『サウンドシステム構築論』Part6 「単体DSPで制御する“2ウェイ+サブ”システム」を楽しむ! | Push on! Mycar-life

『サウンドシステム構築論』Part6 「単体DSPで制御する“2ウェイ+サブ”システム」を楽しむ!

カーオーディオにおけるシステムレイアウトのいろいろを紹介している当特集。今回は、本格かつ定番的なスタイル「単体DSPで制御するフロント2ウェイ+サブウーファー・システム」に焦点を当てる。これの楽しみ方のポイント等々を、詳細に解説する。

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単体DSPの一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 単体DSPの一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 『フォーカル・FSP-8』のチューニング設定画面。
  • 単体DSPの一例(ロックフォード フォズゲート・DSR1)。
  • 単体DSPの一例(グラウンドゼロ・GZDSP4-8)。
  • 『グラウンドゼロ・GZDSP4-8』のチューニング設定画面。

カーオーディオにおけるシステムレイアウトのいろいろを紹介している当特集。今回は、本格かつ定番的なスタイル「単体DSPで制御するフロント2ウェイ+サブウーファー・システム」に焦点を当てる。これの楽しみ方のポイント等々を、詳細に解説する。

スピーカーレイアウトは基本形。しかし駆動方式は高度!

まずは、「単体DSPで制御する“2ウェイ+サブ”システム」の成り立ちから説明していく。当システムでは、スピーカー構成はオーソドックスだ。“セパレート2ウェイスピーカー”をフロントスピーカーとして使い、そこに“サブウーファー”を足すという、カーオーディオの定番的なスタイルが取られる。

そしてこのスピーカーレイアウトをドライブするために、“単体DSP”を使った“マルチアンプシステム”を組む。なお、これまで説明してきたとおり、「ハイエンドメインユニット」や「パワーアンプ内蔵DSP」を用いても“マルチアンプシステム”を構築できるのだが、当システムではそれらと異なり、音楽信号の増幅を“外部パワーアンプ”で実行する。

なので当システムでは、“外部パワーアンプ”のコストが掛かり、かつインストールスペースも取り、取り付けの手間も増える。つまり、システム構築のハードルが高くなる。スピーカーレイアウトは基本形でありながら、シテムとしては高度、というわけだ。

しかし、だからこそ高音質化が図れる。“外部パワーアンプ”の1chずつを使って余裕を持って各スピーカーを鳴らせるからだ。より良い“外部パワーアンプ”を使えばさらに音は良くなっていく。高解像度で高S/Nなサウンドを楽しめる。つまり、とことん高音質を追求できる、楽しみ甲斐の大きいシステムなのである。

最大の楽しみどころは「“外部パワーアンプ”選びにこだわれること」!

どのように楽しめるのかを、さらに踏み込んで解説していこう。ポイントは2点ある。1つは「“外部パワーアンプ”選びにこだわれること」、もう1点は「サウンドチューニングを徹底的に追い込めること」。

なお、「サウンドチューンングを徹底的に追い込めること」に関しては、“ハイエンドメインユニット”や“パワーアンプ内蔵DSP”を使ったシステムでも同様だ。これらでも同じようにチューニングを追い込める。ちなみに言えば、“ハイエンドメインユニット”と比べると、“イコライザー”は高機能だ。“単体DSP”では“イコライザー”をchごとで調整できる(“ハイエンドメインユニット”では左右独立、または左右+サブch独立)。ただし、それ以外は同等だ。実用レベルでは大きな差はないと思っていい。

対して「“外部パワーアンプ”選びにこだわれること」
は、“ハイエンドメインユニット”や“パワーアンプ内蔵DSP”では成し得ない。当システムならではのスペシャルな利点となる。ゆえにこの部分は徹底的に楽しみ尽くしたい。そうしないともったいない。

さて、“外部パワーアンプ”選びはどのようにするといいのだろうか。いろいろな着眼点があるが、まずはこんなアプローチをおすすめしたい。それは、「小型・省スペースを徹底する」というものだ。

昨今、超小型でありながらも音質性能の高い“外部パワーアンプ”が増えてきた。これらが登場する以前は、“単体DSP”を用いて“マルチアンプシステム”を組めばシステムの巨大化が避けられなかったのだが、今ではそうとも限らない。超小型パワーアンプを選べば、案外省スペース化が図れる。“高音質”と“合理化”をバランスさせるというやり方も選択できるようになっているのだ。覚えておこう。

試聴会イベント等々に積極的に参加して、理想のモデルを探し出すベシ!

さて、超小型モデルを選ぶ際にはフロントスピーカー用のパワーアンプには4chモデル、もしくは5chとか6chといった多chモデルを選ぶべきなのだが、そうでない場合には「何chアンプを使うか」も悩みどころ(楽しみどころ)となる。合理性を重んじるのであれば5chアンプや6chアンプを選びパワーアンプは1台で完結させるのが最善の策となり、音にこだわるのであれば、フロントスピーカーには高級2chモデルを2台用意し、さらにサブウーファー用アンプを用意する、という選択肢も浮上する。もちろん、フロントスピーカーは4chアンプ1台で鳴らしてもいい。

“サブウーファー”を鳴らす“外部パワーアンプ”のタイプ選びも楽しみたい。パワーを掛けることを重視するなら高出力なモノラルchモデルが向いていて、高音質にこだわるならばフルレンジの2chモデル(ブリッジ接続が可能なもの)が有利だ。

そして、ch数のタイプ選び以上にこだわるべきポイントがある。それは「性能の見極め」だ。つまり、「理想的なサウンドを奏でられるモデルをいかにして探し出すか」。ここが最大の楽しみどころとなる。気に入ったモデルに出会えたなら、言いようのない達成感が味わえる。

では、理想の音を奏でられる“外部パワーアンプ”はどのようにして見つけ出せばいいのかと言うと…。早道となるのはやはり、カーオーディオプロショップの店頭で行われる試聴会イベントやサウンドコンペ会場等に足を運ぶことだろう。気に入ったモデルを見つけ出すためには数多くの製品の音を確認するのが最善策となる。イベントに出向けば試聴機やデモカーの音をたくさん聴ける。フットワークがモノを言う、というわけだ。

また、信頼できるカーオーディオプロショップを見つけ、そこに通って、他のユーザーと積極的に交流するのも1つの手だ。そうすることで友人も増やせるし、かついろいろなクルマの音も確認できる。

なお、予算設定は重要だ。上を見ればキリがない。予算の範囲内でいかに最良のものを見つけ出せるか。そこにこそ醍醐味があると言っていい。

今回はここまでとさせていただく。次回は、「フロント3ウェイシステム」について考察する。お楽しみに。

《太田祥三》

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