“土台”を強化すれば音楽は今よりもっと豊かに響く!? 「低音増強」大作戦! Part4「ユニットサブウーファー」の魅力と選び方 | Push on! Mycar-life

“土台”を強化すれば音楽は今よりもっと豊かに響く!? 「低音増強」大作戦! Part4「ユニットサブウーファー」の魅力と選び方

カーオーディオでは、“サブウーファー”が大活躍する。当特集では、そうである理由から選び方・使い方までを多角的に解説している。今回は、“ユニットサブウーファー”にフォーカスを当て、その魅力そしてチョイスの勘どころを紹介していく。

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“ユニットサブウーファー”の装着例(製作ショップ:施音人工房<福岡県>)。
  • “ユニットサブウーファー”の装着例(製作ショップ:施音人工房<福岡県>)。
  • ユニットサブウーファーの一例(ダイヤトーン)。

カーオーディオでは、“サブウーファー”が大活躍する。当特集では、そうである理由から選び方・使い方までを多角的に解説している。今回は、“ユニットサブウーファー”にフォーカスを当て、その魅力そしてチョイスの勘どころを紹介していく。

なお当特集は毎回、全国の有名カーオーディオ・プロショップに取材して記事を作成している。今回は福岡県・北九州市の“施音人工房(さうんどこうぼう)”の谷口さんに教えを請うた。参考になる話をたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

“ユニットサブウーファー”なら、より良い低音が楽しめる!?

最初に、“ユニットサブウーファー”とは何なのかを簡潔に説明しておこう。これはつまり、単体のサブウーファーのことを指している。なのでシステムに導入する際には別途、パワーアンプとボックスが必要となる。

では、“施音人工房”の谷口さんの話を紹介していく。まずは“ユニットサブウーファー”の利点から教えてもらった。

「小型・薄型のパワードサブウーファーと比べた場合には、より良い低音が得られやすくなることが利点です。“ユニットサブウーファー”は、振動板をしっかりとストロークさせて音を発します。このことが大きなアドバンテージを発揮するんです。結果、より深みのある豊かな低音が得られますし、より低い音まで鳴らせます。音圧も稼げますので迫力のサウンドが楽しめます。

また、既製のボックスに装着されたタイプの製品と比べたときには、ボックスをワンオフできることがメリットとなります。どのような箱を作るかで鳴り方をコントロールできますから、楽しさの幅が広がります。

あとは、選択肢が多いことも利点だと思います。特に海外ブランドは、“ユニットサブウーファー”を豊富にラインナップしている場合が多いです。エントリーモデルからハイエンドモデルまでグレードの幅も広いですし、タイプ違いもさまざまあります。その中から自分好みのモデルを、楽しみながら探せます」

好みのブランドを見つけ出すことが、マイベストに辿り付く最短コース!

続いては、選び方のポイントを教えてもらった。まずは、口径について訊いてみた。

「当店では、25cmモデルをお薦めすることが多いです。ドアスピーカーの口径は大きくても17cmですから、それとのバランスを考えると25cmモデルがもっとも無難です。周波数バランスも整いやすいですし、スピード感も合わせやすいと思います。

それに対して30cmモデルは、ローエンドまで鳴らしやすくなり量感も稼げます。しかし鳴らし切る難易度は高まります。力のあるパワーアンプを使いたいですし、ボックスも大型化しますのでインストール面でもハードルが上がります。

一方20cmモデルはタイトに鳴りますが、再生レンジ的にそして量感的にビハインドがあることは否めません。ただしボックスは比較的に小型化できますので、インストール性は高いです。搭載スペースに制約がある場合には、選択肢に上がってくると思います」

続いては、振動板や磁気回路、そしてフレーム等々、作り的な部分での見分け方を教えてもらった。

「振動板の素材による音色傾向の違いは確かにあります。例えばペーパーコーンは自然な鳴り方がするモデルが多く、金属系の振動板は硬めのサウンドである場合が多いです。しかし、そういったパターンに収まらない製品もたくさんあります。そしてその他の部分に関してはそれ以上に、素材や構造の違いによる音の差は出にくいと思います。

一方、ブランドごとでの違いは結構大きいです。そして同一ブランド内でも、製品ごとで大きく違ってくる場合もあります。ですので、素材やタイプ違いで絞り込むより、好みのブランドを探っていく方がマイベストを見つけやすいと思います。ショップのアドバイスを参考にされながらまずはブランドを絞り込み、そこから個別の特徴を鑑みながらセレクトすると良いのではないでしょか」

SVCかDVCかは、接続の都合で選ぶベシ!

ところで“ユニットサブウーファー”には、シングルボイスコイル(SVC)タイプとダブルボイスコイル(DVC)タイプとがあり、さらにはインピーダンス(抵抗値)違いも存在している。これらについてはどのように考えればいいのだろうか。

「それぞれ、セッティングの都合で考えれば良いと思います。組み合わせるパワーアンプが決まっている場合には、SVCが良いのかDVCが良いのかおのずと決まってくることもありますし、低インピーダンスのモデルは使用できない場合もあったりします。あとは使用する発数等によっても接続の可否が変わってきます。

なお音的な観点では、それらについて大きく気にする必要はないと思います。これらの違いによる音の違いよりも、製品ごとの特長による音の違いの方が大きいですから」

グレード選びについての判断基準も教えてもらった。

「当然ながら、ハイグレードな製品の方が高性能です。しかし“ユニットサブウーファー”の場合は案外、リーズナブルでありながらもしっかり鳴ってくれるモデルが多々あります。ご予算が許すのであれば上級機を選ばれた方が良いですが、背伸びをし過ぎる必要はないと思います。なお予算バランス的には、“サブウーファー”よりもフロントスピーカーに比重を置かれた方が良いかもしれません」

最後にまとめてもらった。

「“低音強化”は、やるべきだと思います。違った世界が見えてきますから。そしてシステム作りを楽しみ尽くそうと思うときには、“ユニットサブウーファー”がお薦めです。お近くでしたら当店にぜひお越しください。さまざまな“低音増強”プランをご案内できると思います。たくさんの方のご来店をお待ちしています」

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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