドチューニングの難易度は上がりました。とはいえ、詳細な機能を使いこなすことがテーマだったわけですから、そこは苦にはなりませんでした。むしろ楽しみながらやっています。しかし手間がかかることは確かです。できることが多い分、試してみるべき項目が増えますから。

また、必要な情報と不要な情報の両方が多く現れることとなり、不要な情報を消していく作業にも苦労しました。スピーカーが多い分、悪い要素がどこから出ているのかを見つけにくいんです。

そしてサウンドチューニング以前に、使用ユニットの選択の難易度も上がりました。というのも、メーカーは基本的にキットスピーカーは3ウェイまでしか用意していませんので、残りの2つのスピーカーに何を使うかに関してはフォーマットがないんです。裏を返せば、何を使っても良いわけです。しかしここも、楽しみどころでもありました。

なお、当車ではスーパーツイーターとミッドレンジHiに3ウェイコンポーネントキット以外のスピーカーを組み合わせていますが、スーパーツイーターには他ブランドのモデルを、ミッドレンジHiには同ブランドの他シリーズのモデルを組み合わせています。吟味を重ねてチョイスしました。ただしこの組み合わせがベストかどうかは、今後も研究を重ねたい部分でもあります。完全な正解はないのですが、そこに近付きたいと思っています。

サウンドチューニングに関しても、未だ試行錯誤している部分も有り得ています。未知の領域に足を踏み入れているわけですので、まだ他のやり方があるのかもしれませんし。

ところで4ウェイや5ウェイはコストがかかります。パワーアンプのch数も多く必要になりますから。その意味でもハードルの高いアプローチです。しかし、トライする価値も大きいと実感しています。新たな可能性が示されている以上、そこにトライしない手はないと思うんです。今後も研究を深め続けたいと思っています」

4ウェイ以上のマルチウェイ化は、次世代カーオーディオのスタンダードになるのか否か…。お近くなら“サウンドフリークス”を訪れて、デモカーの音を聴きその可能性を体感すベシ。

《太田祥三》

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