カースピーカーには“タイプ違い”がある!?[初めてのスピーカー交換・完全ガイド]第4回 | Push on! Mycar-life

カースピーカーには“タイプ違い”がある!?[初めてのスピーカー交換・完全ガイド]第4回

「スピーカー交換」は、カーオーディオシステムの音を良くしたいと思ったときのもっともスタンダードな選択肢だ。当特集ではこれを間違いなく行うための参考となる情報を、多角的に発信している。今回は、カースピーカーには「タイプ違い」があることについて説明していく。

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「セパレート2ウェイスピーカー」の一例(フォーカル・ES 165 KX2)。
  • 「セパレート2ウェイスピーカー」の一例(フォーカル・ES 165 KX2)。
  • 「コアキシャル2ウェイスピーカー」の一例(フォーカル・PC 165 FE)。
  • 「セパレート2ウェイスピーカー」の一例(フォーカル・ES 130 K)。

「スピーカー交換」は、カーオーディオシステムの音を良くしたいと思ったときのもっともスタンダードな選択肢だ。当特集ではこれを間違いなく行うための参考となる情報を、多角的に発信している。今回は、カースピーカーには「タイプ違い」があることについて説明していく。

◆市販カースピーカーはほぼすべてが「マルチウェイスピーカー」!?

前回から「スピーカーの選び方」の解説を開始し、まずは「愛車に取り付けられるかどうか」を見分けることが肝要だと説いた。で、その次にすべきことは、「タイプ選定」だ。

ところでカースピーカーはほぼすべてが、「マルチウェイスピーカー」だ。ちなみにこれの対義語は「フルレンジスピーカー」だ。

それぞれがどういうものなのかを説明していこう。まず「フルレンジスピーカー」とは、1つのスピーカーユニットだけで低音から高音までを再生しようとするものだ。なおこれは、スピーカーの理想形とされている。「フルレンジスピーカー」では音の出どころが左右で1か所ずつとなり、状況がシンプル化されるからだ。しかし実のところは、1つのスピーカーユニットだけで全帯域の音をスムーズに鳴らし切るのは難しい。なので市販カースピーカーでは、「フルレンジスピーカー」はほとんど存在していない。

◆「マルチウェイスピーカー」の方が、よりスムーズに全帯域の音を鳴らせる!?

対して「マルチウェイスピーカー」は、複数のスピーカーユニットにて全帯域の音を再生する。例えば「2ウェイスピーカー」では、高音再生用のスピーカーである「ツイーター」と中低音再生用の「ミッドウーファー」の2種類のユニットが、左右で1つずつ用意される。

というのもスピーカーは、口径が小さくなるほど高音再生を得意とし、大きくなるほど低音再生を得意とする。ゆえに「マルチウェイスピーカー」では口径の異なるスピーカーユニットが用意され役割分担をさせて音楽を再生する。結果、よりスムーズに(高音質に)音楽を奏でられる。

で、その利点が重んじられてカー用スピーカーほぼすべてが「マルチウェイスピーカー」となっている。

なお、「マルチウェイスピーカー」にも「タイプ違い」が2つある。1つが「コアキシャルスピーカー」で、もう1つが「セパレートスピーカー」だ。

それぞれがどういうものなのかを説明していこう。まず「コアキシャルスピーカー」とは、中低音を再生する「ミッドウーファー」のセンターに高音を再生する「ツイーター」が取り付けられている。ちなみに“コアキシャル”とは“同軸”という意味だ。で、これは見かけ上、スピーカーユニットは1つだけなので(一体化しているので)、「フルレンジスピーカー」とも呼ばれている。

一方「セパレートスピーカー」は、「ツイーター」と「ミッドウーファー」が別体化されている。

◆音がまとまりやすいのは「コアキシャル」、音場が目の前で展開しやすいは「セパレート」

ところでそれぞれには利点と不利点がある。まず「コアキシャルスピーカー」は、取り付け性が高いことと音のまとまりが良いことがメリットだ。スピーカーユニットは見かけ上左右で1つずつなので、インストールしやすい。そして音の出どころが左右で1か所ずつとなるのでサウンドの一体感を出しやすい。しかし、低音から高音までが足元から発せられることとなるので、サウンドステージが低い位置で展開されがちだ。これが不利点だ。

対して「セパレートスピーカー」は、「コアキシャルスピーカー」と比べると取り付けがしにくい。ユニットの数が増える分、装着に手間がかかる。しかし、「ツイーター」を高い位置に取り付けられることが大きな利点を発揮する。

というのも高音は音の出どころが分かりやすい。対して低音は出どころが分かりにくい。で、ツイーターを高い位置に取り付けると、出どころが分かりやすい高音が発せられているツイーターからすべての音が鳴らされているかのように感じ取れる。結果、サウンドステージが目の前で展開しやすくなるのだ。

かくして「コアキシャルスピーカー」と「セパレートスピーカー」にはそれぞれ利点があるので、それらを天秤にかけてどちらにするかを選択しよう。ただし、製品の種類が多いのは「セパレートスピーカー」の方だ。多くの機種の中から選びたいと思うなら、「セパレートスピーカー」に狙いを絞ろう。

今回は以上だ。次回もスピーカーの選び方に関する説明を続行する。乞うご期待。

[初めてのスピーカー交換]カースピーカーには“タイプ違い”がある!

《太田祥三》

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