フロントスピーカーの“セッティング術”、大研究!! 第7回「2ウェイ? 3ウェイ?」 | Push on! Mycar-life

フロントスピーカーの“セッティング術”、大研究!! 第7回「2ウェイ? 3ウェイ?」

「スピーカーをどう鳴らすか」、そこのところを多角的に研究している当特集。その第7回目となる今回は、「2ウェイor3ウェイ」をテーマにお届けする。“3ウェイ”に興味があるという方は特に、当記事を要熟読!

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スコーカーの取り付け例(製作ショップ:ガレージショウエイ<高知県>)。
  • スコーカーの取り付け例(製作ショップ:ガレージショウエイ<高知県>)。
  • スコーカーの取り付け例(製作ショップ:M.E.I.<広島県>)。
  • スコーカーの取り付け例(製作ショップ:ジパング<鳥取県>)。

「スピーカーをどう鳴らすか」、そこのところを多角的に研究している当特集。その第7回目となる今回は、「2ウェイor3ウェイ」をテーマにお届けする。“3ウェイ”に興味があるという方は特に、当記事を要熟読!

“2ウェイ”は「手軽」であることが最大の利点!

早速、“2ウェイ”と“3ウェイ”それぞれのメリットとデメリットについて考えていく。

ところで、採用されている率が高いのは、当然ながら“2ウェイ”の方だ。その理由はズバリ、「手軽だから」だ。“2ウェイ”の方がハードルが低い。ここが、“3ウェイ”と比べたときの“2ウェイ”の最大のメリットだ。

ハードルが低いポイントは主には3点ある。まず1点目は、「取り付け性が高いこと」。ミッドウーファーに関しては差はないが、“3ウェイ”ではスコーカーをなんらかカスタムインストールする必要性が生じる。しかし“2ウェイ”ではそれが必要ない。

ポイントの2つ目は「システムが巨大化しないですむこと」だ。カーオーディオでは詳細なチューニングを行いたいがために“マルチアンプシステム”が採用されることが多いが、その際にはスピーカーユニット1つずつにパワーアンプの1chずつをあてがうこととなる。となると、フロント“2ウェイ”の場合には必要ch数は“4”。対して“3ウェイ”では“6”。その分パワーアンプ代がかさみ、台数が増えることになれば取り付けの手間も増える。

「手軽である」ポイントの3つ目は、「サウンドチューニングがしやすいこと」だ。“3ウェイ”ではスピーカーユニットが2つ増えることによりチューニングの工程が複雑化する。“あちらを立てればこちらが立たなくなる”というスパイラルにはまりやすくなる。しかし“2ウェイ”なら、よりシンプルにチューニング作業を行える。

“2ウェイ”のミッドウーファーには、実は相当に負担が掛かっている…。

しかし“2ウェイ”にはデメリットもある。それは「ミッドウーファーの負担が大きいこと」だ。

人間の耳の可聴範囲は20Hzから20kHz。これは音階で言うと10オクターブ分に相当する。そして多くの“2ウェイ”システムでは、ミッドウーファーは最低音から2k~5kHzくらいまでを担当することとなるのだが、担当範囲が3kHzまでと想定してもその音程差は7オクターブ強。“2ウェイ”とすることでより効率良く音楽を再生することが目指されるわけだが、“2ウェイ”の場合はミッドウーファーに掛かる負荷はまだまだ大きい、というのが実情なのだ。

で、負荷が掛かることによりミッドウーファーでは、以下のような問題が発生しがちだ。本来ならばスピーカーの振動板は、中心付近も外側も常に同じ動き(ピストモーション)をしなければならない。形を変えることなくストロークし続けなければならないのだが、特に高い音を再生しようとするときにミッドウーファーの振動板は、中心付近と外側との動きがずれて、波打ったように動くことがある。このような状況は“分割共振”と呼ばれている。これが起こると、音が濁る。

しかし“3ウェイ”ならば話が変わる。中音再生のスペシャリストであるスコーカー(ミッドレンジ)を追加することで、ミッドウーファーの負担を一気に減らせる。結果、“分割共振”がほぼ起こらなくなり、それによって音が濁ることもなくなる、というわけなのだ。

“3ウェイ”にトライしようと思ったときの、スコーカー選びのポイントとは…。

“3ウェイ”ではさらに、「中域の情報量が増えること」もメリットとなる。

中域の情報量が増える要因はいくつかある。中域再生のスペシャリストを配置できるので効率良く中域を再生できるようになることがまずは利点となる。さらには、スコーカーをリスナーと正対させることも可能となる。これによりリスナーは、中域の情報をロスなく受け取れるようになる。

しかし“2ウェイ”では、中域を再生するミッドウーファーはドアに取り付けられていて、リスナーと正対させることはできない。このことは少なからずビハインドを生む。対して“3ウェイ”ではそのビハインドを払拭できる、というわけなのだ。

かくして“3ウェイ”化を図ると、音的なメリットを得られるようになる。導入のハードルは高いが、挑戦のしがいも大きい。

であるので最後に、“3ウェイ”にトライしようと思ったときのスコーカー選びについて解説しておこう。

もちろん、スピーカーを丸々交換するのも1つの手だが、このやり方だとコストがより多く掛かってしまう。なので“3ウェイ”に興味があればまずは、「スコーカーを足す」ことを検討してみよう。

さて、問題は「スコーカーに何を使うか」だが、ファーストチョイスとなるのはやはり、「自分が使っている“2ウェイ”スピーカーと同一メーカー、同一シリーズのスコーカー」だ。しかしその設定がなかったら、セカンドチョイスは「同一メーカーの他グレードの単品スコーカー」となる。

しかし、グレード格差が大きすぎる場合や、または単品スコーカーがそのブランドのラインナップになかったとしたら…。それらのケースでは、他のメーカーの単品スコーカーの中から相性が良さそうなモデルを探そう。その際には、振動板の素材が似ているものを選びたい。そうすることでサウンドの統一感を出しやすくなる。案外、複数メーカーのスピーカーを組み合わせて3ウェイを構築する愛好家も少なくない。組み合わせの妙も楽しみどころとなったりもするのだ。

“3ウェイ”化するには、乗り越えるべきハードルがさまざまあるが、それらを乗り越えられると、多大なメリットが得られたりもする。取り組む価値は高い。

今回はここまでとさせていただく。次回もまた異なった観点で、スピーカーの“セッティング術”を考察する。お楽しみに。

《太田祥三》

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