【徹底比較試聴】“ミドル・ハイ・クラス”パワーアンプ6機種を聴く! ベストバイモデルを探せ! Part.2 | Push on! Mycar-life

【徹底比較試聴】“ミドル・ハイ・クラス”パワーアンプ6機種を聴く! ベストバイモデルを探せ! Part.2

エントリーモデルからステップアップしようとしたときのターゲットとなる、または、初めてのパワーアンプとしても魅力的な、“ミドル・ハイ・グレード”の製品群。そんな人気の価格帯にあるモデルを比較試聴して、“ベストバイ”を見つけようとしている当週刊特集。

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試聴会場/イース・コーポレーション試聴室
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  • MMATSプロオーディオ・MPA4150
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エントリーモデルからステップアップしようとしたときのターゲットとなる、または、初めてのパワーアンプとしても魅力的な、“ミドル・ハイ・グレード”の製品群。そんな人気の価格帯にあるモデルを比較試聴して、“ベストバイ”を見つけようとしている当週刊特集。

試聴を行ったのは、以下の6モデル。1『MTXオーディオ・XTHUNDER 125.4』(税抜価格:8万4000円)、2『JLオーディオ・XD400/4v2』(税抜価格:10万円)、3『MMATSプロオーディオ・MPA4150』(税抜価格:10万円)、4『レインボウ・Germanium Four』(税抜価格:12万円、5『グラウンドゼロ・GZNA 4330XII』(税抜価格:12万円)、6『ロックフォード フォズゲート・T600-4』(税抜価格:12万円)。

連載2回目となる今週は、3の『MMATSプロオーディオ・MPA4150』と、4の『レインボウ・Germanium Four』についてのインプレッション・リポートをお届けする。

試聴会場は、これらを正規輸入しているイース・コーポレーションの試聴室。試聴環境については、連載1回目の記事をご参照いただきたい。

なお、今回のリポートは対談形式でお贈りしている。参加テスターは以下の3名だ。イース・コーポレーションの、Super High-end 推進事業部 兼 Monster Car Audio 国内事業部の関口周二さんと、当サイトの藤澤純一編集長、そしてライターの私、太田祥三、以上だ。

ゲインを上げ気味にすると妙味を発揮。メリハリの効いた中域にも魅力アリ。

MMATSプロオーディオ・MPA4150
まずは、こちらのモデルから。
☆『MMATSプロオーディオ・MPA4150』(税抜価格:10万円)
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ ●定格出力:150Wx4(4Ω) 250Wx4(2Ω) 500Wx2(4Ωブリッジ)●周波数特性:10Hz~22kHz(±1dB) ●S/N比:103dB ●サイズ(幅×奥行×高さ):532x195x56mm
アメリカ・フロリダを拠点とする、「MMATSプロオーディオ」。創立は1990年。日本で正規輸入販売されるようになったのは比較的に近年ではあるが、本国での歴史は25年以上を誇っている、有名実力ブランドである。

スピーカーにおいては、リーズナブルな製品が中心となっているが、パワーアンプは、エントリーからハイ・グレードまで、幅広くラインナップしている。その中で、今回試聴した『MPA4150』は、同ブランドの製品中での、最エントリーグレードとなる『MPAシリーズ』に属している。

同シリーズには、2chモデルと4chモデルが2機種ずつ、そして1chモデルが1機種という計5機種がラインナップされている。当機は、ハイグレードなほうの4chモデルだ。

なお、今回の比較試聴では、同一コンディションとなるように、テスターを用いて厳密にゲイン調整を行ったのだが、当機のみ、他とイコールのゲイン調整では良さが表れにくかった。なので特別に、当機におけるベストなゲイン調整を施してから試聴を開始した。

藤澤(以下、藤)「ゲインを上げたら、大分印象が変わりましたね。解像度もまずまずですし、立体感も一定レベルに達していると思います。ゲインが低いときは、もっさりした印象もあったのですが、今は軽快に音楽を聴かせてくれています」

太田(以下、太)「当モデルは以前にも1度試聴したことがあり、その時の印象はなかなかに良かったんですよね。ゲインを上げたら、その時の印象が蘇ってきて、ほっとしました。親近感が持てる音だと思います。肩肘を張らずに聴ける、というイメージです。特に中域には温かみもありますし、この音が好きという人も、絶対にいると思います」

関口(関)「聴感上では、レンジが広いタイプではないように感じました。しかし中域の制動力はありますし、メリハリあるサウンドを聴かせてくれていますよね」

太「筐体は大型ですし、デザインもどちらかという無骨なイメージです。カスタムインストールする場合には特に存在感を発揮できるのではないでしょうか。パワフルにドライブさせることで、妙味のあるサウンドになりそうですね」

なかなかに個性派モデルであった当機。小ゲインでは良さが出にくい、ということが分かったので、当機を使う時にはぜひぜひ、ゲインを高めに、力強く鳴らしてほしい。そうすると、解像度も上がりメリハリも効いてくる。参考にしていただきたい。

ハイエンドの入り口の製品として、相応しい実力。音色に独特の魅力を有する。

レインボウ・Germanium Four
次に聴いたのはこちらだ。
☆『レインボウ・Germanium Four』(税抜価格:12万円
●仕様:4ch(4/3/2ch)パワーアンプ ●定格出力:105W×4(4Ω)140W×4(2Ω)270W×2(4Ωブリッジ) ●周波数特性:1.5Hz~50kHz ●S/N比:96dB ●サイズ(幅×奥行×高さ):420×235×55mm
さてここからの3台は、すべて税抜価格が12万円。その中で、それぞれがどのような特長を発揮するのかが非常に興味深かった。

まずは当機である。ドイツ発の有名ブランドである「レインボウ」。近年、日本へのデリバリーが一時止まっていたのだが、昨年より再上陸が始まり、今年になっていよいよ本格的なデリバリーが開始されたところである。

スピーカーの比較試聴でも取り上げたが、なかなかに魅力的なサウンドを聴かせてくれた。さて、パワーアンプではどうなのか…。

なおこの度、日本での発売が開始されたパワーアンプは、2ラインある。エントリーグレードとなる『ビート・ライン』と、当機が含まれる上級グレードの『ジャーマニウム・ライン』の2つだ。

太「価格が2万円上がり、これまでのものと比べて、性能も1ランク上がりましたね。低域は適度にタイトで、かつ弾力感もほどよくあり、パンチが効いています。中域の音色も正確ですし、高域の繊細さにも好印象を持ちました」

藤「透明感があり、かつ、ゆったりとした懐の深さも感じます。立体感もあり密度感も高い。解像度も一定レベル以上ありますね。音が消えゆくときには、しなやかに階調を描きます。帯域ごとのメリハリもあってバランスが良い。ハイエンドの入り口となる価格帯の製品として、それに相応しい実力を持っていると思います」

関「立ち上がりも鋭く、音数も多い。質感も上々ですね。リスナーを引き込む魅力を持っていると思いました。筐体サイズも大き過ぎず、ほど良い大きさだと思います。デザインも大人っぽい。なお当機は、ゲイン等の調整ツマミが、トップパネルの下にあるんですね。インストール後も調整がしやすい、ユーザーフレンドリーなアンプです」

太「関口さんが、“リスナーを引き込む魅力を持っている”とおっしゃいましたが、実際ぼくは、結構引き込まれました(笑)。音色のハリとツヤが、ツボにハマったんです。質感の高いタイプの製品が好きなんですよね。耳当たりが心地良く、非常に気に入りました」

3名の印象は、ほぼ一致している。バランスが良く、かつ、魅力的な音色を聴かせてくれるアンプだった。解像度や情報量といった基本性能にも不足がなく、高評価を集めたのだが、果たして最後、“ベストバイ”に選ばれるのか否か。問題は残り2台との力関係、ということになるのだろうか…。

というわけで、次週は12万円のもう2台のモデルについて、詳しいインプレッション・リポートをお届けしていく。次週の記事を、楽しみにお待ちいただきたい。

《太田祥三》

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