“アドオン”する新基軸スピーカーシステム『MST』。そのコンセプトと実力を完全分析! Part 1 | Push on! Mycar-life

“アドオン”する新基軸スピーカーシステム『MST』。そのコンセプトと実力を完全分析! Part 1

“ツウ”なカーオーディオ愛好家たちから根強い支持を得ているアメリカン・スピーカーブランド、“CDTオーディオ”。同社から気になる新基軸なスピーカーシステムが登場した。その名は『MST』。さて、これは一体何なのか。そしてどれほどの実力を秘めているのか…。

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“アドオン”する新基軸スピーカーシステム『MST』。そのコンセプトと実力を完全分析! Part 1
  • “アドオン”する新基軸スピーカーシステム『MST』。そのコンセプトと実力を完全分析! Part 1
  • CDTオーディオ・MST-02P
  • CDTオーディオ・MST-1SM
  • 『CDTオーディオ・MST-1SM』の内部基板。

“ツウ”なカーオーディオ愛好家たちから根強い支持を得ているアメリカン・スピーカーブランド、“CDTオーディオ”。同社から気になる新基軸なスピーカーシステムが登場した。その名は『MST』。さて、これは一体何なのか。そしてどれほどの実力を秘めているのか…。

それらを明らかにする詳細なリポートを、3回にわたりお届けしていく。

『MST』とは、「音場・音像をよりリアルに再現するためのシステム」。


今回は『MST』とは何なのか、そのコンセプトを詳しく解説していく。

まずは名称の意味から紹介していこう。『MST』とは、「ミュージック・ステージング・テクノロジー」の略語だ。そしてこの言葉の目指すものとは、「音場や音像(ミュージック・ステージング)を、よりリアルに再現すること」である。

システムは2つのユニットで構成される。1つが『MST-02P』(税抜価格:4万8000円)、もう1つが『MST-1SM』(税抜価格:2万4000円)だ。

それぞれが何であるのかを説明していこう。まずは『MST-02P』から。これについてはカタログを見ると「シックスオクターブミッドツイーター」と書かれている。確かにそのフォルムは、少々大きめのツイーターといったところなのだが、通常のツイーターとは大きく異なる。違いは「再生レンジが広いこと」だ。

その“広さ”たるや、なんと6オクターブ。人間の可聴帯域は20Hzから20kHzまでで、その範囲は音程で言うとちょうど10オクターブ分なのだが、『MST-02P』はその範囲の中の60%強をカバーできる。ちなみにスペック表の“周波数特性”の記載は「200Hz~20kHz」。ここまでワイドレンジなツイーターはそうそうない。

そしてもう1つの『MST-1SM』の方は、カタログによると「MSTシステムコントロールユニット」と記載されている。そう聞くと、何らかの“デジタル器機”であるかのように思えるが、当機はまったくの“アナログ”機材だ。ひと言で言うならば、『MST-02P』専用の“パッシブクロスオーバーネットワーク”。アナログ的な方法で『MST-02P』の鳴らし方をコントロールするユニット、なのである。

CDTオーディオ・MST-02P

(写真)CDTオーディオ・MST-02P


『MST』の導入スタイルは2パターン。『MST-02P』を単独使用するかセットで用いるか。


なお、『MST』の各ユニットは、それぞれが単独で販売されている。その理由は、『MST-02P』が単独でワイドレンジツイーターとして使用できるからだ。

というわけで『MST』は、2とおりの使い方ができる。『MST-02P』を単独で活用するか、『MST-02P』と『MST-1SM』とをセットで用いるか。そしてそれぞれで、得られるメリットも少々異なってくる。

今回はまず、2つをセットで使ったときに得られるメリットについて徹底的に解説していく。

ところでこの利点を理解するにあたり、1点、確認しておくべき事柄がある。それは、『MST』は「補助機材である」ということ。これのみでは、音楽の再生装置として成り立たない。使用しているスピーカーシステムに“アドオン”して使うアイテムであるのだ。

さて、既存のスピーカーシステムに『MST』を加えると、なぜに「音場や音像をよりリアルに再現すること」が可能になるのだろうか。

理由はズバリ、『MST』を用いると、カーオーディオが宿命的に背負っている音響的な不利を効果的に改善できるから、だ。

ところで、ハイエンドカーオーディオの世界では、“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”が用いられることが一般的になっている。その理由もまさに、カーオーディオにおいての音響的な不利を克服するためだ。スピーカーと正対できないことや、リスニングポジションが左右のどちらかに片寄ること、空間が狭いがゆえに音が反射の影響を受けること等々を、デジタルチューニング機能で補完しようとするのである。

CDTオーディオ・MST-1SM

(写真)CDTオーディオ・MST-1SM


“DSPの導入”や“3ウェイ化”と比べて、より簡単で確実!


また、ハイエンドカーオーディオの世界では、“3ウェイ化”が図られることも多いが、これもまた、音響的な不利を克服するための1つの手段だ。

というのも、通常の2ウェイではボーカル帯域をはじめ音楽の主要な部分がミッドウーファーで奏でられることになるのだが、しかしミッドウーファーは取り付け位置が低く、しかもリスナーに対する角度が開いてしまう。なので多かれ少なかれ情報量の欠落が起こり得る。

しかしながら“3ウェイ化”すると、それらの不利を改善可能だ。中域を再生するスコーカーを設定することで、中域の再生能力を上げられるからだ。

ただし…。“DSP”の導入も“3ウェイ化”も、ハードルは低くない。基本的にはシステムが巨大化していくのでコストがかさむ。そして高度な取り付け技術と高度なチューニング技術も必要となる。極論を言えば、失敗も起こり得る。

しかしながら『MST』なら、より簡単に、より確実に、カーオーディオにおける音響的な不利の克服が可能となるのだ。

中域から高域まで幅広い音域をカバーできる「シックスオクターブミッドツイーター」である『MST-02P』を追加することで、既存のスピーカーシステムではロスしていた情報を補完できるようになる。結果、「音場・音像をよりリアルに再現できるようになる」というわけなのだ。

しかも、システムが巨大化することがない。既存のスピーカー配線に割り込ませるだけなので、パワーアンプを追加する必要もない。取り付けにおいても大きな改造が必要ない。

『CDTオーディオ・MST-1SM』の内部基板。

(写真)『CDTオーディオ・MST-1SM』の内部基板。


『MST』では、スピーカーのインビーダンスが変化しない!?


ところで通常ならば、既存のシステムにもう1つスピーカーユニットを足すと、つまりは並列接続でスピーカーユニットを増設すると、スピーカーのインピーダンス(抵抗値)が半分に下がる。カーオーディオ用のスピーカーの多くはインピーダンスが4Ωで設計されているのだが、並列接続でスピーカーを増やすとインピーダンスは2Ωに下がるのだ。なのでもしもそれをしようとするのなら、2Ω接続に対応したパワーアンプを使うことがマストとなる。対応していないパワーアンプでそれを行うと、大きな負荷がかかり、最悪アンプが故障する。

しかし『MST-1SM』には「インピーダンス補正回路」が組み込まれているので、当システムを並列接続で組み入れても、インピーダンスは変化しない。なのでパワーアンプへの負荷も変わらない。

かくして、ここまでの話を一旦まとめておこう。

『MST』とは何なのか。これはつまり、“DSP”の導入でも“3ウェイ化”でもない、「新たな音質向上策」を実行できるアイテムだ。しかもそれを、比較的に簡単に行える。『MST』以外のユニットを増設する必要もない。

さて、次回はこの効果を試したさまざまなテスト結果をリポートしていく。実際に『MST』がどれほどの音質向上を果たせるのか、その一部始終をお伝えする。お楽しみに。

《太田祥三》

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