プロは、スピーカーの性能を引き出す“ワザ”を持っている!? 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part4「サウンドチューニング」編 その1 | Push on! Mycar-life

プロは、スピーカーの性能を引き出す“ワザ”を持っている!? 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part4「サウンドチューニング」編 その1

当連載では、「カーオーディオ・プロショップ」という“音のプロ”がいることを、そして彼らがカーライフを快適に送ろうとするときに頼りになることを、多角的に解説している。今回からは、「サウンドチューニング」に関する事柄について説明していく。

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「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。
  • 「クロスオーバー」の設定画面の一例(フォーカル・FSP-8)。
  • 「クロスオーバー」の設定画面の一例(ロックフォード フォズゲート・パーフェクトチューン)。
  • 「クロスオーバー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。
  • 「クロスオーバー」の設定画面の一例(クラリオン・フルデジタルサウンド)。

当連載では、「カーオーディオ・プロショップ」という“音のプロ”がいることを、そして彼らがカーライフを快適に送ろうとするときに頼りになることを、多角的に解説している。今回からは、「サウンドチューニング」に関する事柄について説明していく。

「サウンドチューニング機能」はますます進化し、操作の難易度も一層高度化…。

クルマの中でより良い音を楽しみたいと思ったときには、「サウンドチューニング機能」が力を放つ。ちなみにホームオーディオでステレオ音源を楽しもうとするときには、こと細かく「サウンドチューニング」が成されることはあまりない。なぜならば、その必要性が低いからだ。逆にカーオーディオでは、「サウンドチューニング機能」を使うべき理由がさまざまある。

なお「サウンドチューニング機能」は時代とともに進化し、各機能の一層の高性能化が果たされている。結果、一般ユーザーはこれを、ますます使いこなしづらくなっている。対して「カーオーディオ・プロショップ」のインストーラーたちは、自らの「サウンドチューニングテクニック」をアップデートし続けている。なので「サウンドチューニング機能」のオペレーションにおいても、プロは頼れる。

さて、現代カーオーディオにて使われる「サウンドチューニング」用のアイテムには、主には以下のような3つの機能が搭載されている。「クロスオーバー」、「イコライザー」「タイムアライメント」、この3つだ。で、今回から数回にわたってはその1つ1つの内容を詳しく説明しながら、「サウンドチューニング」におけるプロの凄さを明らかにしていこうと思う。

今回は、「クロスオーバー」について説明していく。まず、「クロスオーバー」とはどのような機能なのかと言うと…。ひと言で言うなら以下のとおりだ。当機能はズバリ、「音楽信号の帯域分割を行う機能」だ。

「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。「クロスオーバー機能」が搭載されたプロセッサーを導入しているオーディオカーの一例(製作ショップ:ピットハウスコスギ<香川県>)。

「セパレートスピーカー」を使う際には必ず、何らかの「クロスオーバー装置」が必要に…。

続いてはこのような機能が必要となる理由を説明していこう。

カーオーディオでは、「セパレートスピーカー」が使われることが多い。例えば「セパレート2ウェイスピーカー」があり、これはつまり高音再生を「ツイーター」に担わせて中低音再生を「ミッドウーファー」に担当させるというものだ。ちなみに実は、1つのスピーカーユニットだけで高音から低音までを鳴らし切れれば、それがベストだ。そうすれば音の出どころが左右のスピーカーともそれぞれ1箇所になるので、状況をシンプル化できステレオ感を再現しやすくなる。

しかし、そのようなスピーカーを作るのは難しい。なぜならスピーカーは普通、振動板の口径が小さくなるほど低音再生が苦手になり口径が大きくなるほど高音再生が不得意になる。ゆえに口径の異なるスピーカーユニットが用意されることとなる。それぞれに得意な仕事だけを担わせた方が、より良い結果が得られやすくなるからだ。

というわけで口径の異なるスピーカーユニットにて音楽再生をしようとするときには、何らかの「クロスオーバー機能」を有する装置が必要になる。なのでスピーカーには普通、そのようなパーツが付属している。で、そのパーツのことは「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」と呼ばれている。

なおスピーカーメーカーは、音楽信号の帯域分割のさせ方までも含めてスピーカーを設計している。つまりそのツイーターとミッドウーファーにとってのベストな帯域分割を行える「パッシブ」を作り、それを同梱している。

ところが…。カーオーディオでは、メーカーが設計した「パッシブ」の「クロスオーバー値」が必ずしもベストとは限らない。ベストな値は実は、都度変化する。

「クロスオーバー」の設定画面の一例(フォーカル・FSP-8)。「クロスオーバー」の設定画面の一例(フォーカル・FSP-8)。

取り付け方で最適な「クロスオーバー値」が変化!?

そのようなことが起こる理由は以下のとおりだ。「取り付け方がクルマごとで(ユーザーごとで)異なるから」だ。

ちなみにホーム用のスピーカーも「セパレートタイプ」である場合が多く、そういった製品ではボックスの中に「パッシブ」が仕込まれている。それにてそのスピーカーにとっての最適な帯域分割が行われる。で、その設定をユーザーが変える必要はない。なぜならスピーカーは完成されているからだ。ツイーターとミッドウーファーの位置関係やボックス内の容量等が使用状況によって変わりはしない。ゆえに「パッシブ」の設定値も変える必要性が生じない。

一方カーオーディオでは、ツイーターとミッドウーファーの取り付け位置は取り付けるクルマによって(ユーザーごとの好みによって)変化するので、ツイーターとミッドウーファーとの位置関係も都度変わる。またドア内部のデッドニングの仕方も変わり、さらにはツイーターの向きや固定方法も変わってくる。つまり取り付けに方に応じて鳴らされるコンディションが変容するので、帯域分割のさせ方も状況に応じて最適な値を探る必要性が生じてしまう。

かくして「クロスオーバー機能」がシステムに必要となる。これを用いれば、取り付け状況に応じた最適な「クロスオーバー値」に設定できる。

ただし、その操作はかなり難しい。設定においては可変できる項目がいくつかあり、それらの組み合わせ方もさまざまある。豊富な経験と技術がないと、それら各項目の最適値を見つけ出せない。

「カーオーディオ・プロショップ」は、その経験と技術を持っている。結果、取り付けるスピーカーの性能を最大限引き出せるのだ。

今回は以上だ。次回も「カーオーディオ・プロショップ」が「サウンドチューニング」を的確に行えることについての説明を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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