カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part10 調整能力を得るための機器について | Push on! Mycar-life

カーオーディオをもっと身近に感じるための、『ザ・用語解説!』 Part10 調整能力を得るための機器について

クルマの中でもっと良い音を聴きたいと思いながらも、カーオーディオになんとなく壁を感じている方々に向けて、当特集をお贈りしている。まずは“用語の難しさ”を取り払うことで、カーオーディオをより身近に感じていただこうと試みている。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
単体DSPの例(フォーカル・FSP-8)。
  • 単体DSPの例(フォーカル・FSP-8)。
  • ハイエンド・メインユニットの例(ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • パワーアンプ内蔵DSPの例(オーディオコントロール・D-4.800)。

クルマの中でもっと良い音を聴きたいと思いながらも、カーオーディオになんとなく壁を感じている方々に向けて、当特集をお贈りしている。まずは“用語の難しさ”を取り払うことで、カーオーディオをより身近に感じていただこうと試みている。

直近の2回で、カーオーディオでは高いチューニング機能を有した「プロセッサー」を導入すると音を良くできることについてあれこれと解説した。今回は、「プロセッサー」にはどのようなタイプがあるのかを、『用語解説』的なアプローチで考察していく。

01・「ハイエンド・メインユニット」とは?

「プロセッサー」を導入するための手段は、3つ存在している。その1つ目は、「ハイエンド・メインユニット」を導入する、という方法だ。

さて、「ハイエンド・メインユニット」とはどのようなものなのだろうか。

結論から入ろう。「ハイエンド・メインユニット」とはズバリ、「音響パーツに贅が尽くされ、かつ高度なプロセッサーが搭載されている機器」である。つまり、音に特化した「メインユニット」ということになる。

ところで「メインユニット」とは、カーオーディオシステムの“核”となる装置のことを指す。ちなみに言うと、かつては1DINの「CDプレーヤー/チューナー」タイプの「メインユニット」がもっともスタンダードだったのだが、近年は「AV一体型ナビ」が主流となっている。「AV一体型ナビ」とは、カーナビとオーディオ/ビジュアルの再生装置そしてモニターとが一体化したものだ。カーナビは今から約30年前に誕生したのだが、カーナビを導入すると「カーオーディオメインユニット」を取り付けるスペースがなくなってしまうので、程なくしてカーナビに「メインユニット」の機能も搭載されるようになり、その後この「AV一体型ナビ」という言葉が生まれている。そして今やこれが、「メインユニット」の代表的な存在となっている、というわけだ。

さて、音に特化した「メインユニット」に搭載されている「プロセッサー」は、そうではない「メインユニット」に搭載されているものとどのような違いがあるのだろうか。もっとも大きな違いは、「フロント2ウェイスピーカーを緻密にコントロールできること」にある。特に、自分の座席位置を各スピーカーから等距離の場所であるかのように変えられる「タイムアライメント」という機能を、ツィーターとミッドウーファー(ドアに装着したスピーカー)のそれぞれに個別に適用できるようになっていると、その「プロセッサー」は“高度”なタイプであると言える。「タイムアライメント」がそのような仕様になっている機種では自ずと、「イコライザー」や他のチューニング機能も高性能になってくる。

具体的には『ダイヤトーンサウンドナビ』や『カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ』あたりが、現在の「ハイエンドメインユニット」の主だった機種である。

02・「パワーアンプ内蔵DSP」とは?

続いては「プロセッサー」を導入する2つ目の手段について解説していく。それは「パワーアンプ内蔵DSP」を導入するという方法である。

「パワーアンプ内蔵DSP」とは、ひと言でいうならば、「プロセッサーとパワーアンプが一体化したユニット」だ。

ところで「プロセッサー」は、カーオーディオシステムの中では「パワーアンプ」の前段に組み込まれることとなる。パワーアンプで増幅された後の信号では制御するのが大変だ。微弱な状態のままで制御した方が確実なのだ。そしてその「プロセッサー」の後段に、信号を増幅するための装置であるパワーアンプを組み込む必要がある。

しかしながら「パワーアンプ内蔵DSP」は、「プロセッサー」と「パワーアンプ」とが一体化されているので、パワーアンプを別途導入しなくても良い。これを導入すれば即、各スピーカーを緻密にコントロールできるシステムを完成させられる。

なお、「ハイエンド・メインユニット」も、パワーアンプが内蔵されているのでこれを用いれば簡単に、高度な「プロセッサー」が組み込まれたシステムを完成できる。でも「メインユニット」を交換できないクルマでは「ハイエンド・メインユニット」を導入するという選択肢は選べない。

この「パワーアンプ内蔵DSP」は、そのようなケースでとても重宝する。昨今は、メインユニットを交換できないクルマが増えてきた。ゆえにこの「パワーアンプ内蔵DSP」の存在感もますます高まってきている。

03・「単体DSP」とは?

次いでは「プロセッサー」を導入する3つ目の手段となる「単体DSP」を導入する方法について解説していく。まずは「単体DSP」とは何なのか、から解説していこう。

「単体DSP」とは、読んで字の如く「デジタル・シグナル・プセッサー単体のユニット」のことを指す。

なおここまで紹介してきた2つは、「プロセッサー」を組み入れたシステムを手軽に構築できることを特長としていたが、この「単体DSP」ではそうはいかない。なぜならば、「パワーアンプ」が別途必要となるからだ。システムが大がかりになるので、コストもかさみがちとなりインストールスペースもより大きく必要となる。

しかしながら導入のハードルが高いがゆえに、得られる結果もハイレベル。理由は主に2つある。1つは、「高性能な機器が多いから」だ。専用機であるのでより本格的なモデルが多く、高額な機種も多々ある。もちろん中にはリーズナブルであることを特長としたモデルもあるが、全体的な傾向としてはよりハイエンドなモデルが多くなっている。

理由の2つ目は「好みのパワーアンプを自由に選べるから」だ。予算さえ許せば超高級なモデルを投入することも可能だ。またはコスト的にはそこそこのモデルであったとしても、好みの音を奏でられるモデルをチョイスできる。システムプランを考えるところから楽しみ尽くせる、というわけだ。

ところで、「プロセッサー」を導入しようとする際には、「カーオーディオ・プロショップ」の力が必要となる。高度なチューニング能力をシステムに追加したならば、その能力を十二分に引き出せないと意味がない。「カーオーディオ・プロショップ」ならばその技術を持ち合わせている。

さて。このように「プロセッサー」を導入するアプローチには3タイプが存在している。愛車の状況と予算に合わせて、もっともしっくりくるやり方を選んでほしい。そしてそれを実践し、「プロセッサー」を導入することで得られるメリットを存分に味わい尽くそう。貴方もぜひに♪

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top