音質向上のための“もうひと手間”、完全解説! 第6回「スピーカーケーブルを換えてみる!」 | Push on! Mycar-life

音質向上のための“もうひと手間”、完全解説! 第6回「スピーカーケーブルを換えてみる!」

クルマの中で良い音を聴きたいと思ったら、まずはスピーカー交換がおすすめだ。そしてそれを行ったその後に、さらに音を良くすることができるとしたらどうだろう。しかもそれがそれほどコストの掛からない方法であるならば…。やらない手はないはずだ。

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スピーカーケーブルの一例(ゾノトーン)。
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クルマの中で良い音を聴きたいと思ったら、まずはスピーカー交換がおすすめだ。そしてそれを行ったその後に、さらに音を良くすることができるとしたらどうだろう。しかもそれがそれほどコストの掛からない方法であるならば…。やらない手はないはずだ。

そんなお手軽な音質向上策をいろいろと紹介している当短期集中連載。その第6回目となる今回は、「スピーカーケーブルの交換」にスポットを当ててみる。

純正スピーカーケーブルを流用しているのなら、そこが大きな“ノビシロ”に!

市販スピーカーを交換する際、流用できる部分に関しては純正ケーブルがそのまま使われるケースは少なくない。そうすることで「スピーカー交換」をよりリーズナブルに完了させられるからだ。しかし、もしもそうだったとしたら、その部分(純正ケーブル)は音を良くするための「大きなノビシロ」となってくる。それを市販品に換えることで、確実にもう1ランク、音質を向上させられるのだ。

というのも、純正のスピーカーケーブルは多くの場合、音のことが考えられた仕様にはなっていない。車体メーカーは車両価格を下げるために(価格的な競争力を高めるために)、走行性能や安全性能に関係の薄い部分のコストを省いている。ゆえに純正スピーカーケーブルには最低限の性能が与えられているだけで、高音質タイプが使われることはまずない。

対して市販のスピーカーケーブルには、1mあたり200円とか300円くらいのお手軽なモデルであっても、音に効く技術が盛り込まれている。例えば、導体に“無酸素銅”と呼ばれるより純度の高い素材が使われていたり、音に良かれと構造的な工夫が採用されていたりもする。このクラスの製品であっても、純正スピーカーケーブルとの性能差は相応にあるのだ。

なのでもしも純正ケーブルを流用しているというのなら、最廉価なモデルでもいいので、ケーブル交換はするべきだろう。モノが違うのだから、音も良くなって当然なのだ。

また、もしも廉価なケーブルに換えてあるならば、そこからもう1段階グレードを上げてみても面白い。例えば、1mあたり1000円くらいの製品をチョイスすると、1mあたり200円の製品と比べて価格差はざっと5倍。5倍はダテではない。2万円のスピーカーと10万円のスピーカーとがあったとしたら、これらにはまったくの別モノというほどの性能差がある。ケーブルにおいても同様だ。1000円のケーブルに換えてみると、200円のケーブルとは違った音世界を体験できる。

ケーブルを良いモノに換えると、“ワクワク感”も味わえる!

なお、スピーカーケーブルを交換すると、音が良くなることに加えて、ワクワク感も得られる。「わざわざ良いケーブルに換えた」という事実が気分を盛り上げてくれるのだ。どのような趣味でも同様だが、“こだわり”を発揮させると高揚感が味わえるものだ。ケーブルは一般的なイメージからすれば“裏方”的な存在だ。それを交換することで「自分はここまでやっている」という達成感が生まれ、結果、楽しい気分もブーストされる、というわけなのだ。

ところで、オーディオの世界では上を見ればキリがなく、それはスピーカーケーブルにおいても同様だ。超高級品ともなると、1mあたり、2万円もするような製品も存在している。ただし値段が高いのはダテではなく、廉価なモデルとの性能差は相当に大きいと思って良い。

とはいえ、エントリースピーカーと組み合わせるのは現実的ではない。明らかにオーバースペックだ。片側3mですんだとしても、左右で6mが必要となるので、ケーブル代だけで12万円もしてしまう。超高級スピーカーケーブルは、高級スピーカーの性能を十二分に引き出したいときに使うもの、と思った方がいいだろう。

しかし…。こんな使い方も存在している。ウラ技ではあるのだが、例えば30cm程度を継ぎ足してみる、というやり方もあるのだ。本来ならば継ぎ足すのはNGだ。スピーカーケーブルを継ぎ足せば接点が増える。結果、伝送ロスが起きかねない。しかし継ぎ足すのが超高級品である場合には、音は明らかに変わってくる。

超高級ケーブルの音色傾向が好影響を与え、聴こえ方が変わる!

もちろん、全部を超高級品に換えたときの方が断然音が良い。一部だけを換えるというのはあくまでもウラ技だ。しかし、一部だけを換えて音が変わることもまた事実だ。そのケーブルだからこその音色傾向が、サウンド全体に影響を及ぼす。結果、聴こえ方が良い方向に変貌するのだ。

なお、この手を試そうとするときには、左右で同条件にすることが必須となる。ステレオ再生は、右chと左chの再生条件を揃えることは基本中の基本だ。左右で異なるスピーカーが使われることはなく、スピーカーケーブルにおいても左右で異なるものが使われることはない。そうしないと左右で音色が変わってしまうしバランスも崩れ、ステレオイメージを正確に感じ取れなくなる。

また、こんな音質向上策も有り得ている。

パッシブクロスオーバーネットワークの端子部分にスピーカーケーブルを接続するとき、ケーブルの先端にクワ型端子等が使われるが、こういったパーツにも高音質仕様のモノがある。信号をロスなく伝送する必要があるわけなので、電気の通り道の中に通電性能の良くないものは使いたくない。良いスピーカーケーブルに換えてもその効果が半減しかねない。こだわるならば、端子にも良いパーツをセレクトしよう。

ちなみに言うと、ハンダにも高音質品が存在している。単にスピーカー交換を行う場合にはハンダが使われることは少ないが、パッシブクロスオーバーネットワークを自作したりする際にはハンダはよく使われる。そしてハンダもモノによって音色傾向に特徴がある。マニアになると、サウンドチューニングの観点でハンダ選びが実行される。

とにもかくにも、信号の伝送コンディションの良し悪しは、音に大きな影響を与えかねない。もしもスピーカー交換をしたのなら、いつかのタイミングでぜひともケーブルのアップグレードにもトライしてみよう。必ずや音の変化が楽しめる。

今回はここまでとさせていただく。次回もまた別な音を良くするためにの“もうひと手間”を紹介する。お楽しみに。

《太田祥三》

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