スーパーハイエンドブランド“ZRスピーカーラボ”からニューツイーターが登場! その実力を緊急テスト!! | Push on! Mycar-life

スーパーハイエンドブランド“ZRスピーカーラボ”からニューツイーターが登場! その実力を緊急テスト!!

“スーパーハイエンドブランド”と呼ばれているカーオーディオメーカーがいくつかある。その中でもこのスロベニア発の“ZRスピーカーラボ”は、スピーカーサプライヤーとして1、2の人気を誇っている。そんな同社から、注目すべきニューアイテムが登場した。

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ZRスピーカーラボ・ZR Extravagance SATURN-CV
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  • ZRスピーカーラボ・ZR Extravagance Line
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  • 左が『ZR Extravagance SATURN』、右が『ZR Extravagance Line』。
  • 左が『ZR Extravagance SATURN』、右が『ZR Extravagance Line』。

“スーパーハイエンドブランド”と呼ばれているカーオーディオメーカーがいくつかある。その中でもこのスロベニア発の“ZRスピーカーラボ”は、スピーカーサプライヤーとして1、2の人気を誇っている。そんな同社から、注目すべきニューアイテムが登場した。

その名は『ZR Extravagance SATURN-CV』。これがどのような製品なのか、そしてその実力はいかほどなのかを、緊急リポートする。

ニューツイーターは、トップエンドグレード『ZR Extravagance Line』の新製品。


“ZRスピーカーラボ”は、スピーカーを3グレード擁している。トップエンドシリーズとなるのが誉れ高き『ZR Extravagance Line(エクストラヴァガンス ライン)』。そしてそれに続いて『ZR Prestige Line(プレステージ ライン)』を、さらには入門機となる『ZR Entry Line(エントリー ライン)』まで、以上の3ラインを市場に投入している。

今回の新作は、その名のとおり最上グレード『ZR Extravagance Line』に属するアイテムだ。新たな25mmツイーターが、シリーズに加わることと相成った。

従来からあるツイーターと比べての当機のストロングポイントはズバリ、「小型化が図られたこと」である。さて、このことはどのような意味を持っているのだろうか。

ところで『ZR Extravagance Line』はこれまで、以下の3機種でラインナップが構成されていた。25mmツイーター『ZR Extravagance SATURN』(税抜価格:36万円、Brushed、ペア)、10cmミッドレンジ『ZR Extravagance F-1』(税抜価格:40万円、Brushed、ペア)、そして16.5cmミッドウーファー『ZR Extravagance N°1』(税抜価格:49万円、Brushed、ペア)、以上だ。

なお、上記の3モデルの税抜価格合計はなんと125万円。『ZR Extravagance Line』で3ウェイを組もうとするならば、製品代だけで100万円を優に超える予算が必要となる。

そうでありながらも、“ZRスピーカーラボ”のサウンドに惚れ込むユーザーからもっとも選ばれているのは実は、この『ZR Extravagance Line』だ。ちなみに『ZR Entry Line』のモデルで2ウェイを構成するとその税抜価格の合計は38万8000円。これだけの価格差がありながらも、そのサウンドの秀麗さが人を惹き付け、『ZR Extravagance Line』は実際、多くのユーザーの手元へと届けられた。しかし…。

ZRスピーカーラボ・ZR Extravagance LineZRスピーカーラボ・ZR Extravagance Line

(写真)ZRスピーカーラボ・ZR Extravagance Line

価格以外にも1点、導入を悩ませるとある問題が存在している…。


『ZR Extravagance Line』は人気モデルであるのだが、そうは言いつつも実は、導入を検討する際には価格以外にもとある事象がハードルとなって立ち塞がる。それがあることで購入を見送った愛好家も少なくないというのだ。そのハードルとは、「ツイーター『ZR Extravagance SATURN』が大き過ぎること」である。

当機はツイーターリングの外径がΦ89mmもある。ここまで大きいとAピラーにはなんとか装着できてもドアミラー裏への装着は難しい。となると特に、3ウェイシステムを組もうとするときに少々厳しくなってくる。3ウェイが組まれるときには、スコーカーはAピラーにツイーターはミラー裏に装着されることも多いが、『ZR Extravagance Line』ではそうはし難い。ツイーターとスコーカーをどのように着けるか、そこが悩みどころとなってくるのだ。

しかし、『ZR Extravagance SATURN-CV』を選べば話が変わる。当機の外径寸法は「Φ65mm」。ここまでの小型化が成されていれば、ドアミラー裏へのインストールが可能となるケースは相当に増える。Aピラーに着けるにしても装着しやすくなる。

なお、小型化は図られていても従来機『ZR Extravagance SATURN』とのスペック的な違いは皆無だ。価格も同様でさらには、周波数特性、能率、Fsともすべて同一。それもそのはずで、ネオジウムマグネットが3個搭載されている磁気回路と振動板はまったく同じ。『ZR Extravagance SATURN』で使われているものがそのまま踏襲されている。

ただし、“角度調整機能”は省略されている。つまり、それを省くことで小型化が成し遂げられた、というわけなのだ。

また、従来機と実物を見比べると、外周リングが省かれた以外でも小型化が実行されていることが確認できた。ハウジングも小型化されているので、その点でもインストール性が高められている。

左が『ZR Extravagance SATURN』、右が『ZR Extravagance Line』。

(写真)左が『ZR Extravagance SATURN』、右が『ZR Extravagance Line』。

気になるのは音質性能。主な仕様や測定上のスペックは同一でも、出音に差があるのか、ないのか…。


さて、気になるのは音質性能だ。磁気回路と振動板が同一であっても、そして測定上のスペックが同じであっても、筐体サイズが変わっていることで音への影響はあるのか、ないのか…。そこのところを確かめるべくテストを行った。

試聴は、“ZRスピーカーラボ”の正規輸入代理店である“イース・コーポレーション”の試聴室で行った。PCをソースユニットとする試聴システムを組み、『ZR Extravagance Line』の2ウェイ試聴機を使い、『ZR Extravagance SATURN』と『ZR Extravagance SATURN-CV』とを着け替えてそのサウンドを聴き比べた。

なお、リファレンスパワーアンプには、“オーディオウェーブ”の『Aspire Pro JDP』(税抜価格:65万円)を使用した。ケーブル類はチェルノフケーブルで統一した。

まずは『ZR Extravagance SATURN』と『ZR Extravagance N°1』との組み合わせによるサウンドから確認した。

一瞬の出音で、流石、と唸らされた。とにもかくにもスムーズ。耳当たりがなんとも心地良いのだ。

例えばトランペットの音が、楽器自体が高級品になったかのように感じられる。倍音が豊かに出ていて音色が実に豊潤なのだ。ボーカルに至っては実在感が高い。聴こえてくる情報量が多いからだろう、そこにいるかのように生々しく瑞々しく再現され、そして色ツヤが引き立ち美しく響く。

改めて格の違いを思い知れた。このスピーカーはやはり特別な一品だ。これでなければ味わえないスペシャルな価値を携えている。

左が『ZR Extravagance SATURN』、右が『ZR Extravagance Line』。

(写真)左が『ZR Extravagance SATURN』、右が『ZR Extravagance Line』。

エージングの少なさを割り引けば、サウンドクオリティは同一。総合力はむしろ上!?


続いては、ツイーターを『ZR Extravagance SATURN-CV』に替えて同じトラックを聴いてみた。外径が小さくなった分を埋めるためのスペーサーを用いて試聴機に装着し、同一のコンディションで試聴した。

聴こえてきた音が先ほどのサウンドとまったく同じかというと、実はそうではなかった。当機に付け替えてからのサウンドの方が、やや硬い。しかしこれはエージングの差だろう。何せ『ZR Extravagance SATURN』の方は数年にわたって全国の“スーパーハイエンド試聴会”でたっぷりと鳴らし込まれている。かたや『ZR Extravagance SATURN-CV』は、日本に上陸してまだ間もない新品。その違いが音に表れないはずはない。

しかしそれを割り引けば、その音は紛れもなく『ZR Extravagance Line』のそれだった。解像度の高さ、情報量の多さ、倍音の多さ、繊細さ、スムーズさ、これらは『ZR Extravagance SATURN』の音と何ひとつ変わらない。

つまり、“角度調整機能”が省かれたこと以外は、失ったものは何もない。むしろ、インストール性が高いという新たな利点を身に付けている。つまり、総合力ではむしろ『ZR Extravagance SATURN』を上回っていると言ってもいい。

当機が登場したことで、『ZR Extravagance Line』を諦める理由が1つ解消された。この音に魅了されたとき、悩みどころはただ1つ。「予算的な折り合いがつくか否か」。ユーザーはよりシンプルな状況下で、これの導入の検討ができるようになった、というわけだ。

もしもインストール上の問題で『ZR Extravagance Line』の導入を踏みとどまったという方がいたら、当機の音をもう1度聴いてみるべきだ。チェックはマストだ。

《太田祥三》

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