意外と知らない温度管理の重要性。適温と低いほうが良いもの~カスタムHOW TO~ | Push on! Mycar-life

意外と知らない温度管理の重要性。適温と低いほうが良いもの~カスタムHOW TO~

水温、油温は適温に限る!!冷やせばいいわけではない理由

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水温、油温は適温に限る!!
冷やせばいいわけではない理由

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水温が高いので下げたい、油温を下げたいという意見は多いが、それが本当にエンジンに優しい行為なのか。じつはエンジンは温度が低いほうが良いのではなく、ある程度高い温度で安定している方がいいのである。

ここ20年で変わったクルマの常識のひとつに水温と油温がある。これまでチューニング好きやクルマ好きの間では、温度上昇を抑えることがダメージを防ぐことと認識されていた。しかし、現代車は異なる。

具体的に言うと、たとえばシルビアやスカイラインGT-Rでは適正水温は80~85度。100度は見てはいけない数字だった。しかし、現代のクルマは適正温度が95~100度くらい。110度程度までは上がるが問題ない。これはそもそも高い水温で燃焼室の温度を高めて、理想的な燃焼をさせる設計に変わったからである。

なので、現代車で良かれと思って水温を下げるべく、ラジエーターを変えたり、サーモスタットの開弁温度の低いものにして水温を80度くらいにしようものなら、エンジンはいつも低い水温を上げるための補正が入り、燃料が濃く、燃費が悪い状態になってしまう。エンジン自体も設計されていない温度なので、決して良いことは起きない。

エンジンオイル油温も同様で「高速道路で110度超えるのでオイルクーラーを付けたい」という人もいるが、現代車ではそれは適正温度。ひと昔前は油温は水温より+10度で、90~95度が理想。などと言われていたが、これも現代では低すぎる。120度程度まではまったく問題なし。エンジンとしては130度でも問題なし。しかし、120度以上になるとオイルの劣化が進むと言われているので、もしサーキット走行などで130度近くまで温度が上がったら、早めにオイル交換をしたほうがいい。

むしろ追加オイルクーラーが機能しすぎて、油温が80度にも達しないくらいなら低すぎるので対策を施すべき。オイルクーラーにガムテープを貼る、ダンボールを貼るとか、オイルラインにサーモスタットを追加でもいいので、90度程度まで油温が上がるようにしたほうがいい。オイルとしても現在のモデルは100度前後で設計された性能が発揮するようになっており、低い温度の方が良いということもないのだ。

また、あまりオイルの温度が低いと、冬場などエンジン内部の結露がオイルに混ざり、乳化してカフェラテみたいになってしまうことがある。そうなるとオイルは交換が必須。乗るたびに100度近くまで油温が上昇すればオイル内の水分が毎回揮発するので、乳化しにくくなるのだ。

低ければ低いほうが良いのは吸気温度だけ!!

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とにかく、なにがなんでも低いほうが良いのは吸気温度。エンジン吸い込まれる空気の温度だ。空気は温度が低いほど密度が高まるので、同じ体積でも含まれる酸素が増える。吸気温度が下がれば、エンジンに吸い込まれる酸素の量が増え、爆発力がアップするのでパワーが出せる。パワーが出れば加速も良くなるが、アクセルを踏む量も減るので燃費向上にも効果的である。

ではどうやって吸気温度を下げれば良いのか。ターボ車ならインタークーラーをアフター品の高効率で大型のものにすればてきめんに効果が現れる。

NA車はちょっと手間が必要。社外のエアクリーナーボックスへの導風ダクトを装着なども効果的だし、開口部の広いバンパーにするなども効果がある。純正のエアクリーナーボックスに遮熱シートを貼るような細かい作業も効果がないとは言えない。最も効果が高いのは社外のエアクリーナーボックスにすること。しかし、気をつけたいのはムキ出しのキノコ型エアクリーナーだけを装着すると、むしろ吸気温度が上がることが多い。エンジンルームの熱気をダイレクトに吸い込んでしまうのだ。

たとえばHKSのコールドエアインテークのような、外部からの冷たい空気をダイレクトにオリジナルのエアクリーナーに導くようなシステムがもっとも効果的。もし、ムキ出しエアクリーナーを使用中なら、プロショップにて導風ダクトと遮熱板などを製作してもらうと吸気温度を一気に下げることも可能だ。

DIYでチャンレンジもありだが、エンジンルームの熱気によってプラダンなどは溶けてしまったり、固定が甘く外れたパーツがベルトに噛み込んでトラブルを起こすことなどもあるので、慎重にお願いしたいところだ。

《加茂 新》

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