人気の価格帯、“ミドル・ハイ”グレードの注目スピーカー7機種を、徹底比較試聴! ベストバイモデルは、どれ!? Part.1 | Push on! Mycar-life

人気の価格帯、“ミドル・ハイ”グレードの注目スピーカー7機種を、徹底比較試聴! ベストバイモデルは、どれ!? Part.1

スピーカーにおける、10万円前後の、いわゆる“ミドル・ハイ”グレードには、魅力的な製品が多数存在している。それらは、入門機からのステップアップを計るときの格好のターゲットであり、最初のスピーカーとしても、奮発して狙ってみたいと思わせる優秀機ばかりだ。

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試聴会場/イース・コーポレーション試聴室
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スピーカーにおける、10万円前後の、いわゆる“ミドル・ハイ”グレードには、魅力的な製品が多数存在している。それらは、入門機からのステップアップを計るときの格好のターゲットであり、最初のスピーカーとしても、奮発して狙ってみたいと思わせる優秀機ばかりだ。

そんな“熱い”価格帯にある人気モデルを、一気に7機種比較試聴してきた。取材にご協力いただいたのは、欧米の人気カーオーディオブランドを多数ディストリビュートしているイース・コーポレーション。同社の取り扱い製品の中から、税別価格8万円から13万円の製品7モデルをチョイスしていただき(1・MTX・SS7 2・CDTオーディオ・HD-62 3・フラックス・MC261 4・レインボウ・GL-C6.2 5・VIBEオーディオ・CVEN62C-V4  6・JLオーディオ・C5-650 7・ロックフォード・T3652-S)、それぞれの音質傾向や特長等を探ってきた。

なお、今回は複数のテスターによる対談形式のインプレッション・リポートとしてお伝えする。スピーカーの印象は、好みによって多少異なる部分があったりするものだ。そういった微妙なところまで、詳細にお伝えしてみたい。

試聴に参加したのは、イース・コーポレーションの、Super High-end 推進事業部 兼 Monster Car Audio 国内事業部の関口周二さんと、当サイトの藤澤純一編集長、そしてライターの私、太田祥三の3名だ。連載の最後には、各人のベスト3も発表する予定だ。

さて今週は、価格の低い製品から、2機種についてのリポートをお贈りする。

本編に入る前に、例によって試聴環境をご紹介しておきたい。試聴会場は、イース・コーポレーションの試聴室。PCをソースユニットとして活用し、リファレンスパワーアンプとして、「GROUND ZERO」のトップエンド『REFERENCE シリーズ』の『GZPA Reference 2XS』(税抜価格:22万円)を使用した。クロスオーバーは、各スピーカーに付属のパッシブクロスオーバーネットワークで行っている。

使用したケーブル類は以下のとおりだ。すぺてを「モンスターカーオーディオ」で統一。パワーケーブルに『MCA PF4R/B』(税抜価格:3000円/1m)を、ラインケーブルに『MCA 450i-3M』(税抜価格:1万5000円/3m)を、スピーカーケーブルに『MCA 350S14』(税抜価格:1000円/1m)を、それぞれ使用した。

コストパフォーマンスの高い、“楽しめる”スピーカー。

MTXオーディオ・SS7
最初に試聴した製品は、こちらだ。
☆MTXオーディオ・SS7 (税抜価格:8万円)
●定格入力:150W ●周波数特性:31Hz~30kHz ●能率:85.4dB ●取付穴直径:141mm(ウーファー部) ●取付深さ:72mm(ウーファー部)●スピーカーグリル付属
人気アメリカンブランドの1つである、「MTXオーディオ」。当機は同社の、通常2ウェイコンポーネントスピーカーのフラッグシップシリーズである『Signature Series (シグネチャーシリーズ)』の、16.5cm2wayコンポーネントスピーカーだ。「MTXオーディオ」の創立40年を記念したモデルでもある。

共振を低減させるアルミダイキャストバスケット、高耐熱性に長けた1.5インチボイスコイル等々、記念モデルにふさわしい、作りの確かさが特長的な当モデル。トゥイーターは、TXCシリーズで定評があった30mm径のテトロンドーム型が採用され、優れた高周波数レスポンスを発揮する。ミッドウーファーの振動板は、高剛性高効率のグラスファイバーとペーパーの2層構造となっている。さて、このスピーカーからは、どのようなサウンドが聴けたのだろうか…。

3名各人が、愛聴している試聴トラックを使ってそれぞれ聴き込み、そのあとで意見交換を行って、当機の特長をあぶり出すことを試みた。

太田(以下、太)「中・高域がかっちり、きっちり鳴っていて、クリアなサウンド、という印象でした。低域にパンチもありましたし、全体的に、“楽しめる”サウンドだったと思うのですが、いかがでしたか?」

藤澤(以下、藤)「中・高域の解像度は、確かに高めだったと思います。全体的な耳当たりも良かったですね。余韻の残し方も好印象でした。しかし、低域の解像度は、中・高域ほどではなかったように感じました。量感はあるのですが、少し膨らみ加減と言うか…。ミッドウーファーの美味しいところまで使って、低いところはサブウーファーを上手く使うといいような気がしました。MTXオーディオには、上質なサブウーファーが多数ラインナップしているので、それらを合わせると完ぺきになりそうですね」

関口(以下、関)「低域は確かにローエンドまで伸びるというタイプではないですね。しかし量感はありますし、ほどよくタイトで、悪くはないと思いますよ。中・高域の耳当たりも良いですし、”この音が好き”っていう人は多いのではないでしょうか? 私も“楽しめる”スピーカーだと思いました」

3名の印象で共通するのは、中・高域の聴きやすさと、クリアさだった。低域については評価が多少分かれたが、量感が多めであることは確かだ。全体的にわかりやすいサウンドだったように思う。ロックやポップスを楽しく聴けるスピーカーではないか、という意見も出されていた。コストパフォーマンスはなかなかに高い。元気なサウンドが好みの方にとっては、有力な候補になり得ると感じられた。

メリハリの効いた、解像度の高いサウンド。個性もあり、魅力的な一品。

CDTオーディオ・HD-62
続いては、こちらのスピーカーを試聴した。
☆CDTオーディオ・HD-62(税抜価格:9万円)
●最大入力:180W(@100Hzハイパス) ●周波数特性:60Hz~20kHz ●能率:92.6dB ●取付穴直径:149mm(ウーファー部) ●取付深さ:69mm(ウーファー部)
ヨーロッパのデザインや感性をブレンドした、生粋のアメリカンブランドである「CDTオーディオ」。3種類のコンポーネントスピーカーを擁し、さらには、トゥイーター、ミッドレンジ、ミッドウーファー、サブウーファー、そしてパッシブクロスオーバーネットワークといったスピーカーユニットを多数、単品でラインナップしている。

試聴した『HD-62』は、中間グレードとなる2ウェイコンポーネントスピーカーだ。トゥイーターは25mmシルクドーム、ミッドウーファーの振動板には、カーボンコートされたペーパーコーンが採用されている。この振動板の表面には、“分散輪郭適切化テクノロジー”が施されていて、これにより、「ナチュラルに広がる美しいHi-Fiサウンドが実現されている」とのことだが、3人は、この音に何を感じたのだろうか。

藤「とても気に入りました。すごく面白い音がしていると感じました。Hi-Fiかと言われると、ちょっと違うのかもしれないのですが、嫌な感じはまったくなく、むしろクセになるような音だと思います。少し“ゼラチン質”な艶やかな音で、音の分離が良く、メリハリもあります。それでいて、独特な聴き心地があるんです。そこが凄く良いと思います」

関「確かに、きらびやかでツヤっぽい音だと思います。引き込まれますね。解像度も適度に高く、耳当たりもいいと思います。なお傾向としては、ソリッド系な音だと感じました」

太「ぼくもどちらかと言えば、ドライな音だと感じました。ツヤは感じるのですが、それと同時に、生々しさも感じたんです。楽器の音がそのまま出ているように思いました。音の輪郭がはっきりとしていて、エッジも立っています。なので、メリハリ感も出ています。どちらかと言えば、マイルドな音ではないと思うんです。シャープな方向の音だと。ただ好みの音かと言われると、ぼく的にはストライク、というわけではなかったですね。もう少し柔らかめな音が好きなんですよ」

3名の感想を総合すると、『HD-62』が、メリハリあるサウンドを聴かせてくれるタイプであることは確実のようだ。解像度も高く、音の分離が良いスピーカーであることも間違いない。それでいてツヤもある。そしてそういったサウンド傾向が、独特な魅力となって発揮されている。それにハマる人も少なくなさそうだ。個性的なサウンドを探しているのなら、当機を聴いてみる価値は高い。印象的なサウンドが聴けることは、間違いない。

さて、今週はここまでとさせていただく。ここからあと2週にわたり、5機種のスピーカーについての試聴リポートをお伝えしていく。

これからどんなスピーカーが登場するのか、そして、評価の高いスピーカーはどれだったのか…。次週以降の当記事に、ぜひともご注目いただきたい。

《太田祥三》

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