車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ! Part.7「簡易的な機能の活用術」 | Push on! Mycar-life

車内の音を良くするために「チューニング機能」を導入せよ! Part.7「簡易的な機能の活用術」

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ロックフォード・フォズゲートのスピーカー『T5』の装着例。当スピーカーの付属「パッシブクロスオーバーネットワーク」も、“バイアンプ接続対応”タイプだ。
  • ロックフォード・フォズゲートのスピーカー『T5』の装着例。当スピーカーの付属「パッシブクロスオーバーネットワーク」も、“バイアンプ接続対応”タイプだ。
  • ロックフォード・フォズゲート『T5』。四角いパーツが「パッシブクロスオーバーネットワーク」だ。
クルマの中で良い音を聴きたいと考えたとき、取るべき作戦は2つある。1つが、音の“質”を上げるというアプローチ、そしてもう1つが、“ステレオイメージ”を向上させるという方法だ。当短期集中連載では、後者を実行するための具体的な方法をご説明してきた。

それを実行するためには、車内に「サウンドチューニング機能」を取り入れる必要がある。そしてそれにはいくつかのやり方があり、その1つ1つをご紹介してきたわけだ。今回はその最終回として、「簡易的な機能の活用術」を解説していく。


■「タイムアライメント」には、詳細に制御できるものと、簡易的なものの2種類がある。

初めに、これまでの内容を簡単におさらいしておきたい。今回は「サウンドチューニング機能」にフォーカスしてきた。その中には項目が、主に3つある。「クロスオーバー」、「イコライザー」、そしてもう1つが「タイムアラインメント」だ。そしてその中でも当特集では、「タイムアライメント」に着目してきた。これは、近くにあるスピーカーに対して、音を発するタイミングに遅延をかけて、すべてのスピーカーから発せられる音が同じタイミングでリスナーに届くようにする、という機能である。

カーオーディオでは、リスニングポジションが左右のどちらかに偏ることとなる。これが原因となり、“ステレオイメージ(立体的な音像)”を感じ取れなくなってしまうのだが、「タイムアライメント」を効かせることで、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況が作り出せる。結果、“ステレオイメージ”をリアルに感じ取れるようになるわけだ。

ところでこの「タイムアライメント」には、詳細な調整が行えるタイプと、簡易的なタイプとがある。前者は、フロントスピーカーがセパレートタイプだった場合に、セパレートされている各スピーカー1つ1つに対して「タイムアライメント」を適用できる。

片や簡易的なタイプでは、トゥイーターとミッドウーファーを個別には扱えず、2つを1つのスピーカーとして制御することとなる。このようなタイプの「タイムアライメント」を搭載しているメインユニットでは、ユニット内で音楽信号は“右ch”と“左ch”という2つにわかれているだけで、それぞれのchの信号をトゥイーター用とミッドウーファー用とに帯域分割する機能を持たない場合が多い。結果、「タイムアライメント」を個別にコントロールすることができなくなっている、というわけだ。


■しかし、“簡易的”なタイプでも、「タイムアライメント」はなかなかに使える…。

で、これまで解説してきた方法においてはすべて、簡易的な「タイムアライメント機能」は除外してきた。詳細に操ることが可能なタイプの「タイムアライメント機能」を導入できる作戦のみをご紹介してきたのだ。

しかし…。実際のところは簡易的なタイプであったとしても、使ってみるとなかなかに効果を発揮してくれる。今愛用しているメインユニットの機能を確認して、簡易的であったとしても、もしも「タイムアライメント」が搭載されているならば、当機能を使わない手はない。使うか使わないかの違いは結構大きいのだ。

実際に運用する際には、以下のように操作をすると良いだろう。とりあえずはトゥイーターとミッドウーファーまでの距離を両方とも測定する(耳からスピーカーの中心までの距離を測ると良いだろう。右耳から右の各スピーカー、左耳から左の各スピーカーというように)。そしてトゥイーターとミッドウーファーまでの距離の中間値を、“右スピーカー”と“左スピーカー”のそれぞれの欄に入力。そうして出音を確認しながら微調整を加え、もっとも“ステレオイメージ”がリアルに感じられるポイントを探っていこう。

そして実は…。

簡易的なタイプの「タイムアライメント機能」であったとしても、工夫次第では、詳細にコントロールできるタイプに昇華させることも可能だ。どうすれば良いかと言うと…。

なお、これを実現するためには、前提条件が1つある。それは、フロントスピーカーの「パッシブクロスオーバーネットワーク」が“バイアンプ接続対応”になっていること、である。

“バイアンプ接続対応”とは、“ハイ入力”と“ロー入力”の2つの入力が備えられた仕様を指す。通常の「パッシブクロスオーバーネットワーク」は、フルレンジの信号を入力しそれを回路の中で帯域分割して、トゥイーター用とミッドウーファー用とに信号を分けて出力する。

しかし“バイアンプ接続対応”の場合は、トゥイーター用(ハイ入力)、ミッドウーファー用(ロー入力)それぞれの“専用入力端子”が備えられている。そこにそれぞれ、パワーアンプの別chから送られて来た信号を入力する。

そうして「パッシブ~」内でトゥイーター用の信号はローカットされ、ミッドウーファー用の信号はハイカットされる。このようにそれぞれ個別にフィルターが掛けられるので、「パッシブクロスオーバーネットワーク」内での信号の流れがシンプルになり、かつ、1つのスピーカーユニットに対して個別のchをあてがう(必要なパワーアンプのch数が、2chから4chへと増える)というゴージャスな状況となり、結果、音質が向上するのである。


■スピーカー交換がこれからならば、“バイアンプ接続対応”か否かを要チェック!

このように、“バイアンプ接続”を実践すると、確実に音質は向上する。そしてこの機構を活用することで、「タイムアライメント」を詳細にコントロールすることも可能となる。

具体的なやり方は以下のとおりだ。メインユニットのフロント出力を「“バイアンプ接続対応”パッシブ~」の“ロー入力”に接続する。そして、リア出力を“ハイ入力”に接続する。こうすると、フロントchをミッドウーファーchとして運用でき、リアchをトゥイーターchとして運用できるようになる。フロントスピーカーとリアスピーカーそれぞれに「タイムアライメント」が掛けられるという状況だったのを、トゥイーターとミッドウーファーそれぞれに「タイムアライメント」が掛けられる、という状況に変えられるのだ。

なお、フロントchをミッドウーファーchとして使うのにはワケがある。メインユニットがナビの場合は、ナビ音声はフロントchにあてがわれている場合がほとんどだ。それをトゥイーター用のハイ入力につないでしまうと、ナビ音声がカットされて(中低域はカットされるので)聞こえなくなってしまうからだ。

このように接続することで、リアスピーカーは鳴らせなくなるが、フロントスピーカーについては音質が向上するとともに、詳細なコントロールも可能となるのだ。

もしもお使いのメインユニットに簡易的な「タイムアライメント」機能が搭載されているのなら、市販スピーカーに交換する際は、付属の「パッシブクロスオーバーネットワーク」が“バイアンプ接続対応”かどうかをチェックしてみよう。対応しているスピーカーを購入すれば、とりあえず、新たに「サウンドチューニング機能」が搭載されているユニットを用意しなくても、車内に、ある程度詳細な「サウンドチューニング機能」を取り込むことが可能となるのだ。

さて、当短期集中連載は今回の記事を持って終了とさせていただく。「サウンドチューニング機能」があれば、すべての問題が解決するわけではなく、まずは取り付けが適切である必要があり、ほかにも大切なことがいくつかある。それらがしっかりした上で「サウンドチューニング機能」を活用すると、聴こえ方がまたさらに変わってくる。これを使ってみる価値は大いにある。ご参考にしていただけたら幸いだ。
《太田祥三》

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