音楽は何で聴く? “ソースユニット”大研究! 第8回『ビーウィズ・STATE MM-1D』編 | Push on! Mycar-life

音楽は何で聴く? “ソースユニット”大研究! 第8回『ビーウィズ・STATE MM-1D』編

カーオーディオで使われる“ソースユニット”について、選択肢の1つ1つを紹介している当短期集中連載。前回からは独自性の高いユニットを個々に取り上げている。今回は、国産ハイエンドカーオーディオブランド、「ビーウィズ」の『STATE MM-1D』に焦点を当てる。

カーオーディオ カーオーディオ特集記事
『ビーウィズ・STATE MM-1D』の装着例。

カーオーディオで使われる“ソースユニット”について、選択肢の1つ1つを紹介している当短期集中連載。前回からは独自性の高いユニットを個々に取り上げている。今回は、国産ハイエンドカーオーディオブランド、「ビーウィズ」の『STATE MM-1D』に焦点を当てる。

■初代モデルが登場した2005年当時のカーオーディオシーンとは…

「ビーウィズ」の“リニアPCMプレーヤー”『STATE MM-1D』は、まさしく唯一無二のカーオーディオ用“ソースユニット”である。コンセプトも、形状も、機能も、性能も、すべてにおいて独特なハイエンド“メインユニット”に仕上げられているのだ。

まずはコンセプトから紹介していこう。基本的なコンセプトは、初代モデルから継承され続けている。

ところで、初代モデル『Mirror Media MM-1』は、2005年の6月に登場した。ちなみに当時のハイエンド・カーオーディオにおいてのメインユニットは、CDプレーヤー/レシーバーが定番だった。そしてそれは以下の3タイプに分類できた。パワーアンプとDSPを内蔵しない(DSPのコントローラーとしては機能する)単体プレーヤータイプ、DSPを内蔵したタイプ、DSP+パワーアンプまでもを内蔵したタイプ。これらはすべて、1DINのメインユニットであり、純正オーディオとの交換を前提としていた。

なお、当時は“カーシアター”も人気を博していて、“AVヘッド”もメインユニットの1タイプとして支持を得ていた。こちらは、インダッシュモニターを備えたCD/DVDプレーヤー、という成り立ちをしていて、筐体は2DINサイズ。当然ながら、純正メインユニットとの交換が前提だった。

ところがこの少々前あたりから徐々に、ハイエンドメインユニットに交換しづらい(ハイエンドメインユニットを導入しづらい)、という要因が生まれ始めていた。それは主に2つ。1つは「ナビゲーションとハイエンドメインユニットとの併用がしづらいこと」、もう1つは「異形インパネを採用した車種が増え、そもそもメインユニットを交換しづらいこと」である。それでも、ナビも含めて計3DIN分のスペースをなんとか確保してハイエンドメインユニットが導入されていたりしていたのだが…。

しかしながら流れとしは、「ハイエンドメインユニットに交換する」というスタイルが減っていくことが予想され始めてもいた。イコール、カーオーディオ文化の衰退も危惧され始めた…。

■カーオーディオにおけるさまざまな問題点を解決可能なユニットとして登場!

そのような時代背景の中で「ビーウィズ」の『Mirror Media MM-1』は登場した。当機はまさに、当時のそれらネガティブな要因のソリューションとして誕生したと言っていい。装着場所をルームミラーとしたことで、市販ナビゲーション、または純正メインユニットとの共存が可能となった。ハイエンドメインユニットを導入しづらいケースにおいても、それを実現できることを主たるコンセプトの1つとしていたのだ。

また、『Mirror Media MM-1』に付属されていた“スマートインターフェース”は、ハイレベルインプットも備えていて、純正メインユニット、もしくは市販ナビの音声も取り込み、それらをシステムの一部として活用することも可能としていた。

そして言うまでもなく、高音質であることも当機の大きな特長の1つだった。再生メディアを“コンパクトフラッシュ”とすることで回転メカが不要となり音飛びがなくなり、それ以外でも音に良いさまざまな工夫が施されていて、音質面においても十二分にハイエンドたりえていた。

つまり『Mirror Media MM-1』は、新時代の高音質“ソースユニット”であることをコンセプトとしていた、というわけだ。

すべてが斬新過ぎて、良さが理解されにくいという問題も一部発生したが、しかし、当機のコンセプトをすんなりと理解でき、そして高音質であることを認めたユーザーは、これを早速愛用した。そして、カーオーディオの新たな“メインユニット”の形として、次第に浸透を深め、愛用者は年々増加していった。

■製品タイプは2つ。フルビーウィズシステムへの組み込みが前提のモデルと、汎用セットとがある。

続いては、最新機種の実力を分析していこう。まずはラインナップから。現在は、『STATE MM-1D』(税抜価格:20万円)と、『MM-1DT/6』(税抜価格:31万円)とが用意されている。2機種間での違いは以下のとおりだ。前者は、マルチプロセシングDACシステム『BEWITHSTATE』、『STATE A6』、または既存の“スマートインターフェース”と接続して使用するデジタル接続専用モデルである。つまり、これらを用いた「ビーウィズシステム」を構築済みの場合にのみ使用可能となる。対して後者は、他社製品のD/Aコンバーターやオーディオメインユニットと組み合わせて使えることを特長としているもので、専用インターフェースユニット、長さ6mのMLリンクケーブルがセットされている。当機のデジタル出力を愛用のシステムに取り入れたり、または、“AUX出力”を『メインユニット』の“AUX”端子で受ける、という手軽な楽しみ方も可能としている。

ちなみに、一般的な『メインユニット』の“AUX端子”にて信号を受ける形で楽しんでも、当機の音の良さははっきりと確認できる。音の解像度の高さが十二分に確保されているので、合理的な接続方法を選択しても、利点が隠れてしまうことがないのだ。もちろん高額な製品であるので、システム全体をハイエンド化させたほうが良さはさらに生きてくるが、ライトなシステムに“一点豪華”的に当機を導入しても、その高音質性能を存分に楽しめる。

なお、本体にはディスプレイも内蔵されている。このディスプレイは曲目等を表示させるためのものだが、スマートインターフェース等を介して、バックカメラなどの外部映像信号を入力して表示することも可能だ。

手軽な取り付け方法で車載専用ハイエンド“ソースユニット”を導入したいと考えたら、選択肢は当機だけ、と言っていい。高音質システムの構築に興味があれば、当機に注目して損はない。

さて次回は、連載の最終回として、「クラリオン」の『フルデジタルサウンド』をフィーチャーする。お読み逃しなきように。

《太田祥三》

特集

関連ニュース

page top