【プロに訊く!】選び方から使い方まで、「ケーブル」にまつわる素朴な疑問を一気に解消! Part.1「スピーカーケーブル編」 | Push on! Mycar-life

【プロに訊く!】選び方から使い方まで、「ケーブル」にまつわる素朴な疑問を一気に解消! Part.1「スピーカーケーブル編」

ケーブルの重要性は広く知られている。ケーブルを換えれば音は変わり、より良いケーブルを使うほどにさらに音が良くなっていく。とは言いつつも、イマイチよく分からない部分もある。オカルト的な要素も少々あるし…。

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ケーブルの重要性は広く知られている。ケーブルを換えれば音は変わり、より良いケーブルを使うほどにさらに音が良くなっていく。とは言いつつも、イマイチよく分からない部分もある。オカルト的な要素も少々あるし…。

というわけでここでは、ケーブルにまつわるあんなことからこんなことまで、素朴な疑問をカーオーディオ・プロショップにぶつけ、ご教示いただこうと思う。4週連続で展開していく。まず1週目となる今回は、“スピーカーケーブル”に関するあれこれを、愛知県の実力店、“マイスター安城店”の佐藤さんにお訊きした。

なお、ケーブルに関しては諸説ある部分も多々ある。今回はあくまでも、“マイスター安城店”でのスタンダード、としてお伝えしていく。

■“左右の長さ”、“方向”、“太いケーブルの取り回し方”、について

1つ目の素朴な疑問は、スピーカーケーブルの長さについて。左右同じ長さにするべきなのか、必ずしもそうとは限らないのか、お訊きした。

「できる限り、左右の長さは揃えるべきだと考えています。時間軸を揃える観点で、左右の長さは同じであるほうが良いと思います。なので、パワーアンプの設置場所を決めるときはできるだけ、スピーカーケーブルの長さが左右で変わらないような場所に付けたいと思っています。

とは言っても、シート下に付けるときなどは、取り付け位置がどうしても左右のどちらかに偏ってしまいますよね。その場合でも、スピーカーケーブルの長さは左右で揃えるようにしています。

ただし、パワーアンプの設置場所によっては、どちらかが多く余り過ぎてしまうケースも出てきます。余った分の処理が上手くいかないようならば、やむを得ず、長さを不揃いにすることはありますね。長さを揃えたいがために、安全性が妨げられる等、他に不合理なことが発生するようでしたら、無理に長さにこだわる必要はないと思います。総合的に判断するべきだと思うんです」

続いては、“ケーブルの方向”についてお訊きした。

「ケーブルには“方向”があります。もちろん、それに従ってインストールしています。ただし、逆に付けたとき音にどのような影響が出るのかは、よくわからない、というのが正直な結論です。

ケーブルによっては逆にしても変化の出ないものもありますし、また、逆にすることにより、ケーブルのキャラに変化が出る場合もあります。その変化が良い方向での変化ならば逆にするのもいいと思います。どのように変化するかはケーブルによってもまちまちなので、実際に確認したうえで方向を決めるのが良いと思います。品質の高いもののほうが“方向”での変化が出やすいようです。

でも、“方向”が決まっている以上、それに背いて使うのも気持ち悪い気もするんです(笑)。“方向”は守る、ということで良いと思います」

ところで、ハイエンドケーブルの中には、ものすごく太い“スピーカーケーブル”があり、ボディからドアの中へ通すことができない場合もある。そのようなケースでは、どのような対策が有効なのだろうか。

「ドアに通すことが不可能な太さのケーブルは、当店ではおすすめしていません(笑)。でも、どうしてもそれを使いたい、とご希望された場合には、ドアを外して、ドアの鉄板に穴を開けて、通り道を確保するようにしています。そして取り付けたあと、ドアを開閉したときにケーブルに変なテンションがかからないように注意しながら引き回していきます。

しかしながらドアを外してしまうと、クルマを売りに出す際に、“事故車扱い”となるケースがあるんですね。そのことをご説明してご理解いただいた場合だけ、そのような方法を取るようにしています」

■“継ぎ足し”、“価格”、“選び方の注意事項”、について

ところで、1本のスピーカーケーブルの一部分だけに高級ケーブルを組み入れると、それだけでも音が良くなると言われるが、それについての真偽もお訊きしてみた。

「継ぎ足した長さが10cm以上あると、その影響が音に出てきますよね。なので、例え一部であっても、高級ケーブルを継ぎ足してサウンドを良い方向にチューニングしていくという作戦は、アリだとは思います。しかしながら接点が増えるというマイナスポイントもありますし、当店では積極的にこれを実践してはいませんが…。

逆に、グレードの低いケーブルを継ぎ足すことは、絶対にやりません。せっかく上質なケーブルを使っていても、それより質の良くないケーブルを混ぜてしまったら、その影響がサウンドに現れてしまいます。せっかく良いケーブルを使っているのに、もったいないですからね」

価格的には、どのあたりの製品を使うと良いのだろうか。

「上を見ればキリがありませんが、おすすめしているのは、1m、2000円から3000円くらいの製品ですね。このクラスのものになれば、十分な解像度が得られると思います。もちろんご予算が許せば、それ以上のものを(笑)」

最後に、“スピーカーケーブル”選びにおける注意事項をお訊きした。

「高級なスピーカーを使う場合や、高度なシステムを構築する場合、“スピーカーケーブル”にもそれなりのものを使うべきである、ということを頭に入れておいていただきたいですね。必ずしも高級品を使わなければいけない、ということではありませんが、純正ケーブルをそのまま使うようなことは避けるべきです。スピーカーの性能を発揮できないのでは、良い製品に換えた意味がないと思うんです。スピーカー交換を考える際には、“スピーカーケーブル”にかかる費用のことも頭に入れて、スピーカーのグレードを検討されると良いと思います」

いかがだっただろうか。“スピーカーケーブル”については以上だ。次回は、「ラインケーブル」についての素朴な疑問を解決していきたいと思う。次週もお読み逃しなく。

《太田祥三》

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