【プロに訊く】音楽ジャンル別・システム構築術&サウンドチューニング術、徹底検証! Part.1「女性ボーカル編」 | Push on! Mycar-life

【プロに訊く】音楽ジャンル別・システム構築術&サウンドチューニング術、徹底検証! Part.1「女性ボーカル編」

全国の有名カーオーディオ・プロショップに取材して、音楽ジャンルに応じたシステム構築術とサウンドチューニング術を、掘り下げて検証していこうと思う。第1回目となる今回は、カーオーディオフリークに人気のジャンル、“女性ボーカル”について解説していく。

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全国の有名カーオーディオ・プロショップに取材して、音楽ジャンルに応じたシステム構築術とサウンドチューニング術を、掘り下げて検証していこうと思う。第1回目となる今回は、カーオーディオフリークに人気のジャンル、“女性ボーカル”について解説していく。

取材にご協力いただいたのは、高知県の実力店“ガレージショウエイ”の吉岡さん。ユニットの選び方からシステム構築法、調整におけるコツ等々を、じっくりとお訊きした。

■“女性ボーカル”向きのスピーカーは? サブウーファーの使い方は?

まずは、“女性ボーカル”に向いたスピーカーのタイプからお訊きした。

「好みに応じて、選ぶべきタイプが変わってくると思います。柔らかな“女性ボーカル”がお好きならば“ソフトドーム”を、カチっとした“女性ボーカル”がお好きなら、“ハードドーム”を選ぶと良いと思います。ただし、決めつけ過ぎるのは良くないですよね。まずはいろいろと聴いて、イメージに合うものを納得して選んでいただきたいと考えています。

ミッドウーファーの振動板素材選びについても、同じことが言えます。タイプを気にし過ぎる必要はないでしょう。ただ、クセの少ないものを選んだほうがいいかもしれません。硬い素材のほうが空気をしっかりと押し出せるので、クセは出にくいと思います」

今度は、“女性ボーカル”を気持ち良く聴こうとするときの、サブウーファーの上手な使い方について訊いてみた。

「まず、サブウーファーを導入するタイミングなのですが。それを急ぎ過ぎる必要はないと思うんです。できるならば最初は、フロントスピーカーに予算を割きたい。仮に予算が20万円あったとして、それをフロントスピーカーとサブウーファーに振り分けるのではなく、使い切ってできるだけ上質なフロントスピーカーを入れておくと良いのではないでしょうか。そして、サブウーファーは余裕ができたときに追加する。このようにしたほうが結果的に、より満足度高く“女性ボーカル”を楽しめるはずです。

後々サブウーファーを組み込んだ暁には、重低音を強く効かせ過ぎるのではなく、鳴っているか鳴っていないかくらいのバランスで使うと良いと思います。倍音を乗せるための土台作りにサブウーファーを使う、というイメージですね。こうすることで、“女性ボーカル”のツヤや色気が増してくるはずです」

■“女性ボーカル”を気持ちよく聴くためのサウンドチューニング術とは?

続いては、サウンドチューニング術についてお訊きした。“女性ボーカル”の良さを引き出すためのイコライザーの使い方からお訊きしてみた。

「味付けとしてイコライザーを使う、というアプローチはあると思うのですが、それよりも、イコライザーは“補正”のために使ったほうが良いと考えています。色付けはイコライザーで行うのではなく、スピーカーの特長によって表現されれば良いのではないでしょうか。スピーカーを選ぶときに、そのスピーカー自体の音色を感じ取りたいですね。しっとりと聴かせるのか、キリっと聴かせるのか等々は、スピーカーによって発揮させます。

ところで、音色傾向を変化させようと思ったら、ケーブルを換えてみるのも手ですね。一概には言えませんが、曲げてみたときに硬いケーブルは硬い音がしがちで、逆に柔らかいケーブルは柔らかい音がしがちです。ご自分の好みどおりに“女性ボーカル”を鳴らすことができるケーブルを、じっくりと探してみるのも面白いと思います」

イコライザー以外の調整項目についてもお訊きした。

「チューニングでこだわるべきはむしろ、各ユニットのレベル(ゲイン)調整だと思っています。例えば、“さしすせそ”がきつい、と感じたときでも、イコライザーではなくトゥイーターのレベルを下げることで対処が可能ですし。もっとも、“さしすせそ”の強い・弱いは、スピーカー固有の特長である場合も多いですよね。調整以前の問題だったりするんですよ。

そしてレベル合わせを厳密に行うことで、マルチウェイスピーカーの“繋がり”を整えていきます。“女性ボーカル”を心地良く聴くためにも“Hi-Fi”を追求するためにも、スムーズな“繋がり”は必須です。時間軸の補正や、位相調整ももちろん重要ですが、そもそもレベルのバランスが取れていないことには、上手く“繋げる”ことができないんです。

結局のところは、“Hi-Fi”に向かっていくことこそが、すなわち“女性ボーカル”を気持ち良く聴くための方法でしょうね。音源に入っている情報を、すべてそのまま出し切ることが大切だと思っています」

“女性ボーカル”を心地良く聴きたいと考えている方は多いと思う。“ガレージショウエイ”の吉岡さんの話をご参考にしていただきながら、“女性ボーカル”道を、さらに極めていただきたい。

次回はガラリと嗜好を換えて、“ヒップホップ”等のビート系ミュージックについてのシステム構築術&サウンドチューニング術をご紹介していく予定だ。次週もお読み逃しなきように。

《太田祥三》

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