愛好家の必需品、オーディオテクニカの「デジタルトランスポート」。新旧モデルを徹底比較!! | Push on! Mycar-life

愛好家の必需品、オーディオテクニカの「デジタルトランスポート」。新旧モデルを徹底比較!!

カーオーディオ 特集記事

左が新製品『AT-HRD500』、右が従来機『AT-HRD5』。
  • 左が新製品『AT-HRD500』、右が従来機『AT-HRD5』。
  • オーディオテクニカ『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD500』。
  • オーディオテクニカ『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD500』。
  • オーディオテクニカ『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD500』。
  • オーディオテクニカ『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD500』。
  • オーディオテクニカ『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD500』。
  • オーディオテクニカのデモカー「トヨタ・ハリアー」。
  • オーディオテクニカのデモカー「トヨタ・ハリアー」。
ハイエンドカーオーディオ愛好家の必需品となっているオーディオテクニカの「デジタルトランスポート」が、モデルチェンジを果たした。進化点はどこか、音質性能は向上を遂げているのか否か。それらを確かめる機会が得られた。そのリポートを詳細にお伝えしていく。


■「デジタルトランスポート」がマストアイテムである、その理由とは…。

今回、新登場した製品は、『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD500』。当機の役割はズバリ、「“ハイレゾ音源”対応のポータブルデジタルオーディオプレーヤーと、カーオーディオシステムとを橋渡しすること」である。

ところで「デジタルトランスポート・D/Aコンバーター」の従来機『AT-HRD5』は、ハイエンドカーオーディオ愛好家たちのマストアイテムとなっていた。まずはその背景を簡単にご説明しておこう。

今や、ハイエンドカーオーディオの世界では、「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」が用いられることが主流となっている。好きな音楽を好きな音量で楽しめることなど、カーオーディオには良さが多々あるのだが、反面、車室内は音響的なコンディションがあまり良くない。それを補正するために「DSP」が重宝されているのだ。

そしてここにきて、音楽の聴かれ方が変化してきた。カーオーディオの世界でも、急速に“ハイレゾ音源”が浸透し始めている。ただし、車載用の「ハイレゾプレーヤー」はまだバリエーションが多くなく、“ハイレゾ音源”に対応したいわゆる「DAP」(デジタル・オーディオ・プレーヤー、スマホやタブレットやポータブルハイレゾプレーヤー等)が用いられることが多い。「DAP」には超ハイエンドなモデルもあり、高性能(高音質)であることも人気の要因となっている。

ところが…。

「DAP」側の出力端子のタイプがまちまちで、かつ「DSP」側の入力端子のタイプもまちまちだ。さまざまな規格が存在しているのだ。そこでこの「デジタルトランスポーター」が登場した。「DAP」と「DSP」間の“交通整理”をする機器が必要だったのだ。


■“ハイレゾ音源”を楽しむための機器としての“頼り甲斐”が、多角的に向上!

かくして、2015年の夏に登場した初代の『デジタルトランスポート・D/Aコンバーター AT-HRD5』は、ハイエンドカーオーディオ愛好家たちの厚い支持を集めることとなる。そんな人気アイテムが今回モデルチェンジされ、『AT-HRD500』として生まれ変わった、という次第なのである。

進化ポイントは主に3点ある。まず1点目は、「USB入力」において。ここに使われるUSB Audio用のICが、より高性能な「SAVITEC社製SA9123L」へと変更された。その結果、当モデルから新たに、“DSD64”、“DSD128”の再生も可能になった(デジタル出力時はPCM変換して出力される)。“ハイレゾ音源”への対応力が拡大されたのだ。

2点目は、「デジタル出力」において。ここに「AKM社製高性能サンプリングレートコンバーターAK4137EQ」が新搭載されている。これにより、出力する“ハイレゾ音源”のサンプリング周波数を、使用する「DSP」の許容値に合わせることが可能となった。

当機能が活躍するのは以下のような場面だ。例えば使用する「DSP」のサンプリング周波数が“96kHz”までしか対応していない場合、「DAP」側から“192kHz”の音楽信号が送られてきても再生できない。つまり、音が出ないのだ。しかし当機能を使えば、「DSP」が対応するサンプリング周波数に変換して出力される。これまで聴くことができなかった曲も、聴けるようになるのだ。この違いは相当に大きい。

『AT-HRD500』は、自身が読み込めるファイルタイプを増やし、同時に、「DSP」が読み込めるファイルタイプも増やした。“ハイレゾ音源”を楽しむための機器としての“頼り甲斐”がぐっと高まっている、というわけなのだ。


■新搭載された「サンプリングレートコンバーター」は実は、他の利点も生み出している。

実は…。サンプリングレートコンバーターの搭載によってもたらされる利点は、他にもある。それこそが今回のモデルチェンジのハイライトと言ってもいい。サンプリング周波数を変える変えないに関わらず、当ICを信号が通過することで、“音質が向上する”というのである。

その仕組みは以下のとおりだ。入力された信号がサンプリングレートコンバーターを通過すると信号の再構築が行われ、これにより “ジッター”(音楽信号の時間揺らぎ)が補正される。結果、D/D変換時の音質向上が成し遂げられる、というわけだ。

そして3点目の進化点とは。それは「DAC出力」において。ここに、出力レベル切替機能が追加されている。

『AT-HRD5』は、優秀なDAC(D/A ICには高性能な「ESS社製E9018K2M」が使われていた。『AT-HRD500』でも同様のICを使用)としても機能していた。「DAP」のデジタル出力から信号を取り出し、高精度にアナログ変換し、カーオーディオ側の「外部音声入力(AUX)」にその信号を送り込むという使い方もされていたのだが、『AT-HRD500』では、そのときの音質性能も高められているのだ。

そのメカニズムはこうだ。「外部音声入力」は、機種によって入力電圧が異なっていて、対応電圧が低いところに電圧が高い信号を入れると、音声が歪む可能性が発生する。“クリップ”が起こりかねないのだ。逆に、入力電圧が高い機種には、高い電圧の信号を送り込んだほうが音質的に有利だ。ボリューム感が増大し、何よりノイズの影響をさらに減らせることができるので、S/Nの向上も果たされる。

それらを調節すべく当機では、アナログ変換した後の出力電圧を切り替えられるようになっている。


■気になる比較試聴の結果は。まずは従来機から聴いた。十二分に高音質だと思えたが…。

さて問題は、実際の音だ。オーディオテクニカのデモカー、「トヨタ・ハリアー」にて、新旧の比較テストを行い、音が進化しているのか否かをじっくりとチェックしてきた。

当デモカーの主要システムは以下のとおり。フロントスピーカーにはモレルの上級モデルが採用され、それを駆動するパワーアンプはカロッツェリアX。そして信号を制御する「DSP」にはビーウィズのハイエンドモデルがチョイスされている。オーディオテクニカの各製品の実力を知るための良好な環境が整えられている。

従来機『AT-HRD5』の音から確認した。ソニーの『ウォークマン』をUSBで接続し、D/Aを使用したとき(アナログ出力)、そしてD/Dを使用したとき(デジタル出力)の、両方の音を聴いてみた。

それぞれ、流石の高音質だ。“ハイレゾ音源”ならではの臨場感や説得力を存分に楽しめた。高解像度で高S/N。音楽を聴きながら、何度もぞくぞくっとする感覚を味わえた。やはり、デジタルで入力しているときが特に良い。最高レベルのサウンドが目の前に広がっていた。

これ以上の音があるのかと、半信半疑でニューモデル『AT-HRD500』の音を確認してみると…。

まずは、『AT-HRD500』のアナログ出力の音から聴いたのだが、なるほど、全体のクリアさが上がっている。ちなみにビーウィズの「DSP」の外部音声入力の電圧は低めだという。それに『AT-HRD500』の「DAC出力」の電圧が揃えられているからだろう、音から雑味が消え、スッキリ感が増している。ボーカルの高音の伸びも増した。

続いては、デジタル出力された音を確認したのだが…。

これには正直、驚かされた。音質向上幅が予想以上だったのだ。違いとして大きかったのは、リアルさだ。とにもかくにも1音1音が生々しい。実在感が増し、立体感も向上している。サウンドステージの立体感が良化したのはもちろん、音符1つ1つの“3D度合い”が高まっているのだ。質感も向上しているので、耳当たりの心地良さもなんとも言えない。そして音楽の感動力も高まっている。胸に迫ってくる迫力が、相当に増している。恐れ入った。

ここまでの音質向上が図られていながらも、なんと価格は据え置き。製品のグレードは確実に上がっているにも関わらず…。

当機を使うことで、車内の “ハイレゾ音源”のリスニング環境は間違いなく向上する。今の音をさらに良くしたいと思うなら、当機の導入を検討すべきだろう。期待以上の効果が得られる可能性は、かなり高い。
《太田祥三》

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