低音を増強すると世界が変わる!? スピーカーの性能をさらに引き出す“次の一手”を詳細解説! Part1「パワードサブウーファーをアドオン!」 | Push on! Mycar-life

低音を増強すると世界が変わる!? スピーカーの性能をさらに引き出す“次の一手”を詳細解説! Part1「パワードサブウーファーをアドオン!」

クルマの中で好きな音楽を心地良い音で楽しむために、「スピーカー交換」を実行済みのドライバーは少なくないはずだ。さて、そのスピーカーの良さをさらに引き出せる方法があるとしたらどうだろう。今回からスタートする当特集では、そこのところを深掘りしていく。

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「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・Ibus 20)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(フォーカル・Ibus 20)。
  • 「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH500A)。
  • 「パワードサブウーファー」の取り付け例(ケンウッド・KSC-SW40)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(ミューディメンション・BlackBox X10)。
  • 「パワードサブウーファー」の一例(ロックフォード フォズゲート・PS-8)。

クルマの中で好きな音楽を心地良い音で楽しむために、「スピーカー交換」を実行済みのドライバーは少なくないはずだ。さて、そのスピーカーの良さをさらに引き出せる方法があるとしたらどうだろう。今回からスタートする当特集では、そこのところを深掘りしていく。

「パワードサブウーファー」なら、ボックスを別途用意しなくてOK!

交換したスピーカーの性能を一層引き出すための方法はさまざまあるのだが、今回は「低音強化」というアプローチについて考えていく。低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」を導入して「低音強化」を図ると、交換したスピーカーが一層生き生きと鳴るようになるのだ。

ところで、「サブウーファー」にはタイプ違いがいくつかある。なので今回はまず、その中でもっとも導入のハードルが低い「パワードサブウーファー」を用いるという作戦について考えていく。

最初に、これが何なのかを説明しておこう。「パワードサブウーファー」とは、「サブウーファーユニット、ボックス、パワーアンプ、これらが一体化したもの」だ(「チューンナップサブウーファー」と呼ばれる場合もある)。この3つは音を鳴らすためには不可欠で、「パワードサブウーファー」は必要なものがコンプリートされている製品というわけだ。

ちなみに「サブウーファー」のみならず、スピーカーを鳴らそうとするときには絶対的にボックスが必要になる。スピーカーユニットの後ろ側から放たれる音を閉じ込めなければならないからだ。もしも裏側から放たれる音が表側の音と空気中で交わると、「打ち消し合い」が引き起こされる。ゆえに箱は欠かせないのだ。

なおドアに取り付けるスピーカーにおいては、ドアがボックスの役割を果たす。高音再生を担当するツイーターについては大きな箱は必要ないが、やはり裸というわけにはいかず基本的にはケースに収められている。そして「サブウーファー」を鳴らす場合にも、当然ながらボックスが必要となる。で、「パワードサブウーファー」なら最初からボックスにサブウーファーユニットが装着された状態で完成品となっているので、別途ボックスを用意しなくてもも良いのだ。

「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH500A)。「パワードサブウーファー」の取り付け例(カロッツェリア・TS-WH500A)。

「パワードサブウーファー」は、費用対効果が高い!?

そしてスピーカーを鳴らすためには、パワーアンプも不可欠だ。ただしフロントスピーカーは市販品に交換したとしても、メインユニットに内蔵されているパワーアンプで鳴らせるので外部パワーアンプを用意しなくても大丈夫だ。しかし「サブウーファー」はそうはいかない。振動板が大きいのでメインユニットの内蔵パワーアンプでは駆動できない場合がほとんどだ。ゆえに外部パワーアンプが別途必要になるのだが、「パワードサブウーファー」はそれもあらかじめ搭載している。

しかしながら、その割に案外リーズナブルだ。例えばカロッツェリアやケンウッドといった有名国産ブランドの場合、エントリーモデルは2万円台からある。そして取り付け費用も比較的に少なくてすむ。基本的には車内の内張りパネル等を切ったり貼ったりするような改造は必要ないからだ。電源配線をメインバッテリーから引き込む場合には、エンジンルームから車室内にケーブルを通す作業に手間がかかるが、費用が多めにかかるポイントはここくらいで、後は大きく手間がかかる部分はない。

なお、このように他のユニットを導入する場合と比べてローコストですむにもかかわらず、その割にサウンドの変化幅は結構大きい。そうである理由は単純明快だ。「ドアスピーカーでは鳴らせていなかった音を鳴らせるようになるから」だ。

というのも、ドアに取り付けられるスピーカーは大きくてもせいぜい17cmクラスまでだ。しかしこの大きさでは物理的に超低音まで鳴らし切れない。低音を再生するためには基本的に振動板は、ある程度の大きさが必要となる。

かくして「サブウーファー」を使うと、なかったもの現れる。この効果は絶大だ。なので場合によっては、スピーカーを交換したとき以上にサウンドが一変する。費用対効果はすこぶる高い。

「パワードサブウーファー」の取り付け例(ケンウッド・KSC-SW40)。「パワードサブウーファー」の取り付け例(ケンウッド・KSC-SW40)。

「サブウーファー」はビートの効いた音楽のみならず、クラシックにも効果絶大!

ところで「サブウーファー」は、ビートの効いた音楽の再生に向いている、そうイメージされがちだが、実はそれ以外のジャンルの音楽にも広く有効だ。確かにリズム感がポイントとなる音楽では、ドラムスのバスドラムやエレキベースの音にパンチが出ると、ノリが良くなり聴いていて楽しくなる。

その一方でクラシック音楽の再生においても、「サブウーファー」は大きな威力を発揮する。なぜならば、録音された現場(コンサートホールやレコーディングスタジオ)の環境音もしっかり再現できるようになるからだ。

環境音とはつまりは、余韻や響きの成分が主体だ。そしてこういった要素のほとんどは超低音だ。なぜなら、音程が高い音ほど減衰するのが早いからだ。なので、コンサートホールの中で最後まで響いている音は超低音なのだ。ゆえに、「サブウーファー」を導入するとそういった要素をしっかり再現できるようになるので、クラシック音楽ならではの臨場感が倍増する。

また、どのような音楽を再生するにしても超低音がしっかり鳴ると、中音や高音の響き方も変わってくる。ちなみに、超高音を再生する「スーパーツイーター」を導入した場合には、中音や低音の響き方も変わってくる。このように音は超低音から超高音までが影響しあうので、超低音をしっかり再生できるようになると音楽全体の聴こえ方も良い方向へと変わってくる。

結果、交換してある市販スピーカーの性能がさらに引き出されることとなる。その意味でも「サブウーファー」を導入することの意義は大きい。

なお、「サブウーファー」の音とフロントスピーカーの音とを上手く一体化させることが、効果を最大限得るためのコツとなる。なので、取り付けからチューニングまでは、カーオーディオ・プロショップに任せた方が安心だ。プロショップなら、「サブウーファー」の利点を十分に引き出せる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回以降もさまざまな“次の一手”を紹介していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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