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「注目カーオーディオ・ブランド」クローズアップ! 各社の実力と魅力を展望! 第2回“ダイヤトーン”編

注目すべきカーオーディオブランドを毎回1社ずつピックアップし、それぞれの魅力を浮き彫りにしようと試みている。第2回目となる今回は、国産実力ブランド“ダイヤトーン”にスポットを当て、代表機『ダイヤトーンサウンドナビ』について研究する。

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Photo by 太田祥三
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  • ダイヤトーンサウンドナビ
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注目すべきカーオーディオブランドを毎回1社ずつピックアップし、それぞれの魅力を浮き彫りにしようと試みている。第2回目となる今回は、国産実力ブランド“ダイヤトーン”にスポットを当て、代表機『ダイヤトーンサウンドナビ』について研究する。

当シリーズの進化の歴史を振り返りながら、これならではの強みをじっくりと検証していく。

初代モデル『NR-MZ60シリーズ』の登場により、ハイエンドカーオーディオの楽しみ方が変化!?

『ダイヤトーンサウンドナビ』は、2012年にデビューした。初代モデルは『NR-MZ60シリーズ』。初登場するやいなや、カーオーディオ愛好家の間で大きな話題を呼んだ。

注目を集めた理由はズバリ、「ナビとハイエンドカーオーディオメインユニットが一体化されていたから」だ。そのような様式のユニットの登場は実は、かねてから期待されていた。つまり『ダイヤトーンサウンドナビ』は文字どおり、“待望”のユニットだったのだ。

というのも、それまでのハイエンドカーオーディオメインユニットといえば、1DINのCDレシーバーがもっともスタンダードな存在だったのだが、それが徐々に使いづらくなっていた。カーナビが普及し、1DIN機が装着しにくくなっていたからだ。ナビをセンタークラスターパネルに装着すると、ハイエンドメインユニットを取り付けるスペースがなくなってしまう。ハイエンドカーオーディオのハードルが、ますます上がりつつあったのだ。

しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』の登場により状況が変わった。ナビとハイエンドカーオーディオが一体化しているわけなので、2DIN分のスペースが確保できれば、それら両方を手にできる。つまり、未来が心配され始めてもいたカーオーディオに新たな可能性をもたらした、というわけだ。『NR-MZ60シリーズ』は、それほどまでにエポックメイキングなモデルであったのだ。

2015年の初のフルモデルチェンジにより、総合力が一層向上!

そして『ダイヤトーンサウンドナビ』は、以降、2017年に登場する『NR-MZ200PREMI-2』、『NR-MZ300PREMI』となるまで、毎年進化し続ける。ナビが毎年モデルチェンジされるのは通常のことではあるものの、ハイエンドカーオーディオメインユニットが毎年刷新されるのは異例のことだった。しかし『ダイヤトーンサウンドナビ』はそれをやってのけた。しかも新しくなるたびに、音質性能も確実に向上されていた。

その中でもっとも大きな進化度合いを見せたのは、2015年に登場した『NR-MZ100シリーズ』だ。『ダイヤトーンサウンドナビ』はこれにて初のフルモデルチェンジが成され、それに伴い、ナビ機能、ビジュアル面、そして音質面と、すべての部分で機能、性能、使い心地が更新された。

なお、音質性能以外の部分で変化幅が特に大きかったのは、「レスポインスの速さ」と「画面の見やすさ」、この2点だ。ルート探索の速度は約5.6倍も速められ、地図スクロールのフリック操作時の反応も至ってスムーズ。その操作感の快適さは、現在でもトップクラスだ。

また「画面の見やすさ」については、「光の反射に強いこと」と「広視野角であること」が特に際立つ。『ダイヤトーンサウンドナビ』は映像の美しさにも定評があったが、『NR-MZ100シリーズ』では、液晶とタッチパネル間の空気層がなくされ、かつタッチパネルの表面に「ARマルチコート・グレア表面処理」が施されたことにより、外光の影響をほとんど受けなくなったのだ。太陽光が画面に直接当たっても、視認性はほとんど落ちない。また、「高視野角液晶画面」が採用されたことにより、運転席、助手席のどちらから見ても、輝度変化の少ない鮮明な映像を楽しめる。

このフルモデルチェンジにより、『ダイヤトーンサウンドナビ』の総合力はさらに高められ、支持率も一層高まった。

超ハイエンドユニット、『DA-PX1』に搭載されていたさまざまな新技術を踏襲!

ところで『ダイヤトーンサウンドナビ』には実は、それ以前に登場していた超ハイエンドセンターユニット『DA-PX1』(税抜価格:80万円)があったからこそ生まれたユニット、という側面も持っている。ちなみに、『DA-PX1』が登場したのは2008年。当機は、リニアPCMメモリープレーヤーであり、デジタルシグナルプロセッサーであり、D/Aコンバーターでもあるというユニットで、DA変換、信号処理、信号伝送それぞれに独自の新技術が投入されていた。『ダイヤトーンサウンドナビ』はそれら新技術の数々が投影されて完成されていたのだ。

なお、『DA-PX1』に搭載された技術の中で特に注目を集めたのは、“ダイヤトーン”独自の特殊機能、“マルチウェイ・タイムアライメント”だ。

当機能の凄さのポイントは、マルチウェイスピーカーシステムの各chの音楽信号を個別制御しながらも、信号伝送回路は2chしか必要としないところにある。通常ならば、例えばフロント3ウェイをマルチ制御すれば伝送回路は6ch分が必要となるが、『DA-PX1』では左右2ch分が確保されていればOKなのだ。

この革新的な機能は、『ダイヤトーンサウンドナビ』の初代機から搭載されていた。

ちなみに“マルチウェイ・タイムアライメント”は、ハイレベルなシステムを組もうとするときにも大きな力を発揮するが、「ナビを換えただけ」のときにも実に有効に活用できる。スピーカー並びにスピーカー配線が純正のままでも、純正2ウェイスピーカーのマルチ制御が可能となる。ハイエンドシステムでなければ行えないことを、『ダイヤトーンサウンドナビ』は、「ナビを換えただけで実行できるのだ。

かくして『ダイヤトーンサウンドナビ』は、カーオーディオ愛好家人口を増やすことにも、大きな貢献を果たしてきた。当機は入門機として多くのビギナーに使われ、同時にハイエンド機としても多くのマニアを満足させてきた。一旦導入すれば、長く深く、カーオーディオを満喫できるのだ。

クルマの中で良い音を聴くことに興味があれば、『ダイヤトーンサウンドナビ』にご注目を。これの導入を検討する価値は、至って大きい。

《太田祥三》

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