国産カーオーディオブランド“カロッツェリア”の、実力と魅力を解析!~おすすめモデルも厳選紹介~ | Push on! Mycar-life

国産カーオーディオブランド“カロッツェリア”の、実力と魅力を解析!~おすすめモデルも厳選紹介~

“カロッツェリア”は、国産カーオーディオブランドの中でも特に人気の高いメーカーのうちの1つだ。しかしながら、その歴史や特色まではよく知らないという読者も少なからずいるはずだ。そういった方々に向けて、当記事をお贈りする。

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カロッツェリア・DMH-SF700
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  • カロッツェリア・AVIC-CE902NOIII
  • カロッツェリアX・RS-A09X
  • カロッツェリア・DEH-6600
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  • カロッツェリア・AVIC-CQ911-DC
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“カロッツェリア”は、国産カーオーディオブランドの中でも特に人気の高いメーカーのうちの1つだ。しかしながら、その歴史や特色まではよく知らないという読者も少なからずいるはずだ。そういった方々に向けて、当記事をお贈りする。

同ブランドはこれまでに、エポックメイキングな製品を多々輩出してきた。そして、現在もさまざまなニーズに応え得る、幅広くも強力な製品をラインナップしている。その成り立ち、実力、魅力、そして注目アイテムまでを、要点を絞って解説していく。

目次

  1. ●“カロッツェリア”とは?
  2. ●世界で初めて市販GPSカーナビゲーションを発売!
  3. ●『カロッツェリアX』で、ハイエンドカーオーディオシーンもけん引!
  4. ●“カロッツェリア”のカーオーディオメインユニットは、チューニング能力が優秀!
  5. ●スマートフォン連携においても独特な機能を多々有する!
  6. ●“カロッツェリア”は、スピーカーのラインナップも至って豊富!
  7. ●おすすめモデルを厳選紹介!
  8. ●まとめ

“カロッツェリア”とは?

まずは概要から解説していこう。“カロッツェリア”は、日本を代表する電機メーカーの1つである“パイオニア”によって1986年に立ち上げられたカーオーディオブランドだ。

ところで“パイオニア”といえば、かつてのホームオーディオが一大ブームとなった時代には「オーディオ御三家」の1つとして人気を博した名門だが、カーオーディオ関連製品の開発にもいち早く取り組んだメーカーでもある。

1975年には車載用のカーコンポをリリースし、その翌年からはそれらを“ロンサムカーボーイ”ブランドで展開しカーステレオのブームの先頭を走った。そして、その“ロンサムカーボーイ”から名称変更され、“カロッツェリア”は歴史をスタートさせている(“カロッツェリア”という名称は、日本国内のみで使用されている)。

世界で初めて市販GPSカーナビゲーションを発売!

カロッツェリア・AVIC-CE902NOIII

さて、“カロッツェリア”はこれまでに画期的なアイテムを多々生み出してきたのだが、その中でもっとも鮮烈だった製品の1つはこちら、1990年に発売された世界初の市販GPSカーナビゲーション『AVIC-1』だ。それまでは知らない場所に行くときには地図を確認しながら走っていたのだが、『AVIC-1』では高度2万1000kmの上空にある人工衛星からの電波を受信してモニター上の地図に自車位を表示する。なんとも夢のようなアイテムを現実のものとして見せた。

以後“カロッツェリア”は、カーナビにおいても革新的な技術を次々生み出し続け、データの記録媒体もCDからDVD、HDD、フラッシュメモリーへと変えながら、機能・性能を進化させてきた。

ちなみに“カロッツェリア”は現在カーナビにおいては、ハイグレードシリーズ『サイバーナビ』とスタンダードグレード『楽ナビ』の2ラインを擁している。ともに自車位置精度が高く、そしてルート探索が的確であると評判が高い。そして、オーディオ機能にも定評がある。結果、両シリーズともに、多くのファンから厚い支持を得ている。

『カロッツェリアX』で、ハイエンドカーオーディオシーンもけん引!

カロッツェリアX・RS-A09X

『カロッツェリアX』は1993年に誕生!

“カロッツェリア”は、カーオーディオの分野においてもパイオニアであり続けてきた。その象徴的な存在が、ハイエンドカーオーディオシリーズ『カロッツェリアX』だ。

ただし『カロッツェリアX』は、登場当初(1993年)にいきなりはブレイクしなかった。当シリーズは主に2つの特長を持っていたのだが、それぞれが革新的すぎたゆえだろう。特長とは、「音楽信号を光デジタル伝送すること」と「デジタルチューニングを行うこと」、この2つだ。

しかしほどなくして、一般的なアナログパワーアンプも組み合わせられるように仕様が一部変更され、そしてこれを用いた車両による音質競技会、『パイオニアカーサウンドコンテスト』が1996年より開催されることとなり(第18回大会まで毎年開催)、以後急速に広まっていく。そしてハイエンドカーオーディオという文化の発達・発展にも大いに寄与した

「タイムアライメント」という画期的な機能をシーンに流布!

『カロッツェリアX』は、サウンド制御をデジタルで行うことを特長の1つとしたわけだが、その機能の中でもっとも注目を集めたのはズバリ、「タイムアライメント」だ。ちなみに『カロッツェリアX』では「クロスオーバー」と「イコライザー」もデジタル制御するが、その2つは機能としては目新しくはなかった。これが登場する以前からこれら機能が搭載されたアナログ機器はさまざまあり、マニアの間で一般的に使われていた。

しかし「タイムアライメント」だけはそれまでカーオーディオでほとんど使われていなかった。というのも当機能は、デジタル制御するからこそ可能となる機能でもあるからだ。

なお「タイムアライメント」とは、クルマの中でステレオ音源を再生する際に、そのステレオイメージの再現性を上げるための機能である。このような機能が必要となる理由は以下のとおりだ。クルマの中ではリスニングポジションが左右のどちらかに片寄るので、各スピーカーから発せられる音の到達タイミングが不揃いとなる。ゆえに、左右のchに分けて録音された演奏を左右のスピーカーでバランス良く再生し音像を立体的に再現しようとするステレオの仕組みが、上手く機能しなくなる…。

「タイムアライメント」を活用すれば、スピーカーの距離差をなくせる!?

しかし「タイムアライメント」を活用すると、近くにあるスピーカーに対して発音タイミングに遅延をかけられるので、すべてのスピーカーから発せられた音の到達タイミングを揃えられる。結果、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を簡単に作り出せるので、ステレオ音源を再生したときに、音像をリアルに立体的に感じ取れるようになる。「タイムアライメント」は、カーオーディオが抱えていた問題をあっさり解決して見せた、というわけだ。

かくして当機能はカーオーディオ愛好家の間に広まっていき、以後は他社から発売されるハイエンドカーオーディオユニットにも積まれるようになる。そして今日では、世界中のカーオーディオメーカーが、この機能をDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)に搭載させている

“カロッツェリア”のカーオーディオメインユニットは、チューニング能力が優秀!

カロッツェリア・DEH-6600

『サイバーナビ』には、『カロッツェリアX』に準じるチューニング機能が搭載!

そして“カロッツェリア”は、『カロッツェリアX』で培ったデジタルチューニング技術を、その他の製品にも積極的に注入させてきた。例えば現在の『サイバーナビ』と『サイバーナビXシリーズ』には、『カロッツェリアX』に搭載されていたものに準じたチューニング能力が備えられていて、『楽ナビ』にも簡易的な「タイムアライメント」と「13バンドイコライザー」、そしてサブウーファーをコントロールするための「クロスオーバー」機能も搭載されている。

ちなみに、『サイバーナビ』と『サイバーナビXシリーズ』に搭載されている「イコライザー」は、なんと“31バンドタイプ”だ。これでは、人間の可聴帯域である20Hzから20kHzまでの10オクターブ分の音域を1/3オクターブ刻みで調整できる。それと比べると“13バンド”は簡易的な仕様ではあるが、しかしそれでも一般的には、十二分に高性能だ。

他のメインユニットも同様に、チューニング機能が充実!

また“カロッツェリア”のAV一体型ナビ以外のメインユニットも、おしなべてチューニング機能が充実している。『カロッツェリアX』と同等の性能を備えたハイエンドメインユニットも用意されているし、それ以外の通常機にも『サイバーナビ』に準じる高性能なDSPが搭載されている。

なおもっともベーシックなユニットでは、「タイムアライメント」は搭載されず「イコライザー」は“5バンドタイプ”にはなるものの、「サブウーファー出力」は搭載されている。リーズナブルな製品でもシステムアップの伸びシロが確保されている、というわけだ。

スマートフォン連携においても独特な機能を多々有する!

カロッツェリア・MVH-7500SC

カーオーディオメインユニットは、もう随分前からスマホとの連携力が上がっている。連携することで、メインユニット自体の機能が拡張していくからだ。

“カロッツェリア”は、その部分においても独自性を発揮する。例えば『サイバーナビ』では「MapFanコネクト」という機能が使える。これは、愛用のスマホに「MapFanAssist」というアプリをインストールすることで可能となる機能で、例えば、自宅でドライブプランを練ってその情報をナビに転送できたり、テレビを観ていて気になる場所の情報を得たときにその場所をアプリにブックマークでき、さらにはナビでもその情報を共有できたりもする。

また非ナビのメインユニットでは、「スマートフォンリンク」という機能が使えるモデルが多数ある。そうであると、スマホナビアプリの起動をメインユニットのダイレクトスイッチを押すことで実行できたり、メッセージアプリに届いた新着メッセージの読み上げを同じくダイレクトスイッチを操作することで行えたりもする。

車内でスマホを使い倒したいというドライバーにとっても、“カロッツェリア”の各アイテムは頼りになる。

“カロッツェリア”は、スピーカーのラインナップも至って豊富!

カロッツェリア・TS-Z1000RS

入門者向けのスピーカーも多彩に展開!」

ところで“パイオニア”はオーディオ御三家と呼ばれていた時代には特に、スピーカーに強みを発揮した。その伝統は、現在の“カロッツェリア”にも受け継がれている。エントリーモデルからハイエンド機まで、幅広くスピーカーの良品をユーザーに提供し続けている

現在のラインナップを見ていこう。まず入門者から中級者向けとして、「カスタムフィットスピーカー」を3ライン、用意している。

“カスタムフィット”とは、簡単に取り付けられることを意味する言葉だ。ゆえにそう銘打たれている製品では、ドアスピーカーは厚みがある程度抑えられているので内張りパネル内にスムーズに装着できる。そしてツイーターもコンパクトに仕上げられていてかつ取り付け用のマウントも同梱されているので、大きな改造をすることなく装着できる。

純正スピーカーからのグレードアップを図ろうと思うときには、「カスタムフィットスピーカー」に注目しよう

マニア垂涎のハイエンドスピーカーもラインナップ!

そして“カロッツェリア”は、ハイエンドスピーカーも2ライン用意している。1つがトップエンド『1000RSシリーズ』で、もう1つがセカンドラインとなる『PRSシリーズ』だ。

『1000RSシリーズ』には、17cmセパレート2ウェイスピーカー『TS-Z1000RS』(税抜価格:28万円)があり、その他に6.6cmミッドレンジスピーカーと25cmサブウーファーが顔を揃える。

『PRSシリーズ』はさらに製品展開が豊富だ。2020年に新登場し話題をさらった17cmセパレート3ウェイスピーカー『TS-Z900PRS』(税抜価格:12万8000円)を中心として、サイズの異なるセパレート2ウェイスピーカーやミッドレンジスピーカー、そしてサブウーファー等をラインナップさせている。

さらにはサブウーファーも、小型・薄型を特長とするパワードタイプから、大型のパワードタイプ、そしてパワーアンプを別売とする大型タイプまで多種多様に揃えている。ここまで幅広くサブウーファーを持っている国産カーオーディオブランドは、“カロッツェリア”をおいて他にはない

おすすめモデルを厳選紹介!

サイバーナビ AVIC-CQ911-DC

カロッツェリア・AVIC-CQ911-DC

“カロッツェリア”のハイグレードナビシリーズ『サイバーナビ』は、画面サイズ違いが9V型、8V型、7V型200mmモデル、7V型180mmモデルの4種あり、それぞれで「ネットワークスティック」を同梱するモデルとしないモデルとが用意されている。写真の機種は、その中の9V型の同梱モデルだ。

なお『サイバーナビ』は、エンターテインメント機能が充実していることも特長だ。搭載されているブラウザでYouTubeを楽しめ、さらには自宅のブルーレイレコーダーと繋がる機能も有している。また、「ネットワークスティック」を活用すると、車載向け新通信サービス「docomo in Car Connect」を利用できるようになるので、通信量を気にすることなくネットと繋がれる。そしてさらにはナビをWi-Fiスポット化させることも可能だ

1DINメインユニット DMH-SF700

カロッツェリア・DMH-SF700

当機は、“カロッツェリア”がラインナップするディスプレイオーディオのフラッグシップ機だ。なおディスプレイオーディオとはその名のとおりモニターを有するカーオーディオメインユニットのことを指すのだが、当機はそのモニターをフローティング構造として本体を1DIN化させてある。ゆえに、1DIN分しか空きスペースのない車種でもディスプレイの搭載が可能となる。

そして当機は、スマホとの連携力が高いことも特長だ。「Apple CarPlay」と「androidauto」に対応するので、主要スマホアプリを本機のモニター上でも操れる。さらには、搭載されているブラウザにてネットサーフィンも可能だ。YouTubeも、本機のモニターをタッチ操作して楽しめる。

車載用Wi-Fiルーター DCT-WR100D

カロッツェリア・DCT-WR100D

“カロッツェリア”は、車載用のWi-Fiルーターまでもラインナップさせている。当機を用いると、ドコモの車載向けの新通信サービス「docomo in Car Connect」を利用でき、車内でネットと繋がり放題となる

なお当サービスはあくまでも車載向けなので、クルマの中でしか利用できない。ゆえに当機を使う場合には、停車中の利用にはある程度制限が掛かる(『サイバーナビ』で同サービスを活用する場合には制限は掛からない)。エンジンをスタートしてからでないと利用できず、走行を始めるまでは30分までしか使えない。しかし走行し始めれば無制限に利用できる。そして走行後はエンジンをオンにしたままであれば停車中も60分までは使用可能だ。

で、利用料金は至って手頃だ。本体代とサービス代を含め2年間使用した場合の1か月あたりのコストは、わずか2246円(税込)で済む。一般的なモバイルWi-Fiルーターと比べて約半額程度というイメージだ。

まとめ

カロッツェリア・AVIC-CL902XSIII_

“カロッツェリア”の歴史から、製品の特長、そして注目モデルまでを一気に紹介してきたが、これにて同社の実力と魅力をご理解いただけただろうか。

とにもかくにも“カロッツェリア”は、ドライブをより楽しく快適にすることと“音”にこだわって、製品開発を続けている。ドライブの時間をより充実させたいと思ったら、“カロッツェリア”の車載用機器は頼りになる。使用中のカーナビやカーオーディオ機器の性能に不満を感じたら、“カロッツェリア”の各アイテムに、要注目。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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