「プロセッサー」活用学・入門 第4回 タイプ解説その1 「メインユニット内蔵タイプ」の利点とは? | Push on! Mycar-life

「プロセッサー」活用学・入門 第4回 タイプ解説その1 「メインユニット内蔵タイプ」の利点とは?

現代カーオーディオでは「プロセッサー」と呼ばれる機器が大活躍する。当特集ではこれが存在する理由、メリット、そして使い方までを解説しようと試みている。今回からはタイプごとの利点を説明していく。まずは、「メインユニット内蔵タイプ」について考察する。

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高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • 高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • 高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ)。
  • 高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(アルパイン・ビッグXシリーズ)。

現代カーオーディオでは「プロセッサー」と呼ばれる機器が大活躍する。当特集ではこれが存在する理由、メリット、そして使い方までを解説しようと試みている。今回からはタイプごとの利点を説明していく。まずは、「メインユニット内蔵タイプ」について考察する。

高性能な「プロセッサー」が内蔵されているメインユニットは、7シリーズある!

「プロセッサー」の中でもデジタルタイプである「デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)」には、タイプ違いが存在する。タイプは主には3つある。1つが「メインユニット内蔵タイプ」、2つ目が「パワーアンプ内蔵DSP」、そして3つ目が「単体DSP」だ。今回はその中の「メインユニット内蔵タイプ」について解説していく。

さて、「メインユニット内蔵タイプ」とはその名のとおり、メインユニットの中に備えられている「プロセッサー」のことを指すのだが、実はこれについてもピンからキリまでさまざまある。極々簡単なものから高性能なものまで幅広い。

ちなみに、“ハイエンド機”と呼べるほどの高性能な「プロセッサー」を内蔵しているメインユニットは現在、7シリーズが存在している。その全容は以下のとおりだ。

順番に挙げていくと、三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』、カロッツェリアの『サイバーナビXシリーズ』、同『サイバーナビ』、同『車種専用10V型サイバーナビ』、同『DEH-P01』、同『DEH-970』、アルパインの『ビッグXシリーズ』、以上だ。なお、この中の『DEH-P01』と『DEH-970』は1DINメインユニットで、それ以外はAV一体型ナビだ。

ところで、パナソニックの『ストラーダ』やケンウッドの『彩速ナビ』にも高機能な「プロセッサー」が搭載されたモデルもあるが、今回それらは別タイプと分類した。というのもここで挙げた7シリーズとこれら2シリーズとでは大きく異なる部分があるからだ。この2シリーズ以外は、ツイーターとミッドウーファーの個別制御が可能だが、この2シリーズはそれができない。ツイーターとミッドウーファーがセパレートタイプである場合にもそれらを“1つのスピーカー”としてコントロールすることになる。この違いは、案外小さくないのだ。

高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ)。高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ)。

新車購入時には、「オーディオレス車」を選ぶと吉と出る!?

続いては、高性能な「メインユニット内蔵タイプ」の「プロセッサー」がどのようなユーザーに向いているのかを説明していく。なお、先述したとおり同タイプにはAV一体型ナビと1DINメインユニットの2タイプがあるのだが、主流は前者なので今回ここでは前者について説明していく。

で、これが向くか向かないかの最初の分かれ道となるのは、「ナビが交換できるか否か」だ。ナビを取り外せない車種や取り外しができたとしてもオーディオ以外の機能も一部使えなくなる場合は、そもそもこれは向かない。

しかし逆にナビを交換できるのであれば、「メインユニット内蔵タイプ」は強みを発揮する。まず、新車を購入する際に「オーディオレス」を選べる場合には、これが向く。純正オプションのナビには高度な「プロセッサー」が備わっている機種はかなり少ない。そして、純正機は割高である傾向も強い。

でも「オーディオレス」を選び、後付けで高性能な「メインユニット内蔵タイプ」の「プロセッサー」が搭載された市販ナビを導入すると、ハイエンドシステムのベースが築ける。

また、今使っている交換可能な純正あるいは市販ナビの使い心地に不満がある場合にも、ナビ交換は有効策となる。そうであるのならこの際高性能な「プロセッサー」が内蔵された機種に交換すると、「高度なサウンドチューニング能力」を手にでき、さらには日常的な使い心地もガラリと変わる。地図データが最新になり、さらには便利な機能をさまざま手にできる。

高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(アルパイン・ビッグXシリーズ)。高度な「プロセッサー」を搭載したAV一体型ナビの一例(アルパイン・ビッグXシリーズ)。

最新の高機能なAV一体型ナビは、Bluetoothが使えおしなべて高画質!

便利な機能とはどのようなものなのかを説明していこう。例えば、Bluetoothがその筆頭だ。5年以上前にはまだ今ほどは対応機種の数は多くはなかったが、高機能な「プロセッサー」が搭載された最新のAV一体型ナビはすべて、Bluetoothに対応している。

これに対応していると、ドライブの快適性が大きく変わる。スマホ内の音楽をワイヤレス接続で聴けるようになり、しかも曲送り等の基本操作を車載機側でも行える。また、ハンズフリー通話もしやすくなる。

そして最新機種は、おしなべて高画質だ。この点も日々の使用感に大きく影響する。地図が見やすくなり、映像系ソースも観やすくなる。さらには、エンタメ系の機能が多彩になっている機種も多い。

ただし、高性能な「プロセッサー」を搭載しているメインユニットは、価格もそれなりに高くなる。なので導入コストを少なくすまそうと思ったときは、「パワーアンプ内蔵DSP」も候補に上がってくるのだが…。

しかしナビが交換できるのであるならば、「メインユニット内蔵タイプ」は「パワーアンプ内蔵DSP」と比べてアドバンテージを発揮する。ソースユニットの性能も上げられるからだ。「パワーアンプ内蔵DSP」を導入する場合には、ソースユニットは純正品のままだ。しかしメインユニットが交換できれば、ソースユニットの性能も上げられる。このことも、音質向上に効いてくる。

というわけでもしもお使いのメインユニットの使い心地に不満を感じているのなら、「プロセッサー」の導入を考える際には、「メインユニット内蔵タイプ」が候補の筆頭に上がってくる。覚えておこう。

今回は以上だ。次回は「パワーアンプ内蔵DSP」について考察していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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