低音強化大全! その5 本格サブウーファーユニットの使いこなし術 Part.2 | Push on! Mycar-life

低音強化大全! その5 本格サブウーファーユニットの使いこなし術 Part.2

カーオーディオにおいて不可欠な存在である“サブウーファー”について、その楽しみ方のすべてを解説している当シリーズ連載。前回からはいよいよ、“本格サブウーファーユニット”の用い方についての考察に突入した。今回はその「Part.2」をお届けする。

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カーオーディオにおいて不可欠な存在である“サブウーファー”について、その楽しみ方のすべてを解説している当シリーズ連載。前回からはいよいよ、“本格サブウーファーユニット”の用い方についての考察に突入した。今回はその「Part.2」をお届けする。

■「シングルボイスコイル」タイプと、「ダブルボイスコイル」タイプの使い分け方とは?

早速、本題に入りたい。前回は、“本格サブウーファーユニット”の選び方を解説した。「ブランドを絞る」、「振動板の素材に注目する」、「口径を選ぶ(推奨サブウーファーボックス容量も要チェック)」、というところまで解説した。今回は、その続きからお伝えしていこう。

ところで、“本格サブウーファーユニット”を選ぼうとしてカタログを見ていくと、口径違いの他にもバリエーション違いとして、「シングルボイスコイル」タイプと、「ダブルボイスコイル」タイプの2つがあることに気が付くはずだ。さらには、「インピーダンス」の異なるタイプをラインナップしているブランドもある。これらについては、どう考えていくといいのだろうか。

まず、「ボイスコイル」とは、振動板を動かすための磁気回路の一部であり、それが1つ搭載されているものが「シングルボイスコイル」タイプ、2つ搭載されているものが「ダブルボイスコイル」タイプ)というわけなのだが、これらがどう使い分けられているのかというと…。

「ダブルボイスコイル」タイプは、2つのサブウーファーを鳴らす、というような考え方で運用されることとなる。実際、入力端子が2セット備えられているので、それぞれに対して個別にパワーアンプの1chずつをあてがったり、パワーアンプの1chを使って並列接続、直列接続とを使い分けたりする。運用の仕方を工夫することで、サウンドの方向性をコントロールすることも可能となる。

一方、「シングルボイスコイル」タイプは、接続方法を変えることはできないが、構造がシンプルであるので、音質を追求するシステムの中ではむしろ使いやすい。

そして「インピーダンス」とは、抵抗値のことである。「インピーダンス」が低いタイプのほうが、パワーをたくさんかけられるので、音圧が確保されたサウンドを好む場合に有利となる。

また「インピーダンス」は、“多発使い”をするときの接続上の都合でも使い分けられる。“多発使い”するときには、直列接続と並列接続を使い分けることで、回路全体の「インピーダンス」を適正なものにすることが可能となるのだ。このあたりについては、プロショップに任せておけば、ベストを探ってくれるはずだ。

■ボックスのタイプ、大きさ等々で、サウンドを自在にコントロール!

続いては、鳴らし方のコツの解説へと入っていこう。鳴らし方をコントロールしようとするときにカギとなるのは、ボックスだ。サブウーファーは、ボックスの設計を工夫することで、サウンドの方向性を変えていくことができるのだ。この部分こそが、“本格サブウーファーユニット”を使うときの醍醐味、と言っていいだろう。

どのようにサウンドをコントロールできるのかというと、まず問題となるのは、ボックスタイプだ。タイプごとで、鳴り方が変わってくる。

現代のカーオーディオでは主に、以下の3タイプが用いられている。「シールドボックス」、「バスレフボックス」、「バンドパスボックス」の3タイプである。

それぞれの特長を解説していこう。まずは「シールド(密閉型)ボックス」から。これは、サブウーファーユニットを密閉された箱に装着する、というタイプであり、使われる頻度がもっとも高い。

メリットは、構造がシンプルなので、サウンドをコントロールしやすいこと。そして、他のタイプと比べるとコンパクトに仕上げられること、主には以上の2点だ。

運用の際には、箱を小さめに作るとレスポンスの良いタイトな低音が得られ、大きめに作ると、ゆったりとした深みのある低音が得られる。また、内部に入れる吸音材の量を変化させることでも、ある程度鳴り方をコントロールすることも可能だ。

続いては「バスレフボックス」タイプについて」。これは「シールドボックス」の次に一般的なタイプである。「位相反転型」とも呼ばれるもので、スピーカーユニットの裏側から発せられる音を、“ポート”、もしくは“ダクト”と呼ばれる穴から、位相を反転させながら外部に放出させる、という仕組みを持っている。

これにより、狙った周波数付近の音を増強することが可能となる。どこを狙うかは、“ポート”の設計でコントロールできる。

また「バスレフボックス」は、「シールドボックス」と比べて、より、伸びやかな低音を得られやすい。半面、箱のサイズが「シールドボックス」よりは大きくなる傾向があるので、搭載スペースに限りがある場合には不利となる。

そしてもう1つの「バンドパスボックス」について。これは「バスレフボックス」よりもさらに構造が複雑となるが、設計が上手くいくと、より重厚な低音を得ることが可能となる。ただしボックスサイズが大きくなるなど、導入の難易度は一層高くなる。

さて、今回は以上で終了だ。次回もさらに、“本格サブウーファーユニット”の使い方についての解説を深めていく予定だ。乞うご期待。

《太田祥三》

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