コスパの高い頼れる“メカ”がある!? 「ソースユニット学・入門」第9回 マニアック・アイテム | Push on! Mycar-life

コスパの高い頼れる“メカ”がある!? 「ソースユニット学・入門」第9回 マニアック・アイテム

カーオーディオシステムを成り立たせるためには、音楽信号を読み取る機器である「ソースユニット」も不可欠だ。当特集では、それに何を使うと良いのかを考えている。今回はその最終回として、これまでに取り上げてきたもの以外のスペシャルなアイテムに焦点を当ててみる。

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『Raspberry Pi』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『Raspberry Pi』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『Raspberry Pi』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『Raspberry Pi』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『デジ像』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『デジ像』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『デジ像』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。
  • 『デジ像』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。

カーオーディオシステムを成り立たせるためには、音楽信号を読み取る機器である「ソースユニット」も不可欠だ。当特集では、それに何を使うと良いのかを考えている。今回はその最終回として、これまでに取り上げてきたもの以外のスペシャルなアイテムに焦点を当ててみる。

なお当特集は毎回、全国の実力カーオーディオ・プロショップに取材して記事を構成している。今回は、大阪府高石市の人気店“イースト”に協力を要請した。興味深い情報を多々得られた。じっくりとお読みいただきたい。

自分好みにカスタマイズできるリーズナブルな“パソコン”が、案外使える!?

ここまでは、車載専用機(AV一体型ナビやディスプレイオーディオ等々)、スマホ、DAP、そして特殊な車載用ソースユニットまでを取り上げてきたが、それ以外にもカーオーディオで使えるユニークなアイテムがいくつかあるようだ。さて、具体的にはどのようなものがあるのだろうか。“イースト”の藤原さんに訊いてみた。

「それら以外となるとまずは、『Raspberry Pi(ラズベリーパイ)』を挙げたいと思います。これは“自作用パソコン”とイメージしていただくと良いのかもしれません。パーツを組み合わせて自分なりのPCを作れるというものです。これにてデジタルファイルの再生を行えます。

ちなみにこれはもともと教育用のコンピューターとして開発されたもので、プログラミングを学ぶために大学等で教材として使われたり、夏休みの自由工作用の素材としても使われたりしているようです。なので価格が手頃です。3万円程度で基本的な形を完成させられます。手をかけたとしても、部品代は5万円程度で収まると思います。

そしてデジタル出力を装備することもできますので、DSPとの親和性も高いです。もちろんアナログ出力も備えられますから、メインユニットのAUX端子とピンケーブルで繋いでも使えます。

なお使用する際には、ベースとなる“シングルボードコンピューター”にその他のパーツを組み合わせていくことになるのですが、その組み合わせの妙を楽しめることもメリットだと思います。自分好みに仕上げられます。例えばご愛用のDSPの受けが同軸デジタルなら、それに合わせた仕様で完成させられたり。同軸デジタルと光デジタルの両方でアウトできるパーツもあれば、同軸デジタルでアウトすることにこだわったパーツもありますし」

『Raspberry Pi』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。『Raspberry Pi』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。

音的にも高いコスパを発揮! しかし、デメリットも…。

「なお、音はなかなかに良いです。これよりも多少高額なDAPとも張り合えると思います。信号出力の効率が良いようで、鮮度が高いんです。コストパフォーマンスは至って良好です。

あと、DSPの近くに取り付けられることも利点です。というのも、コントロールはWi-Fi接続したタブレットやスマホで行えますので、本体を手元に置く必要がありません。DSPがラゲッジに搭載してあると、DAPを繋ぐ場合には長いデジタルケーブルが必要になりますが、『Raspberry Pi』ならデジタルケーブルを短くできますので、音的にもコスト的にも有利です。また、コントローラーのケーブルが不要なこともメリットです。ケーブルを介してノイズが侵入することもありませんし。

逆に、デメリットもあります。まずはパソコンに関して知識のある方でないと扱いにくいです。例えばそもそもOSがインストールされていませんので、そこから始めないといけません。あとは、使う際にちょっとしたコツが必要にもなるんです。例えば、プレイリストを作らないと曲送りがしづらかったり。

また、耐熱性が低いこともウイークポイントです。インストールする際には、放熱のことも考えないといけません。電子部品は基本的に熱に弱いですから。車載機器には熱に強いパーツが使われていますが、『Raspberry Pi』はそのような配慮は成されていません。

このようにメリットもデメリットありますが、例えば純正メインユニットを核としてDSPを用いた本格システムを組まれている場合、そこに手頃な外付けソースユニットをプラスさせたいと思ったら、『Raspberry Pi』は選択肢の1つになり得えます」

『デジ像』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。『デジ像』が組み込まれたシステムが搭載されたオーディオカー(製作ショップ:イースト<大阪府>)。

リーズナブルな家庭用ハイレゾメディアプレーヤーも、案外使える!

「その他では、プリンストンの“デジ像”も使われています。これは家庭用のハイレゾメディアプレーヤーなのですが、車内でも案外使いやすいんですよ。光デジタル出力も備えていますし。そして当機もコストパフォーマンスが高いです。

ちなみに当機は、ハイレゾ音源が普及し始めた当時に特に注目されていました。その頃はハイレゾ音源に対応している車載専用機が少なかったからです。なのでハイレゾ音源を車内で楽しみたいと思われる方々の間で、当機は存在感を発揮しました。しかも映像系のファイルも再生できますから、その点でも利がありました。

ただ最近は、ハイレゾ音源を再生できる車載機が増え、そしてそれぞれが音質性能的にも優秀ですから、“デジ像”の出番は少なくなりつつあります。とはいえ、現在お使いのメインユニットがハイレゾ音源には対応しておらず、映像も音も楽しめるリーズナブルなデジタルメディアプレーヤーが欲しいとなると、当機は候補に上がってきます。

あともう1つ、ザプコの『HDSP-Z16V』(税抜価格:35万円)も、ソースユニットとして面白い存在かもしれません。当機は車載専用のDSPですが、HDプレーヤーも内蔵しています。

価格的には手を出しづらくもあるのですが、音質性能は高いです。個人的には好きな音です。音楽性高く再生してくれますから。ぱっと聴いた瞬間にいいなと思える、そんなサウンドです。ただ、好みは分かれるかもしれません。

なお、ソースユニットとDSPが一体化していることはメリットです。その間を結ぶケーブルが不要ですし、ダイレクトに繋がっていることも音的にアドバンテージを発揮します。人とは違ったシステムを構築したいとお考えでしたら、当機をチェックされても良いかもしれません。

お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。手頃なスピーカーへの交換からスペシャルなシステム設計まで、さまざまなご要望にお応えできると思います。たくさんの方のご来店をお待ちしています」

《太田祥三》

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