プロなら、低音増強ユニットも確実にインストール可能! 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part2「低音強化」編 その1 | Push on! Mycar-life

プロなら、低音増強ユニットも確実にインストール可能! 「プロが頼りになるワケとは…?」 Part2「低音強化」編 その1

「カーオーディオ・プロショップ」と呼ばれる“音のプロ”がいることをご存知だろうか。そこに行けば、愛車のサウンドシステムのビルドアップが可能となる。当連載では、それがどのように成されるのかを、そして彼らのバリューを明らかにしている。

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「パワードサブウーファー」の取り付け例(ミューディメンション・Black Box X8)。
  • 「パワードサブウーファー」の取り付け例(ミューディメンション・Black Box X8)。
  • 「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。
  • 「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH500A)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WH500A)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・IBUS 20)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(DLS・ACW10)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX400DA)。

「カーオーディオ・プロショップ」と呼ばれる“音のプロ”がいることをご存知だろうか。そこに行けば、愛車のサウンドシステムのビルドアップが可能となる。当連載では、それがどのように成されるのかを、そして彼らのバリューを明らかにしている。

カーオーディオでは超低音再生が難しい!?

今回からは、「低音強化」をテーマに話を進めていこうと思う。カーオーディオでは実は、低音が不足しがちだ。ゆえに「低音強化」が実行されることが多い。

低音が不足しがちとなる理由は主には2つある。1つは「ドアに装着できるスピーカーは低音再生能力に限界があるから」だ。スピーカーは振動板の口径が大きいほど低音を鳴らしやすくなるのだが、ドアに取り付け可能なスピーカーのサイズは大きくても17cmクラスまでで、この大きさでは超低音と呼ばれる100Hz以下の音の再生が難しい。

そして2つ目の理由は、「ロードノイズに低音がマスキングされがちだから」だ。タイヤが路面を蹴ると騒音が発生する。これがロードノイズなのだが、これは主には低周波なので音楽の低音部分に覆い被さり低音を聴こえにくくする。

なのでカーオーディオでは、低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」が用いられることとなる。これを使えばドアのスピーカーが再生しきれない超低音の再生が可能となり、ロードノイズによってマスキングされる低音の補強が可能となるのだ。

で、「低音強化」の実践方法はいくつかあるのだが、その中でもっとも手頃なのが「パワードサブウーファー」の導入だ。これはサブウーファーユニット、パワーアンプ、サブウーファーボックスが一体化しているタイプの「低音強化」アイテムだ。このように超低音を鳴らすために必要なものがすべて揃っているので、これさえ車両に設置すれば簡単に「低音強化」を行える。車両側のパネル類を切ったり貼ったりする必要がなく、ボックスを作らなくても良い。ホームオーディオ製品をリスニングルームに設置するときと同じように、電源ケーブルと信号ケーブルの配線作業を行えば即、音が出せる。はずなのだが…。

「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。

電源配線も信号配線も、ひと筋縄では行かない場合がほとんど…。

実は、「パワードサブウーファー」の設置作業はホームオーディオ製品のようにはいかない。

まず、電源配線が簡単ではない。ホームオーディオ製品は、電源コードのプラグをコンセントに挿せば作業が終わるが、「パワードサブウーファー」の場合はどこかしらの配線を分岐させなければならない。そして、その分岐作業をどこで行うべきか、その見極めも簡単ではない。

さらには、場合によっては車両のメインバッテリーから直接電源を引き込む「バッ直」と呼ばれる配線方法を実行するべき場合もある。ちなみにいうと、車内のどこかしらから電源を取れば良いとされているモデルでも、「バッ直」を行った方がサウンドクオリティが上がる。なので可能であればどのような「パワードサブウーファー」でも「バッ直」した方が良いのだが、しかし当作業の難易度はさらに上がる。

エンジンルームから車室内へとケーブルを通す作業が難しく、そして安全性を確保するためにメインバッテリーのそばでヒューズを設定する必要があるのだが、慣れていないとこの作業も要領を得ない。どのようなヒューズを使うべきか、そしてどう固定したら良いのか等が分かりづらい。

また、音楽信号の配線もひと筋縄では行かない場合もある。ちなみにメインユニットにサブウーファー出力が装備されている場合はまだ楽だ。その端子と「パワードサブウーファー」の入力端子とをRCAケーブルで繋げば配線は完了する。ただしサブウーファー出力の端子はメインユニットの裏側にある場合がほとんどなので、そこにアクセスするのは実は簡単ではない。メインユニットの周りのパネル類を外す作業が必要になるからだ。

ましてや「サブウーファー出力」が備わっていないメインユニットでは、難易度がさらに上がる。スピーカーを鳴らすための配線をどこかで分岐して信号を取り出さなくてはならないのだ。

「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・IBUS 20)。「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・IBUS 20)。

信号ケーブルの配線作業においても、注意点がいくつかある…。

しかも、スピーカー配線を分岐させるという作業には注意点が主には2つある。1つは「低音信号が含まれている配線を見極めること」だ。というのも、各スピーカーへの配線にはフルレンジの信号が流れていないことが少なくない。高音だけしか流れていなかったり中音だけだったりすることもある。そのような配線から信号を取っても「サブウーファー」は鳴ってくれない。サブウーファーが担当する音域の信号が含まれていないからだ。

そして注意点の2つ目は、「左右の信号を合成すること」だ。「サブウーファー」は単発で使われることが多く、そうであればモノラルで鳴らされることとなるのだが、だからといって片方のchからしか信号を取り出さないと、情報が欠如する。それでは正確な再生音を得られない。

さらには、ケーブルを這わせる作業も楽ではない。電源ケーブルも信号ケーブルも安全なルートを通す必要があり、さらには見えないところに隠したい。で、それをするにはパネル類を取り外さなければならない局面も出てくるし、場合によってはシートを外す必要性も生じる。

というわけで、一見導入のハードルが低そうな「パワードサブウーファー」であっても、その設置作業はイージーではない。越えなければならないハードルが多々あるのだ。

しかし、プロはそれらハードルを難なくクリアする。電源の確保も音楽信号の入力も、重要なポイントを押さえながら確実に進める。

というわけなので、低音を増強したいと思ったときにもカーオーディオ・プロショップ」を頼りたい。覚えておこう。

今回は以上だ。次回以降も「低音強化」においてもプロの力を借りるべき理由についての解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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