【CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー)2016】発表! 2016年に支持を集めた機種は? 人気の傾向は? 市場の“今”を徹底分析! #06「注目パワーアンプ試聴リポート」 | Push on! Mycar-life

【CAOTY(カーオーディオ・オブ・ザ・イヤー)2016】発表! 2016年に支持を集めた機種は? 人気の傾向は? 市場の“今”を徹底分析! #06「注目パワーアンプ試聴リポート」

海外人気ブランドのカーオーディオ製品を多数、正規輸入・販売しているイース・コーポレーションが、毎年12月に発表する売れ筋製品のランキング【CAOTY】。総部門数26というこの壮大な集計結果を解析することで、カーオーディオ市場の“今”をも捉えようと試みている。

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試聴会場/イース・コーポレーション試聴室
  • 試聴会場/イース・コーポレーション試聴室
  • ロックフォード・フォズゲート R150X2
  • グラウンドゼロ GZHA 2400XII
  • ロックフォード・フォズゲート T600-2
  • レインボウ Germanium Two

海外人気ブランドのカーオーディオ製品を多数、正規輸入・販売しているイース・コーポレーションが、毎年12月に発表する売れ筋製品のランキング【CAOTY】。総部門数26というこの壮大な集計結果を解析することで、カーオーディオ市場の“今”をも捉えようと試みている。

今週は、先週までのパワーアンプのランク分析を踏まえて、注目モデルの試聴取材を実行してきたので、そのリポートを詳細にお届けしていく。

他を圧倒しているという人気モデルの、実力を検証!


パワーアンプについては、4機種をセレクトし試聴した。客観的な性能比較がしやすいように、すべて2chモデルの中からチョイスした。試聴機は以下の4モデル。「2chパワーアンプ6万円未満部門」から第1位に輝いた、ロックフォード・フォズゲートの『R150X2』(税込価格:2万8080円)を、「2chパワーアンプ6万円以上部門」から、第1位の『T600-2』(税込価格:10万440円)、第3位のグラウンドゼロ『GZHA 2400XII』(税込価格:7万9920円)を。そしてもう1台は、集計期間の終盤からの発売ということもありランキングには入らなかったが、【CAOTY2017】での躍進が予想されるレインボウの『Germanium Two』(税込価格:12万9600円)も加えさせていただいた。

試聴会場は、イース・コーポレーションの試聴室。リファレンス・スピーカーとしては、「スピーカー6万円以上10万円未満部門」で第3位に食い込んだ、グラウンドゼロの『GZUC 650SQX』(税込価格:6万6000円)を使用した。なお、ケーブル類は、「モンスター カーオーディオ」の上位モデルで統一している。

ロックフォード・フォズゲート R150X2
さて、最初に聴いたのは、「2chパワーアンプ6万円未満部門」の第1位となった、ロックフォード・フォズゲートの『R150X2』(税込価格:2万8080円)である。同部門で、4年連続で第1位に君臨している当機。しかも、他を大きく引き離している、とのことだ。人気は絶大、というわけだ。

価格が手ごろであることも、支持を集める大きな要因の1つだろう。しかし、音がそれなりであったなら、ロングセラーは難しいはずである。果たして…。

試聴トラックを再生するなり、唸らされた。バランスも音色も、至って正確だ。さらには、サウンドステージの立体表現も確実に行えている。

そして、ロックフォードらしさも十分に感じさせてくれた。特に、低音の質感に“らしさ”があふれている。音が太く密度感も十分。パンチが効いている。

これだけの実力があれば、ユーザーをがっかりさせることはないはずだ。売れるべくして売れていることをつくづく思い知った。これを打ち負かすのは、簡単ではなさそうだ。『プライムシリーズ』恐るべし、である…。

実力は拮抗しつつも、上位モデルが売れるには、やっぱりワケがある…。


グラウンドゼロ GZHA 2400XII
続いては、「2chパワーアンプ6万円以上部門」の人気モデルの音を確かめた。まずは、同部門での第3位を得た、グラウンドゼロ『GZHA 2400XII』(税込価格:7万9920円)である。

【CAOTY2015】の第5位から、2ランクの上昇を果たした当機。ロックフォードのロングセラーモデル、『パワーシリーズ』の牙城を切り崩すところまではいかなかったが、じわじわと差を詰めてきている。その理由を探るべく、じっくりとチェックさせていただいた。

実力機であることが、1曲目のイントロで感じ取れた。光っているのは、1音1音の質感だ。充実感が高く、リアルさもぐっと上がっている。そして、独特の“濃さ”がある。

表現力も高い。抑揚やグルーブ感、言い換えるなら演奏者の技術や感情を、しっかりと再現できている。単に、工業製品としての完成度(スペック)が上がっている、にとどまらず、芸術性が向上しているという印象を受けるのだ。

そういったあたりは、グラウンドゼロの持ち味でもある。当機もブランドの強みをしっかりと踏襲している。満足度の高い優秀機であることを確認できた。

ロックフォード・フォズゲート T600-2
そして、それに続いて聴いたのが、同部門で堂々5年連続の第1位に輝いている超人気モデル、ロックフォード・フォズゲートの『T600-2』(税込価格:10万440円)である。「6万円以上」というくくりの中では、やや高めな価格設定と言えるが、そんなビハインドはまったくもって影響なし、なのだがさて、音は…。

一聴して、すべてを納得できた。試聴取材の度に比較するモデルが異なるが、どのモデルと比べても、当機の良さを都度確認できる。

ほど良くクールなサウンドでかつ、解像度、情報量が豊かでコクがある。低域のパワー感もさすがはロックフォード。リズミックな曲ではグイグイとドライブし、音楽をノリ良く聴かせてくれる。高域のきめ細やかさやスムーズさも申し分なく、メリハリも十二分だ。

当機はさらに、ルックスも良い。発売が開始されて10年近く経っているのに、古さは感じさせない。力強さと高級感が上手くバランスしているあたりも秀逸だ。サウンドのイメージとも絶妙にシンクロしている。グラウンドゼロの『GZHA 2400XII』が迫ってきてはいるものの、総合力で当機は一枚上手だ。ロックフォードの『パワーシリーズ』は、やっぱり凄い。

“音色の豊かさ”で好感度高し。2017年はレインボウにも注目!


レインボウ Germanium Two
最後にもう1機種、2017年の躍進が予想されるドイツの実力ブランド、レインボウの『Germanium Two』(税込価格:12万9600円)を聴いてみた。

そこそこに大きさもあり(420×235×55mm)、価格もお手頃というレベルは超えている、本格派である当機。その実力やいかに…。

最初の出音で、にやっとなった。好感度が高かったのだ。気に入ったのは、“音色の豊かさ”だ。なかなかに聴かせるパワーアンプである。深みがあって、旨味がある。むやみに色付けをしているわけではなく、あくまでも冷静ではあるのが、それにプラスして、ほどよく艶やかで華がある。

スペック的にも、価格的なレベルは十二分にクリアしている。立体感の的確さと、実在感の高さにそれを感じた。音源に含まれている情報を確実に引き出せている印象だ。

低域にはハリがあり、伸びやかさやエネルギー感もある。高域はきめ細やかで、倍音が幾重にも乗っている。

この音を好きな人は多いはずだ。筆者自身も正直、好みの音だ。ミドルグレードのパワーアンプの中から好きなものを選べと言われたら、当機が候補からもれることはないだろう。中身はいたって良質だ。【CAOTY2017】で、どこまで上位に食い込めるか、期待を持って注目したい。

リポートは以上だ。ランキング上位機種の音を確認し、人気モデルの素性の良さを確認できた。市場のジャッジは的確だ。購入するモデルを迷ったら、当ランクは大いに参考にできる。なんらかモノ選びをしているならば、【CAOTY2016】をチェックして損はない。

さて次週は、「多チャンネル・パワーアンプ部門」ならびに「1チャンネル・パワーアンプ部門」のランク分析を行っていく。お楽しみに。

《太田祥三》

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