【DIATONE NR-MZ80】使いこなし術、完全マスター講座 #3: スタンダードモデル「NR-MZ80」のサウンドチューニング機能を実践解説! Part.1 | Push on! Mycar-life

【DIATONE NR-MZ80】使いこなし術、完全マスター講座 #3: スタンダードモデル「NR-MZ80」のサウンドチューニング機能を実践解説! Part.1

【今回のテーマ】 ●フロントスピーカーの“ローカット” ●マルチウェイタイムアライメントの“クロスオーバー設定” 講師:サウンドステーション クァンタム 土屋和之氏 【特別コラム:『DIATONE SOUND.NAVI』を薦める理由!】 第1回/PIT TWO

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【DIATONE NR-MZ80】使いこなし術、完全マスター講座

「『DIATONE SOUND.NAVI』を楽しみ尽くそう!」というテーマでお贈りしている当コーナー。前回まで2回に渡って、『DIATONE SOUND.NAVI』のポテンシャルの高さについて解説してきたが、今回からはいよいよ、“実践編”だ。クァンタムの土屋さんを講師に迎え、初級者でも実戦可能なサウンドチューニング・テクニックを解説していく。せっかくの実力機。自分で触って、操作して、楽しみ尽くさないともったいない! 臆せずトライを!

今回から、スタンダードモデル「NR-MZ80」のサウンドチューニング機能を使いこなすテクニックをご紹介していく。「NR-MZ80PREMI」ではなく「NR-MZ80」を題材にするのは、『DIATONE SOUND.NAVI』の全ユーザーに向けた企画にしたいからだ。

さらにいえば、「NR-MZ80」も「NR-MZ80PREMI」も音の素性は同じ。調整機能は簡略化されていても、それを使いこなすことで、もっとポテンシャルを引き出せるし、楽しめる。そこのところを徹底的に掘り下げてみたいと思っている。

もちろん、ここで解説する内容は「NR-MZ80PREMI」ユーザーにも役に立つ内容なので、「NR-MZ80PREMI」ユーザーにも大いに参考にしていただきたいと思っている。


(サムネールはクリックで拡大。拡大後は写真右側クリックで進む:左側クリックで戻る)


写真1: 初期設定

写真2: サウンドセッティング

写真3: タイムアライメント設定


写真1: 初期設定 写真2: サウンドセッティング 写真3: タイムアライメント設定 

さて、早速本題に入ろう。今回のテーマは、上に掲げた2テーマだ。

とその前に、写真1を見てほしい。これは『初期設定』画面。まずは、今現在の、愛車のオーディオシステム内容を打ち込んでおく必要がある。まずはここから。

今回は、純正スピーカー搭載のクルマを想定して調整を進めていく。写真では、ツイーターのところで『なし』が選ばれているが、純正で2ウェイになっている想定で進めていくので、ここは『あり』に変更した。そして、サブウーファーと外部アンプは「なし」のまま。

初期設定が終わったら「サウンドセッティング」の画面を出し(写真2)、「サウンドチューニング」のところの「サウンドを調整する」のボタンを押す。そうすると、写真3の「タイムアライメント設定」の画面が出てくる。

そして、写真3の画面右下にある三角矢印ボタンを押せば、クロスオーバーの画面に飛べる。そして、フロントスピーカーのクロスオーバー調整画面(写真4)を呼び出す。


クロスオーバー調整画面

写真4: クロスオーバー調整画面

ローカット設定

まずはフロントスピーカーの「ローカット」を行おう。「ローカット」とは文字通り、下の帯域を出さないようにする作業だ。

この機能は、純正スピーカーには特に有効。低い帯域の音までクリアに鳴らせるスピーカーは、高級モデルを探してもなかなか見つからない。ましてや純正スピーカーにそれを望むべくもない。さらには、低い帯域まで鳴らすことによって、鉄板や内張りの共振も起きやすくなる。であるならミッドウーファーに低い信号を送り込まないほうが得策なのだ。

設定の手順はこうだ。運転席が右なら、左のミッドウーファーだけを鳴らして行う。左のミッドのほうが自分に正対しているので直接音を聴き取れるのでわかりやすい。

今、画面上の白い□の中で「-12dB」と表示されているが、これが「スロープ」。「60.0Hz」と書かれているのが「カットオフ周波数」。『この周波数から下の音を、オクターブごと「-12dB」ずつ減衰させますよ』という設定を入力した状態だ。

この値は1つの参考例。自分のクルマではどうなのか、音を聴きながら、ビビリ音や濁った低音が聴こえなくなるように、それでいてもっとも音楽が気持ちよく聴こえるように「カットオフ周波数」と「スロープ」の値をいじってみよう。

「ローカット」の調整は、比較的簡単な調整項目。違いも分かりやすいはずだ。そして効果も大。ぜひとも挑戦してほしい。


クロスオーバー設定

写真5: クロスオーバー設定

マルチウェイタイムアライメントの“クロスオーバー設定”

次は、「マルチウェイタイムアライメント」を操作する前の準備的な設定を行う。これがこの“クロスオーバー設定”だ。

ところで、通常のタイムアライメントでは、信号を帯域分割した後、chごとに遅延をかける。しかし『DIATONE SOUND.NAVI』に搭載されている「マルチウェイタイムアライメント」では、実際のクロスオーバーで帯域分割をする前に、信号そのものに遅延をかけるという仕組みになる。

つまり、通常のクロスオーバーとは別に「タイムアライメントのためだけの」クロスオーバー設定が必要になる。

通常のクロスオーバー設定には、「スロープ」という概念が存在するが、ここには「スロープ」という概念は存在せず、『上か、下か、スパッと分割するポイントを決める』という作業になる。

ところで、純正の2ウェイは、ドアのミッドウーファーはフルレンジで鳴っている場合がほとんど。つまり、ツイーターとミッドウーファーは、厳密には「帯域分割」が行われてはいない。

それを、厳密に2ウェイの帯域分割が行われているかのように『仮想』して、タイムアライメントをかけていこうとすることになる。言ってしまえば、『実際は厳密な帯域分割が行われていないのだから、「マルチウェイタイムアライメント」の分割ポイントは、どこで設定してもいい』。

ただ、ツイーターの前にはコンデンサーが仕込まれていて、ツイーターにはローカットされた信号が送られている。そうしないとツイーターが壊れてしまうからだ。なので『仮想』とはいえ、ツイーターが受け持っている範囲と同じあたりでクロスオーバー(信号分割)させるのがベターだ。

というわけで、ツイーターがどのあたりでローカットされているかを探る必要がある。それをするためにまず、右のツイーター以外をすべてミュートし、クロスオーバーのポイントを徐々に下げていってみよう。下げていくごとに、段々と下の音が聴こえてくる。ところが、数値を下げても、聴こえる音が変化しなくなるポイントが現れる。この、「音が変化しなくなる境目」が、まさにローカットされているクロスポイントなのだ。

ここで1つ、土屋さん直伝の(って、ここで紹介しているすべてが土屋さん直伝です!)スペシャルテクニックをご紹介しよう。ローカットのポイントが仮に1.5kHzだと見極められたとしよう。しかし、それよりちょっと上の音が歪みっぽかったりした場合。

これはどのような現象かと言うと…。

ローカットのクロスポイントは1.5kHzだったとしても、そのツイーターは、そこまでの音を出すことは苦手としている、ということを意味する。つまり、ツイーターの能力以上のことをさせてしまっている、という状況なのである。

であるならば、タイムアライメントをかけるクロスポイントは、実際ツイーターが得意としている範囲までにしてやる。それが2kHzならば、タイムアライメントのクロスポイントは2kHzに設定する。

こうしても、最終的に音を鳴らした時にはツイーターから1.5kHzの音も出てくるのだが(歪みは消えていないのだが)、タイムアライメントをかけたことによって、1.5kHzの音は、ミッドウーファーから聴こえてきていると耳は感じる。つまり、ツイーターからも発生されているはずの1.5kHzの音が目立たなくなる、のである。

いかがだろう…。いきなり難しい話になってしまっているとは思う。スピーカーが純正でも、『DIATONE SOUND.NAVI』はハイエンドユニット。なので、ハイエンドな調整テクニックが発揮できるのだ。そしてこの事実が、『純正スピーカーなのに音がいい』という結果を生むのである。

純正スピーカーであっても、この「マルチウェイタイムアライメント」の設定の塩梅1つで、相当に音をコントロールできる、というわけなのだ。

さて次回は、「マルチウェイタイムアライメント」の設定方法の解説に入って行く。お楽しみに!


特別コラム:『DIATONE SOUND.NAVI』を薦める理由!


第1回/PIT TWO

全国のプロショップに、『DIATONE SOUND.NAVI』の良さについてお訊きしていく連載コラムがスタート♪ 第一回目の今回は、北海道の実力店、PIT TWOの佐藤さんにご登場いただいた。

「いい音にしたいけれど、カーナビもほしい、という方が『DIATONE SOUND.NAVI』を選ばれますね。カーナビと本格カーオーディオを両得できるのが『DIATONE SOUND.NAVI』の最大のメリットですから。

この製品はまさに、これからカーオーディオを始める人にとって、最適な製品です。これを使えば、純正スピーカーのままでもハイエンド方向のサウンドが楽しめます。さらに、システムを発展させていっても、その都度満足度高く楽しむことができます。もちろん、ハイエンドシステムにも十二分に対応します。どこまで進化させるかは人それぞれですが、どこまでいっても後悔なく楽しめるというのは大きな利点ですよね。

ご興味があれば、まず1度、この音を体験しに来ていただきたいですよね。聴くだけでも価値がありますよ(笑)」

北海道にお住まいで、これからカーオーディオを始めてみたいと思っているアナタ! PIT TWOに急ごう♪

《太田祥三》

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