カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 1・スピーカー編 第3回「各部の名称」 | Push on! Mycar-life

カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 1・スピーカー編 第3回「各部の名称」

カーオーディオはマニアックな趣味だと思われがちだ。専門用語が使われることも多いからだろう。ゆえに初心者には馴染みにくくもある。当連載では、その馴染みにくさの解消を目指し、専門用語の意味を解説している。今回は、スピーカーの各部の名称について説明していく。

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市販スピーカーの一例(フォーカル・ユートピアMシリーズ)。
  • 市販スピーカーの一例(フォーカル・ユートピアMシリーズ)。
  • 市販スピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-G400)。
  • 市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-Z1000RS)。

カーオーディオはマニアックな趣味だと思われがちだ。専門用語が使われることも多いからだろう。ゆえに初心者には馴染みにくくもある。当連載では、その馴染みにくさの解消を目指し、専門用語の意味を解説している。今回は、スピーカーの各部の名称について説明していく。

スピーカーは構造がシンプル。しかし、各部の素材や作りにこだわった超高級品も存在!

ところでスピーカーが発明されたのは、今から100年ほど前だ。そして以後、現在に至るまで基本的な構造を変えてはいない。仕組みは至ってシンプルで、その意味ではあくまでローテクな工業製品だ。しかし、超高級品も存在している。メカニズムは単純でも、素材や作りの正確さ等には、その気になればほぼ際限なくコストを注入できるからだ。そうすることで、どこまでも性能を追求できるのだ。結果、100万円オーバーの超ハイグレードモデルも有り得ている。

さて、コストをかけられるのはどのような部分なのだろうか。そこのところも併せて解説していきながら、各部の名称を説明していこうと思う。まず、音を生み出す肝心要のパーツから。スピーカーは空気を振動させて音を伝えるメカなのだが、その空気を震わせる部分のことは「振動板」、あるいは「ダイヤフラム」と呼ばれている。

なおこの「振動板」はすり鉢形をしていることが多く、そのようなタイプは「コーン型」と呼ばれている。これが「振動板」のスタンダード形だ。

しかしながら、高音を再生するためのスピーカーユニットの「ツイーター」では、「ドーム型」が採用されることが多い。これは「コーン型」とは対象的に、中央が外側に向かって盛り上がった形をしている。

これらがベーシックな「振動板」だが、細かくみていくと特殊な形をしたものもある。例えばダイヤトーンの歴代モデルの「ツイーター」には、「コーン型」と「ドーム型」を合体させたような「ドーム&コーン型」が採用されている。先日発売されたばかりの最新機種『DS-G400』でも「ツイーター」の「振動板」は同タイプだ。またカロッツェリアのトップエンドラインである『RSシリーズ』の「ツイーター」には「デュアルアークリング型」が採用されている。

さらには、フランスの名門フォーカルのトップエンドラインである『ユートピアMシリーズ』では、すべてのスピーカーユニットにM型断面形状の「Mインバーテッド振動板」が使われている。

市販スピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-G400)。市販スピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-G400)。

「振動板」には特に、超高級なレア素材が使われることも!

ちなみに「振動板」の素材は各機によってさまざま異なる。「振動板」素材に何を使うかは性能に大きく影響するので、各メーカーともそこのところには特にこだわりを注入させているからだ。なので、ハイグレードモデルには超高級なレア素材が使われることもある。

ところで「振動板」素材には、以下の3つの特性が求められる。軽さ、硬さ、適度な内部損失、この3つだ。適度な内部損失とは、素材固有の響きがしにくいという意味だ。例えば鉄を指で叩くとカンカンと音がする。このように自らの響きを立てやすい素材は「振動板」には向いていない。素材特有の音色がサウンドに乗ってしまうからだ。

なおこれら3つの特性は、相反する。つまり、あちらを立てればこちらが立たなくなる“トレードオフ”の関係にある。軽さを求めれば硬さが損なわれ、硬さを求めれば重くなる。ゆえに理想的な特性を持つ素材を探すと、超高級な素材に行き着くことにもなるのだ。

続いては、「振動板」を動かす動力部分について解説していこう。「振動板」は以下のようなメカニズムで動く。「振動板」の奥側(裏側)の中心部分には円柱状の「ボビン」と呼ばれるパーツが仕込まれていて、これが「振動板」と連結している。で、この「ボビン」には導線が巻かれていてその状態のことは「ボイスコイル」と呼ばれている。そしてその「ボイスコイル」の周囲には「マグネット」が配置されている。なおこれら全体のことは「磁気回路」と呼ばれている。

かくしてこの「ボイスコイル」の導線に音楽信号が送り込まれると、これが電磁石となり磁力が生まれ、“フレミングの左手の法則”に従って「ボイスコイル」が前後に動く。そしてその動きが「振動板」に伝わり空気を震わせて音を伝える。

市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-Z1000RS)。市販スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-Z1000RS)。

「磁気回路」にも、さまざまな英知が注がれている!

「磁気回路」にも、より高い性能を得ようとすればするほと多くのコストがかけられることとなる。まず「マグネット」もコストがかかりがちな部分だ。ただし、素材の種類的にはバリエーションは多くない。よく使われているのは以下の2つのうちのどちらかだ。1つが「フェライト」で、もう1つが「ネオジウム」だ。ちなみに「ネオジウム」は略して「ネオジ」と呼ばれることも多い。で、より高級なのは「ネオジウム」の方だ。より磁力が強いので強力な磁気回路を形成しやすい。また、小型化もさせやすいので設計上の自由度も高くなる。

そして「ボイスコイル」においては、導線の素材に何を使うか、そして導線の形状をどうするか、さらには巻き付け方についてまで、各社ごとでさまざまなテクノロジーが注がれている。

また、全体を支える「フレーム」にも、各社・各機ごとでいろいろな工夫が盛り込まれている。「フレーム」においては強度がとても重要となる。強度が高いほど、「振動板」がエネルギーをロスしなくなるからだ。なので形状にも英知が注がれ、素材にもさまざまなものが選ばれている。結果、高級品になるほどフレームは大きく重くなる傾向が強い。そうであると、ドア内部に収めようとすると大きな改造を伴うことにもなるのだが、それでも音にこだわった高級品では、「フレーム」は堅牢かつ大きく作られることが多い。逆に、取り付け性を高めようとするモデルでは、「フレーム」が大きくなりすぎないような工夫が盛り込まれることとなる。

他では、「振動板」の中心に据えられているパーツのことは「センターキャップ」と呼ばれていて、これはつまりはボイスコイルにゴミ等が入らないようにするための覆いともなる。なお、そこに円錐状の金属製のパーツが取り付けられることもある。そのパーツのことは「フェイズプラグ」と呼ばれていて、これを取り付けることで「振動板」から放たれる音を整える効果が得られる。

今回は以上だ。次回もスピーカーに関連した用語の解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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