「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーは多くいる。そんなミュージック・ラバーズに向けて、今回からスタートする当連載では、「クルマの中で音楽は何で聴くか」について考察し、その最新情報を多角的に紹介していく。
◆当初は「ラジオ」だけが音楽ソースだが、しかし「8トラ」と「カセット」が登場して…
初回となる当回では、車載用音楽プレーヤーの変遷を振り返る。
ちなみに最も古くは、クルマの中での音楽ソースは「ラジオ」だけだった。その頃、家庭では「レコード」が聴かれていたが、クルマでそれを再生するのは不可能だった。となると、クルマではラジオだけしか聴けなかった。
しかし、その後「8トラ」が登場し、クルマでもこれにて音楽が聴かれるようになる。これは「カセットテープ」の大型版で、カラオケで使われることも多かったメディアだが、クルマの中でも1970年代頃に一時期使われていた。ちなみに、なぜ8トラと呼ばれていたかというと、これでは1曲あたり左右のチャンネル(ch)分で2トラックが使われて計4曲(計8トラック)を収録できるようになっていたからだ。
ただし、8トラは長くは使われなかった。これはカセットテープが登場したからだ。
こうして、70年代から80年代にかけては、クルマの中では音楽はラジオまたはカセットテープで楽しまれるようになり、カーステレオがブームとなった。
◆「CD」が普及しても、車内では長らく「カセットデッキ」が活躍し続けた
なお、80年代には世の中に「CD」が登場し、90年代になるとクルマでもこれにて音楽が聴かれることが多くなった。しかし、クルマの中では案外長くカセットテープが使われ続けた。というのも、クルマは長く乗り続けられることも多く、また、中古車が買われることも多い。その場合、最初に付いていた「カセットデッキ」がそのまま長く使われ続けることになりがちだったのだ。
なので、家ではCDを聴いていながらも、クルマの中ではカセットテープで音楽を聴くというドライバーも多くいた。または、「ポータブルCDプレーヤー」が車内に持ち込まれ、カセットテープ型のアダプターをカセットデッキに挿入し、それとポータブルCDプレーヤーとを繋いでCDを聴いたり、「FMトランスミッター」が登場し、ポータブルCDプレーヤーの音楽信号をFM電波で飛ばして聴いたりもした。
しかし、90年代の後半には、「CDレシーバー」タイプの「メインユニット」が相当に普及した。
◆2000年代には「AV一体型ナビ」の普及が進み、「CDレシーバー」も次第に駆逐され…
なお、2000年代以降には、新たな潮流が生まれる。GPSカーナビが1990年に誕生し、90年代の半ばには「カーナビ」とメインユニットとが合体した「AV一体型ナビ」が登場し、2000年代に入る頃には、これの浸透スピードが加速した。
ちなみに、AV一体型ナビは登場当初はかなり高額だったが、2000年代に入ると次第に価格が下がり、2000年代の半ばには、CDレシーバーよりもむしろこちらがスタンダードな存在となった。
そうなると、クルマの中でも「DVD」が再生される頻度も高まっていく。AV一体型ナビはモニターを備えているため、音楽だけでなく映像コンテンツも楽しまれるようになる。
ところで、カセットテープに変わるものとして「MD」も登場し、クルマの中でもこれを聴ける「CD/MDレシーバー」が使われ始めたが、MDは早々に廃れた。その要因となったのは、ズバリ、「iPod」の登場だ。
今回はここまでとさせていただく。次回はこの続編をお届けする。お楽しみに。



