プロなら、低音の“聴こえ方”を自在に制御できる!? 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part2「低音強化」編 その3 | Push on! Mycar-life

プロなら、低音の“聴こえ方”を自在に制御できる!? 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part2「低音強化」編 その3

「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーは多いはずだ。その音楽をより良い音で楽しみたいと思ったら、「カーオーディオ・プロショップ」の力を借りよう。当連載では、そうすべきである理由を1つずつ解説している。

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「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
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  • 「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:カーオーディオクラブ<大阪府>)。
  • 「ユニットサブウーファー」の一例(フォーカル・P 25 FE)。
  • 「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
  • 「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。
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「ドライブと音楽はセット」、そう考えているドライバーは多いはずだ。その音楽をより良い音で楽しみたいと思ったら、「カーオーディオ・プロショップ」の力を借りよう。当連載では、そうすべきである理由を1つずつ解説している。

「サブウーファー」を適切に鳴らすには、まずは「ゲイン」調整が重要!

現在は「低音強化」をテーマに話を進めていて、これまでは「パワードサブウーファー」の導入と「サブウーファーボックス」の製作において、どうプロが頼りになるのかを説明してきた。それに引き続いて今回は、プロなら「低音のコントロール」を自在に行えることについて解説していく。

さて、「低音強化」を図ろうとして「サブウーファー」を導入しても、サウンドの制御が上手くいかないと効果が半減する。しかしプロに仕事を任せれば、この点においても安心だ。

なお、低音を適切にコントロールするにはポイントが大きく2つある。順を追って説明していこう。まず1つ目のポイントは、「ゲイン調整を適切に行うこと」だ。「ゲイン」とは、サブウーファーを鳴らすためのパワーアンプの「入力ボリューム」のことを指す。それを適切に設定できないと、良質な低音を再生できない。

例えば「ゲイン」が大き過ぎると、使っているのが「パワードサブウーファー」だった場合にはそのリモコンで音量を上げたときに低音が歪んでしまう。最悪のケースでは、リモコンのボリュームを絞っているときにも低音が歪んでしまう。逆に「ゲイン」が小さ過ぎると、低音がしっかり鳴ってくれない。

このようなことが起こらないように、「ゲイン」調整はシビアに行うべきだ。なお「パワードサブウーファー」の中には一部「ゲイン」調整を細かく行えないモデルもあるが、それでも「入力感度」の調整スイッチが付いているはずなので、その選択は適切に行いたい。そして緻密に「ゲイン」調整を行えるモデルでは、その設定はなおさら丁寧に実行すべきだ。それが、良好な低音コントロールの第一歩となるのだ。

「ユニットサブウーファー」の一例(フォーカル・P 25 FE)。「ユニットサブウーファー」の一例(フォーカル・P 25 FE)。

「ゲイン」を適切に設定する、大体のやり方とは…。

ちなみにプロは測定器を使って「ゲイン」設定を行ったりもするのだが、ここでは自分で「ゲイン」設定を行いたい人に向けてざっくりとしたやり方を紹介していく。

まずは、メインユニットの音量を普段聴いているくらいの大きさに設定する。その状態で「ゲイン」をミニマムにしておき、リモコンが付いている場合にはそのボリュームを、もしくは「サブウーファー」ボリュームを調整できるシステムではそれをマックスにしておく。そしてそこから「ゲイン」を徐々に上げていく。そうするとどこかのポイントを境に低音が歪み始める。そうなったら「ゲイン」は上げ過ぎだ。その歪み始める手前が、「ゲイン」のベストな値だ。そこに設定しておけば、リモンコンのボリュームを最大に上げた場合でも低音は歪まない。

次いで、低音を適切にコントロールするための2つ目のポイントを説明していこう。それは、「サブウーファーから放たれる低音を目の前から聴こえてくるようにすること」だ。

ちなみにこのような聴こえ方のことは、「低音の前方定位」と呼ばれている。なおパワフルに低音を鳴らすという楽しみ方もあり、それを実践する場合にはまた違った聴こえ方に設定すべきなのだが、高音から低音までをバランス良く聴きたいと思う場合には低音も目の前から聴こえてきた方がステレオ再生的に自然だ。で、プロは、「サブウーファー」をトランクに搭載していたとしても、そのサウンドを目の前から聴こえてくるように設定できる。

なぜにそのようなことができるのかというと…。その概要は次のとおりだ。まず音は、音程が高くなるほど真っ直ぐに進もうとする性質が強くなる。逆に音程が低くなるほど障害物を回り込んで進もうとする性質が強くなる。で、真っ直ぐに進もうとする性質が強い音ほど音の出どころが分かりやすい。逆に回り込む性質が強い音は音の出どころが分かりにくい。

「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。「サブウーファー」を搭載したオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。

プロなら使えるサウンドチューニング機能を駆使して、「低音の前方定位」を実現!

で、「低音の前方定位」を実現するためには1つの重要なポイントがある。それは、フロントスピーカーの音と「サブウーファー」の音を上手く繋げること(一体化させること)だ。それが成されると「サブウーファー」から放たれる音は出どころが分かりにくいので、フロントスピーカーから放たれる音と一緒にフロントスピーカーから聴こえてきていると錯覚する。これが「低音の前方定位」のメカニズムだ。

なお「サブウーファー」の低音とフロントスピーカーの音とを上手く繋げるためには、システムにある程度のサウンドチューニング機能が備わっている方が良い。ゆえに、ハイエンドメインユニットを使っている場合や、外付けの「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」をシステムに組み込んである場合には、「低音の前方定位」をさせやすい。

もしくは使用中のメインユニットに「サブウーファー出力」という機能が備わっていれば、「低音の前方定位」を実現させやすくなる。というのも「サブウーファー出力」が装備されていると、フロントスピーカーと「サブウーファー」間の「クロスオーバー」設定が可能となるので、フロントスピーカーの音と「サブウーファー」のサウンドとを一体化させやすくなる。

ただし、それらの機能を使いこなすには技術と経験が必要だ。その点プロは、「クロスオーバー」機能やさらにはその他の機能(使える場合)の扱い方を熟知している。結果、「低音の前方定位」を実現できる。また「サブウーファー出力」が備わっていない場合でも、使える機能を総動員して少しでも「前方定位」の状態に近づけてくれる。

今回は以上だ。次回も「カーオーディオ・プロショップ」のバリュー解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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