今年のうちにすませておきたい、カーオーディオ「年末メンテナンス」 ポイント解説・Part2 | Push on! Mycar-life

今年のうちにすませておきたい、カーオーディオ「年末メンテナンス」 ポイント解説・Part2

去りゆこうとしている2020年。その年内にやっておくべき「カーオーディオ的年末メンテナンス」のポイント解説をお届けしている。第2回目となる今回は、車内の“異音対策”をテーマに据え、具体的メンテナンスメニューを紹介していく。

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どこからともなくカタカタと異音が聞こえてきたら、原因を突き止め対処を。
  • どこからともなくカタカタと異音が聞こえてきたら、原因を突き止め対処を。
  • 音楽を聴いているときにドア内部からビビリ音が聞こえるのであれば、“デッドニング”を施したい。
  • ドアの内張りパネルを外せるスキルがあれば、DIYで“デッドニング”に挑戦するのもアリだ。

去りゆこうとしている2020年。その年内にやっておくべき「カーオーディオ的年末メンテナンス」のポイント解説をお届けしている。第2回目となる今回は、車内の“異音対策”をテーマに据え、具体的メンテナンスメニューを紹介していく。

まずは“異音”の発生源を突き止めるベシ!

最初に、パネル類から発生する異音について考えていく。走行していると、どこかしらからビリビリ、カタカタと異音が聞こえてくることがある。これが結構不快だ。気になっていないときは良いのだが、気になりはじめると例えそれが小音量であってもイライラが募る一方だ。

さて、このような異音が気になりはじめたらどのような対策をすれば良いのかと言うと…。

まずは、それがどこで発生しているのかを突き止めたい。正体が分からなければ対処のしようがないからだ。そしてその具体的な方法として有効なのは、「疑わしい場所を手で触る」だ。手で触ることで異音が消える場所が見つかれば、そこが出どころだと特定できる。

または疑わしい場所に耳を近づけても見つかるが、これは運転中に自分では行えない。なので手が届く範囲の場所を触ってみて異音の発生場所を突き止められなかったら、同乗者がいるときに同乗者に協力を仰ごう。

で、発生場所が特定できたら、さらに深く原因を探ろう。例えばグローブボックスが発生源だと分かった場合には、まずはグローブボックスの中身をすべて出してみて、それで音が発生するかどうかを確認しよう。それでもしも異音が消えるようなら、入っていたもの同士がぶつかったり擦れたりして音が発生していたのだと断定できる。そうであったら中身を整理したり他に移したり入れ方を変えたりしてみよう。

また、物を出しても音が止まらない場合には、フタや内部のパネルのガタツキが原因だと推測できる。そうであればネジを増し締めしたり、外せるパネル類は一旦外してクリップ部分にクッション材的なものを挟んでみよう。またはパネルの継ぎ目部分に、クッション材的な部材を装着しても良い。カー用品店や100円ショップ等で使えそうな部材を探していろいろと試そう。

音楽を聴いているときにドア内部からビビリ音が聞こえるのであれば、“デッドニング”を施したい。音楽を聴いているときにドア内部からビビリ音が聞こえるのであれば、“デッドニング”を施したい。

音楽を聴いているときにドア内部から聞こえてくるビビリ音には…。

また、音楽を聴いていて音量を上げたときにドア内部からビビリ音が聞こえてきたら、それは明らかにスピーカーの裏側から放たれる音エネルギーが原因の鉄板の“共振”だ。

これに関しては、いわゆる“デッドニング”を行うのがベストな対処法となる。ちなみに言うとドア内部の“共振”は、スピーカーを市販品に交換した後の方が発生しやすい。より大きな音で音楽を鳴らせるようになるからだ。

しかし、スピーカー交換の際に“デッドニング”をしなかったりごくごく軽めのメニューにとどめていたというのなら、この際なので“デッドニング”の実行を検討しよう。そうするとビビリ音が消えるばかりでなく、音質がもう1ランク確実に向上する。

ちなみに“デッドニング”を行うと、ビビリ音が消えるだけでなく中低域の音がすっきりしてくる。ボーカルや各楽器の音の分離感が向上し聴こえやすくなるのだ。なぜなら共振によって発生するビビリ音は、たとえ小音量だったとしても確実に音を曇らせているからだ。しかし“デッドニング”によって“共振”を取り除けると、曇っていた音がはっきりと聴こえてくる。

ところで“デッドニング”はDIYで行われることも少なくないが、おすすめなのはやはりカーオーディオ・プロショップでの施行だ。そうした方が間違いがない。しかしこの年末に時間が取れるというのなら、自分でやってみるのもアリだ。ドアの内張りパネルを外せるか否かがまずはハードルとなるが、そのスキルがあるのなら、またはそこに挑戦する気持ちがあればDIY用のセットを入手してチャレンジしてみよう。

で、そのようなセットには部材の貼り方が記された説明書も入っているのだが、この機会に特に注意すべきポイントを要約して紹介しておく。

ドアの内張りパネルを外せるスキルがあれば、DIYで“デッドニング”に挑戦するのもアリだ。ドアの内張りパネルを外せるスキルがあれば、DIYで“デッドニング”に挑戦するのもアリだ。

“デッドニング”にはコツがある! またはチューニングでもビビリ音を軽減できる!?

“デッドニング”を行う際のポイントは主には3つある。1つは「脱脂を念入りに行うこと」だ。ブレーキクリーナー等を用いて部材を貼る箇所をキレイにしておこう。そうしないと施工後に部材が剥がれやすくなる。

ポイントの2つ目は「念入りに圧着すること」だ。ローラー等を使ってしっかりと押し付けることで効果が上がり、耐久性も高まる。そしてポイントの3つ目は、「左右のドアで内容を同じにすること」だ。左右のスピーカーはユニットはもちろん装着コンディションもまったく同じでないと正しくステレオ再生を行えない。お忘れなきように。

または、チューニングでビビリ音を軽減させるというアプローチもある。もしも愛用のナビ等に「サブウーファー出力」が備えられているのなら、それに付随して「クロスオーバー」という機能も搭載されているはずだ。そしてこの「クロスオーバー」を、サブウーファーを装着していない場合にも掛けられるようになっていたらしめたものだ。

なお「クロスオーバー」とは本来は、ドアスピーカーとサブウーファーのそれぞれの役割分担を設定する機能だ。それを活用して、ドアスピーカーが担当する低音の範囲を狭めると、“共振”を減らせることもあるのだ。なぜならば“共振”の主な原因は、スピーカーの裏側から放たれる低音成分だからだ。

操作方法は以下のとおりだ。例えばカットライン(カットオフ周波数)を60Hzくらいに設定してみる。その上で音楽の聴こえ方とビビリ方を確認してみよう。それでもビビリ音の軽減が少なかったらカットラインを上げてみたり、スロープ(減衰率)を変更できるのならその数値を大きく(減衰率を大きく)してみよう。

ただし低音をカットし過ぎると音楽がつまらなくなっていく。なのでビビリ音の減り具合と低音の減り具合を天秤にかけながらサウンドがつまらなくなる感じを極力抑え目にしつつも、ビビリ音も少なくできるカットラインの値とスロープの値を見つけ出したい。設定をいろいろと変えて、それを探そう。

今回はここまでとさせていただく。次回も「年末メンテナンス」のポイント解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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