ツイーターの“埋め込み加工”は音に効く!? プロショップで実行する「スピーカー交換」、その手順とコツと利点を完全伝授! Part7 | Push on! Mycar-life

ツイーターの“埋め込み加工”は音に効く!? プロショップで実行する「スピーカー交換」、その手順とコツと利点を完全伝授! Part7

「ドライブと音楽はセット」、そう考えるのであれば「スピーカー交換」を検討しよう。これを実行すると、音楽の魅力が増しドライブが今以上に楽しくなる。聴こえてくる音の質が確実に良化するからだ。当特集では、それを専門店にて行う手順と利点を説明している。

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ツイーターをドアミラー裏に取り付けた一例(ダイヤトーン・デモカー)。
  • ツイーターをドアミラー裏に取り付けた一例(ダイヤトーン・デモカー)。
  • ツイーターをAピラーに取り付けた一例(製作ショップ:アークライド<千葉県>)。
  • ツイーターをドアミラー裏に取り付けた一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。

「ドライブと音楽はセット」、そう考えるのであれば「スピーカー交換」を検討しよう。これを実行すると、音楽の魅力が増しドライブが今以上に楽しくなる。聴こえてくる音の質が確実に良化するからだ。当特集では、それを専門店にて行う手順と利点を説明している。

「Aピラー、もしくはドアミラー裏」への埋め込み加工は、専門店だからこそのスペシャルメニュー!

前回の記事の中で、高音再生用スピーカーであるツイーターの装着位置の選択肢は、主に3つあると説明した。1つが「純正位置」で2つ目が「ダッシュボードの上」、そして3つ目が「Aピラー、もしくはドアミラー裏」だ。今回は、この3つ目の選択肢について解説していく。

なお、「Aピラー、もしくはドアミラー裏」への取り付けを考えるのであれば、その作業はカーオーディオ・プロショップに任せるべきだ。DIYでスピーカー交換に臨むドライバーも少なくないが、「Aピラー、もしくはドアミラー裏」への埋め込み加工は、プロショップだからこその取り付け方法と言って良い。パネルを切ったりパテ等で成形したり、工具と材料が揃っていないと、そして技術がないとできない作業だからだ。

ましてや、音的な面でもコツやセオリーがさまざまある。実を言うと「Aピラー、もしくはドアミラー裏」への埋め込み加工には音的な利点がいくつかある。その恩恵を額面どおりに享受するためには、知識と経験の豊富なプロに仕事を任せるべきだ。ただ付けば良いというものではないのだ。

さて、「Aピラー、もしくはドアミラー裏」への埋め込み取り付けの音的な利点とは何なのかと言うと…。まず、「Aピラー」と「ドアミラー裏」に共通する主な利点は2つある。1つは「確実に固定できること」で、もう1つは「角度設定の自由度が高いこと」だ。

それぞれがどういうことなのかを説明していこう。まずは「確実に固定できること」について説明していく。結論から入ろう。スピーカーはツイーターだけにとどまらず何でも、固定が強固であればあるほど振動板が動作のエネルギーをロスしないですむ。筐体が確実に固定されていると、磁気回路で発生された力をほぼそのまま振動板に伝えられるのだ。埋め込み加工の場合はペースとなるパーツにがっちり固定できるので、マウントを両面テープで貼り付ける場合と比べてより確実に筐体をホールドできるのだ。

ツイーターをAピラーに取り付けた一例(製作ショップ:アークライド<千葉県>)。ツイーターをAピラーに取り付けた一例(製作ショップ:アークライド<千葉県>)。

ツイーターは、角度によって聴こえ方が結構変わる!?

続いては、「角度設定の自由度が高い」ことについて解説していこう。ツイーターの取り付けにおいては実は、向きの決定はシビアに行うべきだ。音は音程が高くなればなるほど、真っ直ぐに進もうとする性質が強くなる。ゆえにツイーターは、リスナーから見たときの角度が聴こえ方に大きく影響しがちだ。少し角度が変わるだけで、聴こえ方が結構変わる。

ちなみにどのような角度がベストなのかというと、これについては諸説あり、各カーオーディオ・プロショップごとで考え方が微妙に異なる部分がいくつかある。つまり、それほどデリケートな問題、というわけなのだ。

ちなみに、プロセッサーが導入されていて詳細なサウンド制御が行える場合には、左右のツイーターの両方を運転席のリスナーに正対させる場合が多い。そうすることで情報量を多く受け取れるようになるからだ。ただし近い方のツイーターの音が特に目立つことになるので、音量差等をプロセッサーで整える必要性が生じてくる。

また、左右のツイーターの両方が運転席と助手席のちょうど真ん中あたりに向けられることも少なくない。そうすると、運転席から見た時のツイーターの角度のズレ幅が左右でほぼ同様になる。しかも助手席から見た時も、ツイーターの角度のズレ幅が左右で大きく違わない。つまり、ドライバーとナビゲーターの両人に同様なコンディションで取り付けられる。

他にも、左右で細かく角度が変えられることもある。また、製品の特性や車室内形状によっても微調整されることもある。角度設定は奥深い。

で、埋め込み加工をする際には、ベストな角度に設定しやすい。自由に造形できるので、角度設定も自在に行える。

ツイーターをドアミラー裏に取り付けた一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。ツイーターをドアミラー裏に取り付けた一例(製作ショップ:サウンドワークス<千葉県>)。

「Aピラー」と「ドアミラー裏」には、個別のメリットもそれぞれ存在!

その上で、「Aピラー」と「ドアミラー裏」にはそれぞれ固有のメリットがある。まず「Aピラー」の場合は奥まった位置に取り付けられることが利点となる。そしてこの利点は、「プロセッサー」を未導入の場合に特に活きてくる。というのも、奥まった位置に取り付けられると、リスナーから見たときの左右の距離差が少なくなる。結果、リスナーへの音の到達タイミングの左右のズレ幅と音量差が比較的に少なくなる。結果、サウンドチューニング機能が充実していないメインユニットでも制御がしやすい。

また、サウンドステージの奥行き表現がしやすくなることもある。この点についても考え方がさまざまあるのだが、音の出どころが遠くなることを上手く活かせると、演奏現場をより立体的に再現しやすくなることもある。

一方「ドアミラー裏」は、サウンドステージの横幅が出しやすい。なぜならば、ドライバーから見たときの左右の位置関係がより広くなるからだ。ツイーターをダッシュボードの上にポンと置いた場合には運転席側のツイーターはほぼ正面気味に位置するが、「ドアミラー裏」に取り付けるとぐっと右側(右ハンドル車の場合)に角度が開く。

ただし左右の距離差は大きくなるので、音の到達タイミングのズレ幅と音量差が大きくなる。ゆえに高度な「プロセッサー」を導入していない場合はコントロールしづらい。

なお、取り付け費用が少なくてすむのはズバリ「ドアミラー裏」の方だ。パネルが小さいので、加工する範囲も少なくてすむからだ。とはいえ、車種によってはツイーターを収められるスペースが確保しづらい場合もある。そのときは選択肢は「Aピラー」に限られる。

カーオーディオ・プロショップで「スピーカー交換」を実施する際には、このようにメリットの多い埋め込み加工をオーダーすることも可能となる。ちなみにこの加工は後から行っても良い。そうすると、音が良くなる感動を再び味わえる。貴方もいつかは、ぜひともトライを。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオ・プロショップで「スピーカー交換」を行う場合の流れと利点の解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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