【DIATONE】DS-G50、その魅力を探る #1: デモカー試聴 | Push on! Mycar-life

【DIATONE】DS-G50、その魅力を探る #1: デモカー試聴

デモカー試聴 小林貢編

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DIATONE】DS-G50、その魅力を探る

デモカー試聴 小林貢編

昨年末に発表されカーオーディオ界で大きな話題となったダイヤトーンの16cm口径セパレート型2ウェイ機「DS-G50」の音をやっと聴くことができた。


DIATONE『DS-G50』その魅力を探る #1: デモカー試聴

搭載されていたのは以前からDS-SA1 & SA3のデモカーとして活躍してきたBMW 3シリーズだ。そのためAピラー基部にはSA1のトゥイーターが残され、G50の高域ユニットはSA3のバッフル & キャビティを利用していたが本機専用のインストールを施したなら、小型化されたトゥイーターは存在を主張することなく、インテリアに自然にフィットさせることができるだろう。このデモカーで聴けたのはフロント2ウェイのみのシンプルな構成ながら両エンドがスムーズに伸び、帯域内に色づけを感じさせることのないナチュラルな質感のサウンドであった。これは理想に近付いた新開発の振動板素材の効果といえるだろう。中高域に駆動アンプのキャラクターと思える軽微な張りが感じられたが全体としては素直な音調が得られているのが好ましい。また、サブウーファーなしで超低域までのレスポンスを確保している点も特筆に値する。それは振動系質量を高めて無理に低域を伸ばしたウーファーのようにブーミングを強めて量感を付加した不自然な低音とは異なり、アコースティックベースの最低音付近の深みのある響きや微かな胴鳴りをクリアーに引き出し音程も正確に再現するなど質の高さが感じられる。また微弱なタッチのキックドラムも立ち上がりがスムーズで制動も聴いている。そして低音楽器をはじめヴォーカルやソロ楽器の音像を適度にタイトに描き、正確な音像定位が得られるのはフロント2ウェイで完結したことの大きなメリットといえるだろう。ヴォーカルの質感もナチュラルで瑞々しい表情で再現され、ディテールも明晰に描き出してくる。高音域もナーバスな響きを感じさせず、繊細さもあり余韻や残響成分の透明度も確保するなど高いCPを有するユニットということも確認できた。


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デモカー試聴 井上千岳編

スピーカーに限らないが、カーオーディオのコンポーネントは実装時にいっそうその特徴が発揮されるように思う。いい面も悪い面も強く出るということだが、大体はいい方に作用するようだ。


DIATONE『DS-G50』その魅力を探る #1: デモカー試聴

DS-G50は上級機とはまた違ったコンセプトで設計されている。特に振動板素材を一から開発し、同一素材で統一していることがひとつの特徴だ。それは高速伝搬と強度の双方を備えた特性を持ち、樹脂系振動板としては最高度の高域レスポンスを実現する。またウーファーに高い制動を与え、必要な量感はイコライザーで補うことを前提としているのも興味深い。車室内では低域が自然に増強される傾向があり、これをデッドニングやイコライザーで抑えるよりも、あらかじめ制動をかけておいた方が補正したときのレスポンスが俊敏になる。この2点が、これまでにないカーオーディオスピーカーの設計といえる。

さてデモカーはこれまでDS-SA1/SA3を搭載していたBMWだが、SA3を外してそこに本機をインストールした形である。

試聴室で聴いたのよりも、やはり特徴がよく出ているように思う。低域はイコライザーで増幅しているわけではないが、これで十分に感じられた。量感に不足がなく、ジャズのドラムやベース、オーケストラの低音弦や打楽器などがくっきりとした輪郭が把握され、スピードが速く音程も深く沈む。またトィーターはやや近い感触だが、アカペラのハーモニーやピアノのタッチなどを歪みなく描き出し、オーケストラのトゥッティでも混濁することがない。

なによりも強く感じたのは全体的な音色の一体感で、これだけ繋がりがよければ調整も楽に行えるのではないかと思われる。音色といったが実際には極めてニュートラルで色がなく、誇張やクセが感じられない。

アンプの個性がいっそう確かに感じ取れるのも面白い現象だ。それだけ反応が速く素直だということで、いよいよ素性のよさを実感するのである。

《編集部》

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