注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 1 | Push on! Mycar-life

注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 1

今年の8月に、『初めてのスピーカー。選ぶならどれ? 2万円~3万円台の注目機、6機種比較テスト!!』と題し、3週にわたって入門スピーカー計6モデルの比較試聴記事を掲載した。

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注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 1
  • 注目のエントリースピーカー2機種が新登場! 比較試聴番外編、緊急実施! Part 1
  • JLオーディオ・C1-650
  • JLオーディオ・C1-690
  • JLオーディオ・C1-650x
  • JLオーディオ・C1-525x
  • JLオーディオ・C1-400x
  • JLオーディオ・C1-570x
  • JLオーディオ・C1-650のパッシブクロスオーバーネットワーク。

今年の8月に、『初めてのスピーカー。選ぶならどれ? 2万円~3万円台の注目機、6機種比較テスト!!』と題し、3週にわたって入門スピーカー計6モデルの比較試聴記事を掲載した。

それから約2か月しか経過していないこのタイミングで、その市場に割って入る注目機が2つ、新登場を果たしたという知らせが編集部に届けられた。

1機種が、「JLオーディオ」の『C1-650』、もう1機種が「ヴァイブオーディオ」の『SLICK6C-V7』だ。

これら2機種の実力は果たして、先にテストした6機種と比べていかほどなのか…。それを確かめるべく、該当記事の『番外編』を企画した。先の記事を作成したときと同一の環境でテストを実施し、各機の性能をチェックしてきたので、そのリポートを2週にわたってお届けしていく(前回の記事については、下の“関連記事”より確認していただきたい)。

■幅広い層に届けようと、サイズ展開を豊富に。

まず今週は、実力アメリカンブランドである「JLオーディオ」のニューモデル、『C1-650』についてのリポートをお贈りする。

ちなみに、先の試聴記事でも「JLオーディオ」の製品を取り上げている。それは、『TR650-CSi』(税抜価格:3万8000円)。今回発売される『C1シリーズ』は、それよりもさらにリーズナブル。新たな最エントリーモデルが新登場した、というわけなのだ。

なお、『TRシリーズ』は現状、継続販売中である。であるので『C1シリーズ』はそれに変わるものとして登場したわけではない。しかしながら現在の「JLオーディオ」のラインナップを見ると、今秋の発売が予定されている新たなトップエンドモデル『C7シリーズ』がまずあり、セカンドグレードとなる『ZRシリーズ』を挟みその後に、『C5シリーズ』、『C3シリーズ』、『C2シリーズ』と続いていく。つまり、名称の最初に“C”が付くシリーズでの再編が進んでいる最中なのだ。流れとしては今後『TRシリーズ』は終了し、エントリーシリーズは『C1シリーズ』へと統一されることになるのではないだろうか。

さて、『C1-650』とはどのようなスピーカーであるのだろうか。特長を解説していこう。最初に、シリーズ全体のラインナップから見ていく。シリーズは6機種で構成されている。セパレート2ウェイコンポーネントが2機種、コアキシャルスピーカーが4機種、という内訳だ。

サイズ展開は以下のとおり。セパレート2ウェイモデルには、16.5cm2ウェイの『C1-650』と、6×9インチの2ウェイモデル『C1-690』とが用意され、コアキシャルタイプには、16.5cmモデルの『C1-650x』、13cmモデルの『C1-525x』、10cmモデルの『C1-400x』、さらには5x7インチモデルの『C1-570x』も用意されている。セパレート、コアキシャルともにオーバルタイプも擁しながらそれぞれでサイズを変えて、シリーズ全体としての対応力の充実が図られている。幅広い層に届けようとされているシリーズ、と見ることができる。

■取り付け性の高さにはさらなる磨きがかけられ、取り付け奥行き寸法の大幅短縮化も実現。

続いては、『C1-650』単体についての特長を解説していこう。まずは、ミッドウーファーから。振動板素材には、『TR650-CSi』と同じくポリプロピレンコーンが使われているのだが、見た目は大きく変わっている。『TR650-CSi』ではシルバーだったものが、『C1-650』ではイエローとなっている。この変更によって音がどのように変化しているのか、気になるところだ。

なお、『TR650-CSi』においてもインストール性の高さが特長の1つとなっていたが、『C1-650』でもそれは同様だ。パッシブクロスオーバーネットワークは取り付け性を重視しインラインタイプとなっていて、ツィーターのハイパスフィルターをそれに収め、ミッドウーファーのローパスフィルターは用いず、ローパスは自然にロールオフさせる設定とされている。

取り付け奥行き寸法については相当なシェイプアップが図られている。『TR650-CSi』では62mmだが、『C1-650』では53mm。9mmもの薄型化に成功している。

とはいえ磁気回路は、「JLオーディオ」独自のモデリングシステム『DMA(ダイナミック・モーター・アナリシス)』により構造が最適化されている。取り付け性のみならず、音質性能面でもテコ入れが施されていることを伺い知れる。

ツィーターでは、ネオジウムマグネットが採用されていることは同様ながら、当機はフェロフルード(磁性流体)冷却式のアルミドーム型となった。これが効いているのだろう、周波数特性の上限が22kHzから24kHzへと伸びている。

エントリーシリーズとはいえ、見るべき特長を多々携えている『C1-650』。気になる音質性能はどうだったのかと言うと…。

■先の試聴記事製作時と同様のシステムを組み、テストを実施。

ここからはインプレッション・リポートをお伝えしていく。最初に、試聴環境を紹介する。冒頭で説明したとおり、8月にお届けした比較試聴記事を作成したときと同様のシステムを再現し、テストを実施した。

試聴会場は、各製品のディストリビューターであるイース・コーポレーションの試聴室。音源にはCDクオリティのFLACデータを使い、PC→USB-DAC→パワーアンプ→スピーカー、というシステムで再生した。クロスオーバーは、各スピーカーに付属しているパッシブクロスオーバーネットワークで行っている。

各スピーカーの能力をできる限り引き出すべく、リファレンス・パワーアンプには上級モデルである「ロックフォード・フォズゲート」の『T600-4』(税抜価格:12万円)を用意し、4chのうちのフロントchのみを使用してドライブした。

ケーブル類は、パワーケーブルに「モンスターカーオーディオ」の『MCA PF4R/B』(税抜価格:3000円/1m)を、ラインケーブルに同・『MCA 450i-3M』(税抜価格:1万5000円/3m)を、スピーカーケーブルに同・『MCA 350S16』(税抜価格:800円/1m)を使い、USBケーブルには「チェルノフケーブル」の『クラシック USB A-B IC165』(税抜価格:2万円、1.65m)を使用した。そして、バッテリーにはUSA発の新鋭「XSパワーバッテリー」を用いている。

■誇張なく、淡々と原音を忠実に再現。しかしながら“素材の味”はしっかり表現。

試聴を始めてまず感じられたのは、“安定感”だった。先の記事で試聴した『TR650-CSi』についても「安定感がある」と記したが、当機『C1-650』においてもそれは同様だったのだ。価格が8000円も下がっているにも関わらず、性能はキープされていると言って良いだろう。

ヌケがよく、解像度、S/N感ともに上々だ。小編成で演奏される楽曲においては、すべての楽器が演奏をブレイクした瞬間の静けさを、しっかりと感じる取ることができた。

高域の質感も良好だ。ほどよく繊細で滑らか。エントリー機としては十二分の水準が確保されている。低域も同じく、量感、タイトさともに不満がなく、レンジ感もなかなかに広い。心地よくリズムを刻んでいく。

『TR650-CSi』についてはまた、「誇張がない」ことも利点だと書いたが、その部分についても同様だった。音色は正確で、原音を忠実に再現することに徹している。その意味では“ドライ傾向”のサウンドと言えるかもしれないが、素材の味わいはしっかりと堪能できるので、つまらない音にはなっていない。全体的な印象として、“優等生的”なサウンドであった。この音を好むユーザーは多そうだ。

この価格帯の製品において8000円の違いは大きく、『TR650-CSi』にはその分の上積みが必ずやあるはずなのだが、コストを抑えようと思えば、『C1-650』をチョイスして間違いはないだろう。「JLオーディオ」に対して期待する心を、この『C1-650』が裏切ることはなさそうだ。コストパフォーマンスは高い。

今週のリポートは以上で終了だ。次週は、「ヴァイブオーディオ」から登場する注目機、『SLICK6C-V7』についてのインプレッションリポートをお届けする。お楽しみに。

《太田祥三》

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