本格ケーブルブランド“Zonotone”から登場したニューアイテムを、緊急テスト!! <前編> | Push on! Mycar-life

本格ケーブルブランド“Zonotone”から登場したニューアイテムを、緊急テスト!! <前編>

多くのホームオーディオ愛好家から高評価を得ている本格ケーブルブランド“Zonotone(ゾノトーン)”。同社の知名度が今、カーオーディオフリークの間でもじわりじわりと高まりつつある。そんな“Zonotone”から注目すべき製品が2つ、新登場を果たした。

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Zonotone・Grandio AC-1
  • Zonotone・Grandio AC-1
  • テストに使用したスピーカー(ZRスピーカーラボ・エントリーライン)。
  • Zonotone・7NAC-Neo Grandio10Hi
  • Zonotone・Grandio AC-1

多くのホームオーディオ愛好家から高評価を得ている本格ケーブルブランド“Zonotone(ゾノトーン)”。同社の知名度が今、カーオーディオフリークの間でもじわりじわりと高まりつつある。そんな“Zonotone”から注目すべき製品が2つ、新登場を果たした。

それらの実力を早速試す機会に恵まれた。参考モデルも含め入念なテストを実施した。その模様を2週に分けてお伝えする。

フラッグシップ、ならびに2ndグレードのニューインターコネクトケーブルが登場。


発売された新製品とは、以下の2つだ。ともに“インターコネクトケーブル(ラインケーブル)”であり、1つが『Grandio AC-1(グランディオAC-1)、もう1つが『Shupreme AC-LX(シュプリームAC-LX)』だ。

ところで、“Zonotone”の“インターコネクトケーブル”のラインナップは、4つのレギュラーシリーズに1つのスペシャルシリーズを加えた計5シリーズで構成されている。レギュラーシリーズは上から『Shupreme(シュプリーム)』、『Grandio(グランディオ)』、『Neo Grandio(ネオ・グランディオ)』、『Granster(グランスター)』と続き、そしてもう1つ創立10周年を記念して作られた新コンセプトシリーズ『Royal Spirt(ロイヤルスピリット)』がある、という内訳となっている。

というわけで今回登場する『Grandio AC-1』は2ndグレードの新製品であり、『Shupreme AC-LX』はフラッグシップグレードのニューバージョンだ。ハイグレードなモデルの選択肢が、一層拡充することと相成った。

さて、早速インプレッション・リポートを始めようと思うのだが、その前に試聴環境を簡単に説明しておきたい。テストは、"Zonotone"製品のカーオーディオ市場での窓口となっている“イース・コーポレーション”の試聴室で実施した。PC→USB DAC→パワーアンプ→パッシブクロスオーバーネットワーク→スピーカーというシステムを組み、パワーアンプには“グラウンドゼロ”の『GZPA 2SQ』(税抜価格:21万5000円)を、リファレンススピーカーには“ZRスピーカーラボ”の『エントリーライン』(税抜価格:38万8000円、2ウェイ)をそれぞれ使用した。

ケーブルは次のとおり。スピーカーケーブルに"Zonotone"の『6NSP-Granster 5500α』(4000円/1m、税抜)を、USBケーブルに“チェルノフケーブル”の『CLASSIC USB A-B IC100』(税抜価格:1万7000円、100cm)を、パワーケーブルに“チェルノフケーブル”の『STANDARD DCPOWER 4AWG』(税抜価格:2600円、1m)をそれぞれ使用した。

テストに使用したスピーカー(ZRスピーカーラボ・エントリーライン)。

(写真)テストに使用したスピーカー(ZRスピーカーラボ・エントリーライン)。

まずは参考モデルとして、3rdグレードとなる『7NAC-Neo Grandio10Hi』の音を確認。


最初に、スタンダードシリーズである『Gransterシリーズ』中の最上位モデル『7NAC-Granster 5000α』(税抜価格:4万円、RCA・1.0mペア)を使ってシステム全体の音を確認し、その上で、参考モデルとして3rdグレードの『7NAC-Neo Grandio10Hi』(税抜価格:8万3000円、RCA・1.0mペア)の音を聴いてみた。

ちなみにメーカーのHPを見ると当機については以下のような説明が記されている。「『Shupremeシリーズ』の透明感と躍動感。完成度の高さを誇る『Grandio』の密度の高さと繊細感。その両者のエッセンスを限りなく吸収して完成させた」とのことだ。聴いてみると確かに、情報量の多さが際立っていた。『7NAC-Granster 5000α』を使って確認したサウンドに比べ音数が一段と増えていて、全体に充実感がみなぎっている。

そして、味わい深さも好印象。倍音が増え音色がより豊かになり、耳当たりが一層心地良くなっていた。さらにはすっきり感も増していて見通しも明るい。1音1音の輪郭はよりシャープ。さらには、切れ味も増した。音の立ち上がりが速く、リズムのノリもより快活。ベースラインの躍動感、グルーヴ感も良化している。

価格的には十二分にハイエンドケーブルと言える範疇に入ってる当機。価格に見合う満足度の高いサウンドを楽しめた。

Zonotone・7NAC-Neo Grandio10Hi

(写真)Zonotone・7NAC-Neo Grandio10Hi

使われている導体は5種、構造にもこだわりが満載!


続いては今回の新作のうちの1つ『Grandio AC-1』の音を聴いたのだが、試聴記に入る前に、基本スペックと特長を確認しておきたい。まず価格やサイズ等々は以下のとおりだ。

☆Grandio AC-1 RCA(税抜価格:8万5000円、RCA・1.0mペア)
●仕様:RCAインターコネクトケーブル
●導体サイズ:1.7スケア(5芯)×2(計10芯) ●導体外形寸法:Φ16mm(ケーブル部分直径) ●RCAプラグ外形寸法::Φ14mm
※1.0mを超える長さについては0.5m間隔にて特注可

なお、『7NAC-Neo Grandio10Hi』よりもグレードが1つ上とは言いつつも、価格的な差はほとんどない。この点はある意味“Zonotone”らしいとも言えるだろう。“Zonotone”はハイクオリティなケーブルを作り出しつつも、「適価であること」もポリシーとしている。もちろん、上級モデルになるほどに価格は上昇していくのだが、トップエンドのモデルにおいても超ド級な価格にはならないように配慮されている。当機でもそのポリシーが発揮されていることを伺い知れる。

ただし価格は抑えられていながらも、導体素材や構造はなかなかの豪華仕様。使われている導体素材は『7NAC-Neo Grandio10Hi』では4種。それに対し当機では5種が使われている。超高純度7NクラスCuを中心に、新素材の高機能純銅線HiFC、高純度無酸素銅線PCUHD、錫メッキOFC、高純度無酸素銅、これらを“Zonotone”ならではの黄金比によってハイブリッドさせてある。

構造面では、『7NAC-Neo Grandio10Hi』が4芯×2(8芯)構造であるのに対し、当機は「完全独立の10芯導体を配置する」という他のモデルでは使われていない特別な構造が採用されている。

素材、構造ともにこだわりが満載された当機。サウンドに対する期待も、否が応にも高まっていく…。

Zonotone・Grandio AC-1

(写真)Zonotone・Grandio AC-1

目指したのは「『Grandioシリーズ』を超えること」。その回答を音で実感!


ところで『Grandioシリーズ』とは「“Zonotone”の音づくりの原点」とも言うべき由緒正しき中心シリーズの1つだ。しかしながら当機は、「既成の概念に縛られぬ大胆で斬新なアプローチ」により、従来の『Grandioシリーズ』を超えることが目指され開発されているという。そのコンセプトが音にどう反映されているのかを楽しみに、試聴を開始した。

テストトラックのイントロが流れ、まず思ったことは「実在感の高さ」だった。1音1音が至ってリアル。手を伸ばせば楽器に触れられそうなほど、リアリティが高い。目をつぶれば、演奏している現場にいるかのようにイメージできる。解説文には「オンステージで聴いているような臨場感を体感できる」と記されているが、その説明がすんなり腑に落ちた。そしてこの臨場感がまさに「従来の『Grandioシリーズを超える」ことの回答のようにも思えた。かなりの迫力だ。

その上で、すっきり感も高い。ムダな響きは一切感じられず、見通しも実に良好だ。また味わい深さにも特長が感じられた。聴き応えのあるサウンドだった。

そして音楽性も高い。抑揚が大きく1フレーズごとの説得力が強力。また切れ味が鋭いのでノリも良い。楽曲の世界に引き込む力が至って強い。

総合力では『7NAC-Neo Grandio10Hi』との差は大きくないようにも思えたが、インパクトという点では『Grandio AC-1』が一枚上だ。音楽の迫力を強く感じたいと思うなら、試してみる価値は高そうだ。サウンドからも“意欲作”であることがひしひしと感じ取れた。

さて次回は、トップエンドシリーズに新たに加わった『Shupreme AC-LX』のインプレッションリポートを詳しくお伝えしていく。乞うご期待。

《太田祥三》

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