実践的“サブウーファー攻略法”完全ガイド! 第3回“大型パワード&コンプリートボックス”の楽しみ方 | Push on! Mycar-life

実践的“サブウーファー攻略法”完全ガイド! 第3回“大型パワード&コンプリートボックス”の楽しみ方

クルマのドアに装着できるスピーカーはサイズ的に低音再生能力に限界がある。かつクルマは走行すると低音が聴き取りづらくなる。ロードノイズに打ち消されてしまうからだ。しかし“サブウーファー”を導入すれば話が変わる。豊かな低音を鳴らせるようになる。

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大型パワードサブウーファー(シールドタイプ)の一例(ロックフォード フォズゲート・P300-10)。
  • 大型パワードサブウーファー(シールドタイプ)の一例(ロックフォード フォズゲート・P300-10)。
  • コンプリートウーファーボックス(バスレフタイプ)の一例(グラウンドゼロ・GZIB 200XBR)。
  • コンプリートウーファーボックス(パッシブラジエーターフタイプ)の一例(ヴァイブオーディオ・BLACKAIRT12S-V6)。

クルマのドアに装着できるスピーカーはサイズ的に低音再生能力に限界がある。かつクルマは走行すると低音が聴き取りづらくなる。ロードノイズに打ち消されてしまうからだ。しかし“サブウーファー”を導入すれば話が変わる。豊かな低音を鳴らせるようになる。

さて、“サブウーファー”の導入スタイルはさまざまあり、いろいろなコツがある。当特集ではそのすべてを解説しようと試みている。今回は、“大型パワードサブウーファー(以下、大型パワード)”ならびに、“コンプリートウーファーボックス(以下、コンプリートボックス)”を使って行う“低音強化策”について考えていく。

なお当特集は、毎回全国の実力カーオーディオ・プロショップに協力を請い、記事を作っている。今回は、静岡県浜松市に店舗を構える実力店“レジェーラ”の、敏腕インストーラー大塚さんに話を訊いた。じっくりとお読みいただきたい。

“大型パワード”や“コンプリートボックス”なら、“量感”と“レスポンス”にこだわれる!

最初に、今回クローズアップする“大型パワード”ならびに“コンプリートボックス”とはどのようなものなのかを簡単に説明しておこう。まず“大型パワード”とは、ユニットサブウーファーが既製のサブウーファーボックスに取り付けられたタイプの“パワードサブウーファー”だ。なお、“大型”とは言いつつも、ラゲッジスペースに設置しても場所を取りにくい“薄型”モデルや“小型”モデルもある。しかしここでは、シート下に入る“小型・薄型モデル”と差別化するために敢えて“大型”と呼んでいる。

そして“コンプリートボックス”とは、“大型パワード”からパワーアンプを抜いたタイプのサブウーファーのことを指す。別途パワーアンプを用意する必要があるが、ボックスをワンオフする必要はないので、単体ユニットサブウーファーを導入するよりはハードルが低い。

では、大塚さんに訊いた話を紹介していこう。まずは“小型・薄型パワードサブウーファー”と比べたときの、これらのメリットから教えてもらった。

「低音の質が違います。異なるポイントは大きく2点。“大型パワード”と“コンプリートボックス”は、“量感”と“レスポンス”が優れています。大型のサブウーファーユニットが搭載されていますので、振動板を十分にストロークさせられます。ゆえにしっかりと空気を震わせられるので“量感”豊かに鳴らせるんです。

そして、取り付けられているユニットサブウーファーとバランスするパワーアンプが搭載されていますので、しっかり鳴らし切ることができ、レスポンスの良い低音が得られます。特に“コンプリートボックス”の場合は、パワーアンプを自由に選べますから、一層“レスポンス”にこだわることも可能になります」

スピード感を重視するなら“シールド”、ゆったりしたサウンドを好むなら“バスレフ”!

続いては、ボックスのタイプ違いについて教えてもらった。

「ボックスタイプは大きく3つに分類できます。“シールド(密閉型)”、“バスレフ”、“パッシブラジエーター”、この3つです。モデルによって特長に違いがあるので一概には言えませんが、“シールド”ではスピード感のある低音を鳴らしやすく、サブウーファーユニットの背圧(後ろ側から出る音エネルギー)を利用する“バスレフ”では、ゆったりとした沈み込むような低音を奏でられる傾向にあります。“パッシブラジエーター”も背圧を利用するタイプで、サウンド的には“シールド”と“バスレフ”の中間、といったところでしょうか。

なお音については、サブウーファーの口径によっても違いが出ます。小口径タイプの方が反応が速く、大口径タイプになるほど低域側の再生レンジの広がり、ゆったりとした低音を再生しやすくなります。

ちなみに、フロントスピーカーが小口径タイプの場合には、サブウーファーの口径は大き過ぎないものを選んだ方が良いと思います。その方がフロントスピーカーとの音の繋がりが良くなりますから。で、もしもそれで“量感”が足りないと感じる場合には、同じものを複数台使うと対策できます。そうすることで、ハギレ良く鳴らせつつ“量感”も増やせます。

また、2台導入してステレオで鳴らすというのも有効です。サブウーファー帯域もステレオで録音されているわけですから、原音再生という観点ではステレオで再生できた方が有利です。

欲しいサウンドに応じて、ボックスのタイプや口径、そして単発か複数か等々を複合的に勘案されるのが良いと思います。あと、取り付け上の都合も考えながら。ここも重要ですね」

振動板をしっかり止められるパワーアンプを選ぶベシ!

ところで、“コンプリートボックス”では外部パワーアンプが必要になる。パワーアンプにはどのようなモデルを選ぶと良いのだろうか。

「いろいろな考え方がありますが、パワーをかけてしっかり鳴らしたいと思ったら、サブウーファー用のモノラルパワーアンプが向いていると思います。

パワーがあると余裕を持って鳴らせますし、振動板をしっかり止められるのでハギレ良く低音を奏でられます。結果、解像度も上がります。総合的に低音の質が高まります。

スペック的には、“ダンピングファクター”を気にされると良いと思います。この数字を見れば“止める能力”が高いかどうかを推し量れます。ただ、“ダンピングファクター”はカタログに記載されていないケースも少なくないんですよね。となると頼りになるのはショップのアドバイスです。プロショップならば使ったことのあるモデルの特長を把握していますから。どのようなサウンドが欲しいかを伝えて、欲しい音を出しやすいモデルを推薦してもらいましょう。

なお、ブリッジ接続が可能なモデルであれば、2chアンプや4chアンプを選んでも大丈夫です。これらは後からフロントスピーカー用のアンプとして使えますし、4chアンプならば1台でフロントスピーカーとサブウーファーの両方を鳴らせます。発展性や使い回しの良さを考えるのであれば、2chアンプや4chモデルもアリだと思います」

最後に、設置の仕方について訊いてみた。

「とにもかくにも大事なことは、しっかり固定させることですね。強固に固定できれば、パワーをロスすることなく振動板を動かせますから。

“大型パワード”や“コンプリートボックス”は、“小型・薄型パワードサブウーファー”と比べて音的に有利です。トランクに積んでも案外邪魔になりにくいモデルもいろいろありますし、リーズナブルなモデルも多いです。検討する価値は大きいと思います」

本格的に、かつ手軽に低音を鳴らしたいと思ったときには、“大型パワード”や“コンプリートボックス”は有力な選択肢となる。チェックしてみて損はない♪

《太田祥三》

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