溝がアレばOKではない!本当のタイヤの寿命とは?~カスタムHOW TO~ | Push on! Mycar-life

溝がアレばOKではない!本当のタイヤの寿命とは?~カスタムHOW TO~

タイヤはスリップサインが出るまで使えるとされていて消費期限はなし。でも「なるはや」で使ってね!という曖昧な基準だからこそ、溝の残ったガチガチのタイヤで走る危険な人もいる。タイヤはいつまで使えるのか。

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タイヤはスリップサインが出るまで使えるとされていて消費期限はなし。でも「なるはや」で使ってね!という曖昧な基準だからこそ、溝の残ったガチガチのタイヤで走る危険な人もいる。タイヤはいつまで使えるのか。

タイヤはゴムで出来ている。正確には最近のタイヤはゴムと言うより、プラスティックで出来ているわけだが、どちらにせよ新品時がもっとも柔らかく、性能が高い。そこから性能は落ちていく一方である。

溝は減るほどにグリップ力も落ちていく。同時に排水性が悪くなっていくので雨に弱くなる。路面に水膜が貼っている状況でタイヤが浮いてしまうハイドロプレーン減少が顕著に起きやすくなる。なので、スリップサインが繋がったらタイヤは交換時期である。

しかし、タイヤの残り溝とゴムの劣化はまた別の問題である。タイヤは時間と熱でどんどん硬くなっていく。溝が減っていなくても時間が経てば徐々に劣化は進む。しかも、そこに熱が加わると劣化は早くなる。夏場の高速道路の連続走行ではタイヤは触れないほど熱を持つ。そうなると内部の油が表面に出てきて、タイヤからは徐々に油が抜けて硬くなっていく。それが繰り返されると、溝がそれほど減っていなくても硬いゴムのタイヤが出来上がってしまうのである。

「自分はそんなに飛ばさないから~」という人も多いが、本当に硬くなったタイヤの危うさはそういう問題ではないレベル。ちょっと雨の降った交差点で思わず滑ったとか、停止位置に向けて普通に止まろうと思って通り過ぎたというような、冗談のようなことが本当に起きてしまうのである。

レースの世界では、熱を入れることでタイヤが硬くなる特性を逆手に取ることもある。レース前に事前に一度走行して熱をしっかりと入れる。それからレースまで数日寝かせておくことで、油がやや抜けてタイヤは少し硬くなる。硬くなったタイヤは少しグリップは落ちるが減りにくくなるので、耐久レースで長く走りたいときには新品から使うよりもタイヤの持ちが良くなるのだ。

これと同じように何度も熱を入れて冷ましてを繰り返したタイヤは溝が減っていなくても、どんどん硬くなるということなのだ。

そもそもタイヤは変形して、それを戻そうとする力で曲がっている。ゴムが戻ろうとする力が曲がろうとする力なのだ。硬くなったタイヤは戻ろうとする力が弱くなっているので滑りやすい。そこにゴムが薄くなっていたら、戻ろうとするゴムがそもそも少ないのでまた滑りやすい。

製造から5年経ったら基本的には交換したい

タイヤの製造年月の見方は、サイドウォールにある楕円形のマークの中の数字でわかる。「0720」なら2020年7週目(2月後半)製造ということ。保管状態や使い方にもよるが、基本的には5年経過したら溝の有無に関わらず交換してもらいたい。

年月を経過すると、ゴムには徐々にヒビが入ってくる、これは劣化の証拠でヒビ割れていたらすぐに交換したいレベル。もったいないと思うかもしれないが、路面と接している唯一の場所であるタイヤが劣化したら、どんな高級なサスペンションでもホイールでも、プロドライバーでもどうにもならない。

パンク修理はきちんとしていれば問題ない

パンク修理したタイヤはそのまま使ってもいいかという疑問を聞くことも多い。しっかりとプロが修理したものであれば、そうそう問題は起きないので、そのまま走っても大丈夫。パンク修理剤を注入した場合は、応急処置なので速やかにタイヤ交換か、プロによるパンク修理が必要だ。

パンク修理セットで見様見真似で修理した場合は、きちんと直っているか怪しい。

とくにクルマに詳しくない人ではトレッド面ではなく、サイドウォールをパンク修理しようとすることもある。サイドウォールは構造体としてのスチールワイヤーなどが入っていて、プロでもパンク修理は不可。タイヤを外して裏側から修理パッチを貼るタイプでも修理は不可。

わずかに空気が抜けていて知らなうちにまたぺちゃんこになり、高速道路でパンクからのバーストを起こしたら、そのまま大スピンを喫する可能性もある。きちんと修理されていなければ、多少の出費にはなるが大事故に直結するだけに思い切ってタイヤごと交換してもらいたい。

《加茂 新》

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